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こんな本を読んだ 番外 私が好きな人 3 磯田道史

【結論】「好き」を仕事にできれば幸せ。しかし、努力も必要。

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武士の家計簿』の磯田道史さん。テレビで歴史について語るときの楽しくてしかたがないといようす、私は好きです。

さて、前回の養老孟子さんのとき(⇒こちら)に、「好きなことを職業にできたらいいとよくいわれますが、それができる人は多くはない」と書きましたが、磯田さんは、その数少ないうちの一人。

磯田さんは歴史の専門家ですので、本(史料)を読むのが仕事。本とのかかわりを自身のことばで語っています。

それが『仕事力「働く」を考えるコラム』(⇒こちら

いくつか要約または引用します。

小学校のころ、弥生土器の再現に夢中になっていたが、本物のように赤くきれいに焼き上がらない。ついに小学校の図書館で窯業の本を読んで、赤い色を出すためには鉄分が必要であることを知ります。

焼き物ができて釉薬(ゆうやく)、つまりうわぐすりを使うまでおよそ一万年もかかったのに、文字を読めば一日でその技術が得られるというのは衝撃でした。

本というものはとんでもないものです。小学生の自分が一日で人類の知恵を得てしまえる。それで僕は全ての図書館の本を読み尽くすと決めます。また実家には古文書があって、祖父から手ほどきを受けて読むようになりました。

自分が何に引かれるのか、止められない興味は何か、ちょうど「雪だるまの芯」に当たる仕事の核というものを探し求めた。それが日本史だったのです。

今、とりあえず給料をもらえる仕事で若い時代をしのぐ人は多い。でもそれはあなたのやりたい仕事なのか。そんなことを考えてみませんか。

母校・慶應大学の図書館に何日も飲まず食わずでこもっていたら、倒れて救急車で運ばれてしまったというエピソードも語っています。

救急車で運ばれるのはどうかと思いますが、それだけ努力をしているということでしょう。もっとも、本人は努力と思っていないふしがある。楽しくてしかたがないんでしょうね。

磯田さんは、「好き」を仕事にすべきだといっています。そのためには、他人以上の努力が必要ですし、それを楽しむ才能が必要だと私は思います。

結論。「好き」を仕事にできれば幸せ。しかし、努力も必要。


いままで3名の「私が好きな人」を書いてきました。みな少年のこころを持った人ばかりです。たまたまですが男性ばかりとなってしまいました。またの機会に女性篇も書いてみたいと思います。




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