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行き着いたところは、”晴耕雨読”(4)~田島哲学・情報とは?編~

*上記の写真は、農業の師匠がトラクターで畑を耕しているシーン。カチカチの畑もこれで随分ほぐれる。そこを長靴で侵入したら怒られた。素人は何もわからないので、迂闊に動くと怒られるが、後にその理由はわかった。

(前回の続き)さて、前回はひたすら竹切作業を繰り返したというお話で終わった。私と先輩のトシさんの目的はあくまで、鹿児島の田島社長(天空の森)に現地でOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)を受けることだ。OJTとは、職場で実務をさせてもらい学ぶこと、トレーニングされることである。竹切作業だって、いかに効率よく切るかとか、どの角度から切ったら早く倒せるかとか、とにかく楽をしたいものだから、普段使わない頭をつかっている気がした。

とはいえ、田島社長から学びに来たが本丸だ。いよいよ、時が来た。社長は、ランチタイム、夕食時は必ず食事を一緒に取ってくれた。今考えると本当に有難い。一回こっきり授業であった学生二人。しかも、男子学生に毎回一緒に食事をしてくれた。本当にその当時の価値というものは、後々になってしみじみわかる。それと似たことでいうと、昔「クソババァ」と暴言を吐いた母や、心の中で「クソババァが~」って思った先生に、あの時叱ってくれた事や、本当に無償の愛で施してくれたことに、今更になってものすごく感謝している。大人は若者に厳しいこともあれば、やっぱり優しい。

田島社長は、食事の時に唐突に聞いてくる。「情報ってなんだ?」それは自分に聞いているのか、こちらに聞いているのか?時々わからない聞き方をするのでしばし戸惑う。ただ、そういう時はこちらにも聞いているのだと思うようにして考えてみる。

「情報ってなんだ??」そう聞かれてなんて答えるだろうか?

当時2001年といえば、「ブロードバンド」というのが流行語にはなっているが、まだまだ個人でノートPCをもっている学生は少なかったかと思う。ホリエモンさんが大々的にテレビに出始める前あたりだったかと思う。しかし、情報と聞くとやっぱりインターネットみたいな??というのが脳によぎった。

田島社長は、情報についてこう答えた。「漢字をよく見るんですよ。情けに報いる。って書くでしょ。つまりは、ちょっとちょっとって耳元で、あんただからこっそり教えるけどさぁ。」

また、こう続けた。「つまりは、インターネットに出てるのは真の情報じゃないんですよ。誰でも見れるでしょ。だから、本当の情報は違うと僕はおもうんだよねぇ。」と。その語り口調は、とても柔らかく自身も正解はわからない学生のようでもあった。

田島社長

想像していただきたい。この話のどこがすごいのか?上記の写真は、田島社長の1か月前の写真だが、20年前とさほど変化はない。(ちなみに右側の白い花をちぎって食べている。)あの時のままである。私は初めて森で会ったときは、仙人と本気で思った。そんな森の住人みたいな人からインターネットという言葉が出てきたのも不思議だった。またそのインターネットについても大学でさらりとしか学ばない時代に、情報とは・・みたいな話を鹿児島の森で聞かされるのである。そのギャップを現地で強烈に感じるのだ。

しかし、その情報の考え方は今も本当に役立っている。真の情報は、人の情けによって得られたり、渡されたりするものだと。その情報に対する考え方を19歳でインストールして以来、やはり人との接し方や物事の捉え方は一貫していると思う。もちろんインターネットから得られる情報もたくさんあるが、「その情報にメッセンジャーの情けが入っていたか。」という基準は今も設けている。

次回は、「田島哲学、第二弾。情報は遠くに飛ばせ!」です。


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