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「空中の村」で空中散歩してきました

空中遊泳!

こんにちは、清水です。

みなさんは鳥になりたいとかサルになりたいとか考えたことがあるでしょうか。
私は高いところが結構好き(足場が狭くて持つところがないのは苦手です)なので、飛べたり木と木の間を軽々飛び回れる動物はいいな~と思っています。

でも毎日車に乗って通勤するような生活をしてる者にそのような芸当ができるはずもなく、せめて高いところにハンモックでもつるしてフワフワしてみたいなあと思っているなか

空中の村

わー

職場の先輩に、奈良県十津川村に「空中の村」という野外施設があることを教えてもらいました。(画像は以下動画より)

見に行かねば、と思い立ってから1週間後の4月16日、空中の村に行くことにしました。

秘境 十津川村

7時に西粟倉を出て、到着したのは11時半。高速を降りて100kmほど(十津川村は日本で最大の村!)、住宅街と里山と谷底をひた走ると…

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こんな風景の山道が50kmほど続きます

21世紀の森・紀伊半島森林植物公園に到着しました。この公園の中に2020年、「空中の村」が完成しました。
交通こそ不便なものの、深い谷や滝、ときどきかかっている長い吊り橋、峠など秘境というにふさわしい場所。到着すると童話の中にいるような雰囲気が漂っていました。

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園内は
・ぐねぐね橋(曲がりくねった吊り橋!)
・ピクニックエリア(オーガニックドリンクの提供や、無人販売のお菓子もあります!木の上のテラス席)
・読書のんびり屋(ネットに寝転がりながら、昼寝や読書ができます)
・鳥かご(トランポリンのように跳ねたり、ハンモックでくつろいだり気分はまるで鳥!)
・展望エリア(向かいの雄大な杉山峰を眺めることができます!)の5つのセクションに分かれていて、それぞれをつなぐ吊り橋もバラエティ豊か!

公園にはちょうどシャクナゲが満開の季節。しっとりとした空気と相まって幻想的な雰囲気です。

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到着してまず目につくのはカラフルなぐねぐね橋

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ネットの下にも木製遊具がありくつろげます

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長い吊り橋!足元もネットなので弾むし揺れる…(喜)!!

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ハンモックで寝てみたり、飛び跳ねたり。

あいにくの雨でしたが、今回は事前にご連絡して、空中の村を企画・運営されているフランス出身のジョランさんにお話を伺い、園内を案内していただきました!

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大学院卒業後、十津川村で地域おこし協力隊となったジョラン・フェレリさんは林業の現場で働いたのち、国民が当たり前に森林を楽しめる場が日本にはもっと必要だという考えのもと、21世紀の森・紀伊半島森林植物公園内に「空中の村」を作ることを決意します。

今でこそ日本で広まっているフォレストアドベンチャーといったアウトドアパークは実はフランス発祥で、森林の負担を最小限に抑えてこのような野外施設を制作する技術が日本よりずっと進んでいます。

森の中では足場を組めず、職人さん自ら木に登り、空中で木を傷めないよう施工しなければなりません。そのため本場フランスの専門の業者さんとのやり取りを重ね、12人の職人さんに来日してもらい6週間かけて設営しました。

すべてのネットと一部の木材はフランスから輸入しています。カラフルなロープでも作れましたが、森林になじむ黒を基調とした作りにしたそうです。

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手すりだけ、フランスの材を取り入れています

一方で日本の文化を取り込む工夫があちこちに見られます。
ほとんどの木材は十津川村産のものを用い、地元の大工さんに加工を依頼。また、ピクニックエリアの無人販売も日本ならではのものです。

日本で広まっているフォレストアドベンチャーの多くはハーネスを付けて係員監視のもとダイナミックに楽しむ作りになっていますが、ここでは来園者が年齢制限もなく、好きな順番に、好きなだけ空中散歩を楽しむことができます。

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ジョランさんにいくつか聞いてみました

なぜ十津川村の中でも奥地にこの施設を作ったのですか?
ある程度平らであること、木が高所での設計に耐えられるほど成長していること、公園内のため駐車場やトイレがすでにあったことなどが理由です。急峻な山の中ですが何十年も前に土砂崩れがあり、比較的平らな土地ができました。

施設の日々のメンテナンスはどうしているのでしょうか。
私自身もロープクライミングや特殊伐採ができるので、自分で行います。また冬は休業する際にネットを固定しているワイヤーを緩めて木を休ませています。木に直接ワイヤーを張るのではなく、木片を当てて傷がつかないようにしています。

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木にボルトで固定してるところがありましたが、それで木が傷んでしまうことはないのでしょうか。
ボルトより、木を締め付けて固定するほうが木に悪影響を与えることが研究で分かっています。木は一番外側の層(新たに年輪が形成されるあたり)を水分や養分が通っていますが、ボルトが通り道のうち一部を断ち切るのに対し、締め付けは窒息のような状態にしてしまいます。仮にその方法で施工するなら、毎年締め付けを木の大きさに合わせて緩めたりといった管理が必要ですが、作っておしまいのところが多いです。

今後この施設をどうしていきたいですか。
コロナの影響でなかなか思うように進められないこともありますが、まだまだ面白いことを企画しています(アイデアは秘密だけど!)。また、日本にもっとこのような施設を広めて、山の近くに住んでいなくても、林業に携わっていなくても森に親しめるようになったらいいなと思っています。

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林業だけでなく森の使い方や考え方まで、フランスと日本(そして日本の中でも)で多くの違いがあります。その両方を学び実践してきたジョランさん。またお話しできる日を、そして今度は晴れたときに空中の村に遊びに行けることを大変楽しみにしております!

Merci!!


西粟倉と比べると

十津川村の面積は672.38km²、西粟倉村の面積は57.97km²。
10分の1もない…
ジョランさんは西粟倉村の広さを知って、口をおさえて

かわいい~~~~!

とおっしゃっていました。

そんなかわいい西粟倉、確かに面積こそ小さいけどICが近かったり電車でも来られるといった利点もあり、秘境・十津川村のように自分たちの強みを活かした森の楽しみ方を編み出して行けたらなあと思います!


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