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群馬県にて地方創生関連のお仕事をされている鈴木雄祐さんへのインタビュー

今回は群馬県にて地方創生関連のお仕事をされている鈴木雄祐さんにインタビューさせていただきました。

今までのインタビューでは、おそらく一番若い方へのインタビューになるかと思います。

鈴木さんとお話していて感じたのは、柔軟性の大切さです。

キャリアでもお金との向き合い方についても、自分なりの考え方を持つこと大事です。鈴木さんのお話を聞いていて、1つの考え方に捕らわれない姿勢が感じられました。

また、そういう自分と志向の合う人が集まる場に身を置くという視点も全体的に感じられ、そういう意味での柔軟性も感じました。

以下、インタビュー記事です。

佐藤:本日はお時間をいただきありがとうございます。まずは今までどんなお仕事をされてきたのか、お伺いしてもよろしいでしょうか?

鈴木:大学を卒業後に国際物流の会社に新卒で入社しました。東京の本部で貨物の輸出管理などに関わる貿易事務の仕事に携わっていました。

佐藤:国際物流の会社に最初は入社されたのですね。この業界を選んだ理由は何ですか?

鈴木:学生時代からバックパッカーで海外旅行に行くのが好きで、海外に関わる仕事をしたいという軸がありました。自分なりに海外に関わっていける会社を探していたら国際物流の会社にご縁があったという形です。学生時代には東南アジア、中東、ヨーロッパなど全部で24か国に行きました。

佐藤:学生時代から様々なところ行っていたのですね!実際に国際物流の会社でのお仕事はいかがでしたか?

鈴木:現場から離れた場所で仕事をしているため、実際に貨物を確認する機会がほとんどありませんでした。イメージがつかみにくい中で、貨物の長さや重さをもとに貨物の振り分けをを行わなければならないところが大変でした。

佐藤:現場の経験がない中で、イメージをしながら仕事をしていくのが大変だったのですね。

鈴木:その後しばらくして、地元の地域おこし協力隊の求人を見つけ、地元に戻り新しい仕事を始めました。ちなみに地域おこし協力隊とは、総務省が行っている移住促進制度とその活動をしている人のことです。東京など大都市圏から地方に移住して、農業、林業、観光業など、さまざま分野で活動している人たちがいます。

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佐藤:国際的なお仕事から今度は地元密着のお仕事を始められたのですね。仕事が変わる過程の中でキャリアに関する考え方に何か変化はありましたか?

鈴木:そのときにパラレルキャリアの働き方に興味を持つようになりました。その後オンラインサロンに入会し、様々な働き方をしている人と出会うことで具体的に学び始めました。そのときに見つけたのが地域おこし協力隊の求人です。この仕事ならパラレルキャリアは実践しやすいと考え応募するに至りました。

佐藤:まさにぴったりなお仕事だと感じられたのですね。地域おこし協力隊としてはどんな活動をしているのですか?

鈴木:地域おこし協力隊には、決まった仕事はなく自分で決めた仕事に取り組んでいくスタイルで活動している方もいますが、私の場合は「NPO法人赤城自然塾」を活動拠点に赤城山エリアの観光地域づくりを行っています。具体的には、赤城山の観光情報サイト「Akagi Trip」の運営や電動自転車e-Bikeのサイクリングツアーのサポートなどを行っています。

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佐藤:地域おこし協力隊の仕事に加えて今他にどんな活動をされていますか?

鈴木:オンラインサロンで出会った方と一緒にGifTravelというユーチューブ番組を制作しています。最初は観光地をzoom配信しながら歩く活動から始めました。その後にzoom配信ではなくユーチューブで地元のお土産を紹介する内容に変化していきました。

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佐藤:群馬県以外の地域のPR的な活動もされているのですね!パラレルキャリアのいいところは何ですか?

鈴木:バランスがよいところです。いろんなことを同時にできますし、いろんなものを掛け合わせ主体的にキャリアを築いていけるところが魅力的です。

佐藤:パラレルキャリアではキャリアのいろんな組み合わせが考えられますね。自分で意識的に考えて工夫する余地がありそうです。パラレルキャリアを実践して生活の変化という観点ではいかがですか?

鈴木:会社員時代と比べより主体性や責任感を持てるようになりました。いろんなことに関わることで接する人も多様になりました。この点には楽しさもあれば大変さもあります。

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佐藤:やりがいと苦労の両方があるのですね。今後はどんなことをしていきたいですか?

鈴木:これから地方の人が活躍していける時代になっていく気がしていて、地方の人のキャリア形成のサポートに関わる仕事をしていきたいです。また、赤城山から近い前橋市が力を入れている自動運転、5Gなどの最新テクノロジーと赤城山の自然を掛け合わせる活動もしてもしていきたいと考えています。

佐藤:観光とキャリア、5Gと自然という着眼点は面白いですね。あまり聞いたことのない組み合わせだと感じました。

鈴木:観光とキャリアの掛け合わせについてお話すると、観光業では、旅行プランや体験プログラムを企画するとき、「何をやるのか」という切り口から企画するのが一般的だと思います。例えば、「りんご狩り」や「紅葉ツアー」などです。

これは思考プロセスとしては当たり前なのですが、この方向性だと競争力のある観光資源がないと企画が行き詰まることがあります。つまり先ほどの例で言えば、上質のりんごやきれいな紅葉がないと企画に限界が生まれます。

そこで視点を変えて、その土地に住んでいる人のキャリア支援からスタートすると新たな可能性が生まれるのではないかと感じています。

佐藤:この点についてもっと伺ってもよろしいですか?

鈴木:地域の方のキャリア支援を進めることによって新たな観光ツアーや体験プログラムも生まれるのではないかということです。

例えば、林業を本業でやっていらっしゃるAさんが、廃材を利用して木工アーティストとしての活動もスタートするとします。そして木工ワークショップや森歩きのツアーを行うことで、その方のオリジナルのパラレルキャリアが出来上がります。これを観光の視点に戻ってみると、木工ワークショップと森歩きのツアーが出来上がりました。

しかし、この企画は、最初のように企画から思考を始めてしまうと、クオリティや新規性の面から実現しないことがあります。木工ワークショップや森歩きのツアーは他の地域でもできるからです。

その中でキーポイントなのは、Aさんの存在です。Aさんの経験や人柄というオリジナリティがあることにより、新たな企画が生まれるのです。

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佐藤:素晴らしいですね!前橋が5Gに力を入れているというのは初耳でした。働き方と関連してお金という観点で質問もさせていただきたいのですが、会社員を辞めてからのお金の面での変化はいかがですか?

鈴木:個人事業主になって確定申告などの税金の知識や社会保険のことを勉強して意識するようになりました。会社員を辞めるまで、社会保険料の半分を会社が出してくれていることなどは全く知らず、新しい発見がたくさんありました。

佐藤:私もそうでしたが、この辺りは辞めてから気がつくことたくさんありますよね。生活スタイルとお金という観点ではいかがですか?

鈴木:地元に戻ることでが必要になり、そこでお金がかかるようになりました。また観光の仕事の関係でカメラを買ったりして、機材関係の出費も増えました。ただ家賃は不要になるなど生活コストが下がった側面もあるので、収入は下がりましたが地方でも生活はしていける実感があります。

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佐藤:地方出身者だと地元に仕事がないため東京に出る方も多い印象があるのですが、鈴木さんの周辺の友人などはいかがですか?

鈴木:ここは人によっていろいろです。地元に残る友人ももちろんいますし、東京に出ている友人もいます。いったん東京に出てから群馬に戻ってくるケース、東京から比較的近郊で家賃が安く暮らしやすい静岡に住んでいる友人もいます。

佐藤:本当に様々ですね!上の年代と比べて20代のお金観について違いというか何か感じることはありますか?

鈴木:お金のために我慢して仕事をする人は20代には少ないように感じます。また、昔なら若いと収入が低いのが常識でしたが、今ではブロガーなどで若くして年長者よりも収入が高い人もいますし、その感覚はなくなってきている気がします。

お金の使い方でもメルカリなどを利用すれば安く物を購入することができますし、低コストで生活をする習慣がある点にも違いを感じます。ただ、これらの点も若者全般の傾向というよりも若者のライフスタイルが多様化しているという感覚です。

佐藤:仕事、お金、いずれをとっても上の世代に比べて20代の発想や考え方が柔軟な気がしました。この点はどう思われますか?

鈴木:たしかにそうだと思います。これらはインターネットの力が大きいと思います。ツイッターなどを利用すれば、自分と価値観の合う人と接することは難しくはないですし、それぞれが自分に合ったコミュニティを見つけて所属しやすくなった気がします。

佐藤:身近に自分に合うコミュニティがなくても、インターネットで探していくことも可能ですよね。最後に鈴木さんとってお金とは何か、お金がどんなものかなどお考えの点があれば教えてください。

鈴木:正直お金とは何かということを深く考えたことはありませんでした(笑)。この質問には「自分の選択肢を増やすためのもの」と答える人が一定数いると聞いたことがあります。つまりお金があることによって、何かにチャレンジしたりすることがしやすくなるという意味ですね。

確かにいざ、大学院で学びなおしたいというときに学費を払って学べれば、自身の選択肢は広がりますよね。私も今の実生活では、「お金は何かを得るための手段」という位置づけで行動していることが多いのかもしれません。

逆にお金というものがなくなる社会はどんなものなのだろうか?と考えたことがあります。合っているかわかりませんが、ひとつは、モノやサービスがノーコストで無限に使えるようになる社会なのかなと思います。

もともとお金が生まれた歴史をみると、肉や魚などがそのままだと腐ってしまったり、持ち運びが大変なので、お金にして交換していたと聞いたことがあります。今でも肉や魚には限りがありますし、それを採るにも人件費がかかります。

なので、ロボットが全ての作業をやってくれて、石油などの資源もコストをかけずに得られるようになれば、誰でも世の中のあらゆるものを無料で得られるようになり、お金も必要なくなるのかなと想像しました。

佐藤:具体的なお話をたくさん聞かせていただきありがとうございました。

鈴木さんのHP等

https://twitter.com/yusuke_gunma











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