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2022年2月の記事一覧

冬 『春夏秋冬の物語』

 冷たい空気と静寂がレンガ造りの街全体を包んでいる気がした。
 冬だな、と思った。
 不意に歩みを止めてぼうっと景色を眺めていた私の隣をオートワゴンが走り去っていった。
 魔力混じりの排煙の独特の臭いが鼻をくすぐる。
 私はその独特の臭いが好きでもないが、嫌いでもなかった。
 しかし、その好きでも嫌いでもないという状態がどことなく落ち着かなくて、未だオートワゴンの自体のことは好きになれない。
 体

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ライフインホワイト After3

 自分の心の中の大切な領域を相手に踏み込まれる感覚は、たとえ相手がどんな意図、例えば強い善意を持っていたとしても決して気持ちの良いものではない。
 きっと普段トゥーリアであれば、こんなに踏み込まれることは無かったし、それで精神の制御を失うようなこともなかっただろう。
 裏の社会ではどんな些細な情報でも他人に渡す利は無い。
 だから欺瞞を並べ、欺く。
 自分の心を、自分の大切なものを守るために。
 

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ライフインホワイト After2

2/
 そこは窓のない部屋だった。
 薄暗い蛍光灯の灯りに照らされた真四角に切り取られたような空間は息苦しさを覚えてしまう。
 中央にはテーブルと椅子が二脚。
 片方には既に女性が座らされていた。
 両の手は手錠によって後ろ手に拘束されている。
 彼女の名はトゥーリア・グレイス。
 先日の事件で拘束された『協会』の第三級指名手配だ。
 彼女は対面の扉を睨むように眺めていた。

 突然のことだった。

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