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母が放った“絶対に言ってはいけない”衝撃の一言。

私の亡くなった母(以下オンマ)は天然で、少しいや、かなりボケボケなところがありました。
これはそんな天然オンマの話。

私が小学5年頃の話です。
うちは6人家族で兄弟4人。男2人女2人のバランスのとれた家庭でした。
家族が多いので、いつもキッチンに長く立って大量の料理を作っていたオンマ。

いつものように、壁に備え付けられたキッチンで花のコサージュがついた黒いエプロンを身につけたオンマは、まな板に玉ねぎを乗せ、包丁でトントンと刻んでいました。

そんなオンマは、その日機嫌が悪かった。違う、悪くなった。
原因は、私を含む下の3人のお子たち。

キッチンの隣がリビングになっていて、オンマを斜め後ろから眺める形でゴロゴロしていました。

オンマは天然でかなり優しく、
基本的に怒らない。
怒っていたとしても、怒られたと受け取れないくらい甘いオンマ。

そんなオンマを私たちはよくからかっていたんです。
しかも、かなり質の悪い関西ノリで。

正直、からかった内容なんて大した事なくて覚えてもいない。
それくらどーでもいい事。
そんな時期ありますよね。ツボに入ると鉛筆が転がるだけで爆笑してしまう、あのはたから見ればよく分からない自分達だけのノリ。

私たちは、キッチンで調理するオンマの後ろ姿を見ながら、爆笑していました。誰かが一言発するたびにお腹を抱えて笑って。
どんなにうるさくても、それが日常だったオンマは聞こえていないかのように、スルー。

そんな悪ノリが10分くら続いたころ、
包丁を置いて、振り向いたオンマが言いました。


「あんたら、もうみんな死ねーーーー!」


えっ…

言ってしまった!といわんばかりで自分で驚くオンマ。

.

.

.

1秒間 部屋はシーン…




そして、






わはははははははー!!!!!🤣

「それ親が絶対言ったらあかんやつー!!!!!」


はい、私たちは性懲りも無く、悪ノリが続いてました。笑
もちろん3人だったから。1人だったら泣いていたかもしれません。
そもそも1人なら、うるさくないだろうし悪ノリもしなかったでしょう。


私は笑い転げる妹たちを背にして、オンマの顔を見上げました。

苦笑いするオンマ。
笑ってくれて助かったという顔をするオンマ。
やってしまった…と反省しながら料理を続けるオンマ。

その後、本当に悪かったと謝るオンマ。

その後の人生で同じことを繰り返しはしなかったオンマ。


でもね、私たちは知ってるんです。
オンマがどれだけ私たちを愛していたか。

それまでの絆があるから。
毎日大量に愛情のこもったご飯を作ってくれたから。
しかも、その料理が本当に美味しかったから。


通常なら、心にかなり傷つく話だと思います。
でも、あの雰囲気、ノリ、オンマのキャラが最高に面白い「笑い」を引き起こしたのです。

今でも、私たちの中では最高の思い出話です。
このエピソードを書きながらもニヤニヤしている私。

傷なんて1ミリもない。
だってそんなオンマが大好きだから。

今はもう会えないけど、
いつまでもその強烈なエピソードでいつまでも笑える思い出。


素晴らしい思い出ありがとう♡

今日もそのエピソードにオンマに感謝して
ソンマッを作るのです。

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