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お年玉が和民の長いレシートに変わった話

青春時代を共に過ごした仲間たちと過ごす時間は、実に楽しいものだ。

しかし、時には楽しさのあまり調子に乗りすぎて、羽目を外してしまうこともある。

これはそんな仲間たちと一緒に調子に乗りすぎてやらかしてしまったお話である。

新年会

私が大学3年生だった頃に、高校の部活動で仲が良かった奴らと新年会を開催した。

駅ナカの待ち合わせスポットでメンバーと合流して居酒屋へと向かう。駅から出ると、年始の冷たい空気が身体に染みた。

新年会の場所は駅前の和民だった。

今の大学生はどこで飲むのかは分からないが、「俺たちは酒が飲めればどこでもいいんだ」とばかりに和民に突撃していったのだ。

参加メンバー

参加したメンバーは6人で、私の同級生がそのうち(私も含めて)4人。

同級生4人をサッと紹介すると、こんな感じの人たちだ。

・私 → この新年会でビールが飲めるようになった。

・同級生I → 大学でガチな部活をやっている。

・同級生T → 塾の講師を楽しそうにやっている。

・同級生S → 部活メンバーで一番モテた。

残りの2人は同じ部活の後輩で、我々の誘いに応じて新年会に参加してくれた。

全員大学に進学してバラバラになっていたが、新年会ということで久しぶりに再会して楽しくやれることを私は素直に喜んだ。

楽しい時間

同級生4人で仲良く、とりあえず一杯目は生ビールを注文する。

私は当時はまだビールが苦手で、他の同級生にビールが飲みやすくなるツマミやアテを教えてもらってなんとか飲んでいるような状態だった。

しかしこの日はメンバーの近況報告やネタ話などが普段以上に盛り上がり、テンションが上がっていたのか私は人生で初めてビールを1杯空けることに成功した。

何故か知らないけど気が付いたら飲めるようになってたという感じだった。ビールおいしいです

盃をあげろ

いろんなネタ話を話しながら酒を飲んでいたが、突然、ワインを飲んでいた同級生Iが、酔っ払ったのか同級生Tに絡み始めた。

同級生I「おいT、お前吉兆宝山な」

と言いながら何かを注文した。

吉兆宝山って何やねん、と思っていたら芋焼酎の名前だった。

しばらくすると、店員さんが芋焼酎を持ってきた。当たり前だけどめっちゃ芋の香りがする。

同級生I「おいT、吉兆宝山来たぞ!」

こうやって、同級生Iが見つけた酒を注文しては、むりやり同級生Tに飲ませる流れが生まれた。

私や同級生Sもネタ話をしつつ、同級生Iが注文した酒を飲むのを手伝っていた。

やらかしお会計

いろいろなネタ話を聞きながら注文して食べたり飲んだりしていたらいい時間になったので、二次会でもするかってことになった。

レジに行って支払額を出してもらったところ、なんと合計金額は6人で28396円になった。

正直、大学3年生(21歳)が和民で支払う額としては高すぎる額である。

同級生Tも、レジの前で驚愕の表情を浮べながら「やりすぎた…」と声に出していた。

先輩としての男気

部活メンバーで飲み会をする時は、いつも後輩には奢っている。

今回も後輩にお金を出させるわけにはいかないということで、私達先輩が溢れんばかりの男気を発揮して一人あたり7000円とか8000円を支払った。

ただ、お年玉が和民のレジスターへと消えていくのはなんか寂しい気持ちになった。

そしてお年玉の代わりに、今まで見たことがないレベルの長いレシートが出てきた。

二次会、そして解散

二次会でボーリング場に行き、仲間たちとボーリングを楽しんだところで本日は解散となった。

電車に乗って隣の駅まで行き、話をしながら同級生たちと帰路につく。

途中で同級生Tがしみじみと「飲み放題にすべきだったな…」といった。

私たちも「そうだな…」と首肯した。めっちゃしみじみした表情してたと思う。

こんな時に、私はどんな表情をしたら良かったのだろうか。今でもわからないままでいる。