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人生最大の口内炎が転移しまくる話

あれは私が大学3年生だったころの話である。

1月になって、私は急に口内炎になった。

1月3日:違和感に気づく

この日は高校の部活メンバーとの新年会があった。

二次会としてボーリングへ行くのがお決まりのコースになっていたが、今回は割と多めにお酒をいれたせいか、スコアが全然伸びなかった。

特に、同級生のTという男はきつい日本酒(吉兆宝山など)を飲んでいた…もとい、飲まされていたため、本当にフラフラで、スコアが伸びないどころではなかった。

なので、「ビリの奴はジュース奢り」という罰ゲーム付きルールでも、私はなんとかビリを回避することができた。

ビリになったやつから、「おい、何でも好きなやつを選べ」と言われたので、自販機から130円のカフェオレを選択。

今まで飲んだことのない商品だったので、興味津々で口に運んでみた。





ん?






なんかざらざらしてる。

コーヒー豆溶けきってないのかな? いやそんなはずは…

口当たりが残念なので、とりあえずそのまんま飲み干そうと心の中で決意。

1月3日:違和感の正体

私がざらざらしたカフェオレと人知れず戦っているその間にも、ゲームは進んでいく。

普段ならスペア余裕みたいな場面でも当然のようにミスしていく私。

球を転がし、のどが渇くとカフェオレを口に運ぶ、その繰り返しを何回か繰り返したところで気が付いた。

カフェオレのざらざら感の正体に気が付いてしまった。

あまりにも口当たりがざらざらしているので舌を動かしていたら、自分の口の中がざらざらなのに気が付いた。

つまり、ざらざらだったのはカフェオレではなく、自分の口内だったという訳である。

1月3日:確信

一次会で、6人で28396円食べた中に何らかのアレルゲンがあったのかもしれないし、単にビールの飲みすぎかも知れない。

よくわからないけどとにかく、口内炎を発症したことは確かだった。

ボーリングの結果は散々だった。スコアなんて覚えていない。

家に帰ってうがいをすると、やっぱり水道水もざらざらしている。

言うまでもなく、自分の口の中がざらざらしているのだが。

1月4日:口内炎と初詣

翌日、俺は初詣のために生田神社に来ていた。

後から聞いた話だと、参拝客で混むらしいのだが、ピークよりも前の時間に到着したらしく、特に長い時間並ぶこともなく五円玉を投入することができた。

今まで机の上に放置していたお守りを返納し、おみくじで人生初の大吉を引いた。

1月4日:口内炎とお買い物

私は某大型ショッピングモールにお買い物に来ていた。

年始とあって人が多かったので、ショッピングモール外のそば屋さんに行って、そばとかつ丼のセットを食べた。

以前に行ったそば屋さんでは、そばより親子丼の方が美味しかったが、この店はちゃんとそばがおいしいそば屋さんだった。

原因不明の口内炎は昨日よりはましになっているようで、そば茶を飲んでもざらざらしなかった。

1月4日:口内炎とカレー

西宮ガーデンズで買い物を終わらせ、家に帰ると晩ご飯にカレーが出てきた(実家にいました)。

「おせちもいいけど、カレーもね。」の有名なフレーズのとおり、おせちを食べ終わった後にカレーを作るご家庭も多いのではないだろうか。

そしてカレーといえば、口内炎の時に食べない方がいいものランキング上位の料理である。

割と口内にダメージがあったが、何とか食べきった。

1月5日:口内炎とカレーうどん

我が家では、晩御飯がカレーになると翌日のお昼御飯はカレーうどんになることが多い。

そして予想していた通り、昼ごはんにカレーうどんが出された。

そしてカレーといえば、口内炎の時に食べない方がいいものランキング上位の料理である。

割と口内にダメージがあったが、何とか食べきった。

1月5日:口内炎と書き初め

昼食を済ませた後は、所属している吹奏楽部の練習のため大学へと向かった。

年始なので全体練習はなかったが、個人練習しようとやってきたのだ。

すると、部室棟の前で部員有志が整列して、書道道具と半紙を準備して書き初めをしていた。

みんな「今年の一字」を書いていたらしく、なぜか私も書くことになった。

1月6日:口内炎と吹奏楽練習

書き初めを終えて楽器を練習している時に気づいたが、正体不明の口内炎は口内から舌先や唇といった、口の先端へと転移していた。

私が担当している楽器はチューバという楽器だが、音を鳴らすためには唇を振動させ、タンギングをしなければならない。

なので舌先や唇が炎症を起こしているのは結構マズイ。楽器を吹くと割とダメージがある気がするし、お昼御飯に食べたカレーうどんによる蓄積ダメージも大きい。どうしたものか。

1月6日:口内炎とオーケストラ練習

口の中は治ったが唇の荒れが気になってきた。あと舌先もなんか痛い。

まるでなかなか治らない風邪のようである。

私は当時は吹奏楽部の他に、市民オーケストラにも所属してチューバを吹いていた。

オーケストラの練習では唇と舌先の荒れによるバズィングの反応の悪さを随所で発揮した。マジで吹けなかった。

1月6日:口内炎と練習場所移動

この日は練習終了後、トロンボーンのKさんの家でアンサンブルの練習をすることになっていた。

Kさん「飯作ってるから食べにおいでー、いつものカレーや」

俺「ちょうど昼飯どうしようかなと思ってところです。ごちそうになります!」

と何も考えずに返事していた。

楽器を吹いていなければ唇も舌も痛くないからだろうか、この時は自分が口内炎であることをすっかり忘れていた。

1月6日:口内炎と激辛カレー

Kさん宅に着くと、庭に立っている時点で既にカレーの匂いがしてくる。

中に入れてもらい、鍋に入ったカレーを見てから自分が口内炎であることに気づいた(遅い)。

しかも今回のカレー、激辛らしい。唐辛子を入れすぎたとか。


K妻「もう、味見せずに作るからー」

Kさん「味見した時にはもう手遅れやった」


という訳で、激辛カレーで唇と口内を思いっきり痛めつけるような時間となってしまった…

他のアンサンブルメンバーも、Kさんの子どもたちもめちゃくちゃ食べるのに苦戦していた。

1月6日:口内炎とアンサンブル練習

アンサンブル練習の時間でも、荒れた唇をなんとか振動させて音を出していた。

Kさん特製激辛カレーの威力は絶大だった。唇が荒れているのがよくわかる。

このnoteを書いている現在から振り返っても、あれほど楽器を鳴らすのに苦労した瞬間はなかった。

なんとか練習を終えて帰宅したが、舌も唇も酷使したため明日起きたらどうなるかなという感じだった。

1月7日

唇は治ったが今度は舌の痛みが本格化する。

舌先が痛い。何かできものができているのかも知れない。

割と味覚に影響を与えているようで、あんまり食べた物の味がわからない。

Latusのクッキーから土の味がする。

口内炎タイムライン

3日:口内炎発症。

4日:口内のざらざらがほぼ完全に消える。夕食にカレーライス。

5日:昼食にカレーうどん。唇が荒れ始める。楽器を吹く。

6日:唇の荒れに加えて舌先も痛み始める。K宅で激辛カレーを食する。楽器を吹く。

7日:唇はほぼ回復。舌先の痛みとそれに伴う味覚の低下。クッキーから土の味。

5日間で口内、舌先、唇と活躍のステージを広げる原因不明の口内炎

治る日はいつになるのだろうか・・・

1月8日

もはやこの日の記憶がない。

1月9日

この日になって味覚が戻ってきた感覚がする。

実家の母に相談したら「あんたそれヘルペスちゃうん」と言われてしまった。

年始で人の多い場所に行き、体力を激しく消耗したことが原因な気がする。

人混みでウィルスもらった可能性もアリ。

口内炎から学んだ教訓

口内炎の時にカレーを食べるのはやめよう。