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大人がハマる昆虫研究

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40になって知ったディープな昆虫の世界。身近な環境も、視点次第で宝の山に。
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#ゴミムシ

簡単なヤマビル撃退法

簡単なヤマビル撃退法

虫を始めて間もない2017年初夏のこと。当時、地上徘徊性甲虫のゴミムシ類の採集にハマっていたのだが、身近な耕作地に生息する種は大方把握できたので、湿地性の種を見たくなり、居住している厚木市内にある休耕田の湿地(下写真)に、夜中に行ってみたことがあった。

ライトで地面を照らすと、予想通り、湿地性のゴミムシ類がたくさんいるではないか!憧れていたアオゴミムシやミイデラゴミムシも活発に動き回っていた。採

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河口の中洲は宝の山―汽水性ゴミムシを探そう―

河口の中洲は宝の山―汽水性ゴミムシを探そう―

はじめに 汽水性ゴミムシ類という虫がいる。いわゆるゴミムシ類は、オサムシ科に属する地上徘徊性の甲虫で、あらゆる環境に多様な種が生息しているが、その中で、汽水性ゴミムシは、河川の河口近くに生息環境を見出したゴミムシ類である。そのような特異なニッチを利用する生態のため、開発によって生息環境が消失しやすく、都道府県レベルで絶滅危惧種に指定されていることが多い。

2023年4月現在、神奈川県では汽水性ゴ

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微小甲虫の楽園としての「芝生の裏側」―チビミズギワゴミムシとコケシマグソコガネ―

微小甲虫の楽園としての「芝生の裏側」―チビミズギワゴミムシとコケシマグソコガネ―

はじめに私が現在居住する賃貸住宅の庭には5 $${\text{m}^2}$$ほどの小さな芝生がある(下写真)。

いくら虫屋でも、こんなつまらなそうな場所でわざわざしゃがみ込んで虫を探そうという発想にはなかなか至らないものであるが、たまたま妻に頼まれた作業を玄関前で行っていたのがきっかけで、この芝生にチビミズギワゴミムシとコケシマグソコガネが生息しているのを発見した。いずれの種も、こんな身近過ぎる

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