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宮城県にてキャリアモデル開発センター仙台を運営されている柴田北斗さんへのインタビュー

今回は宮城県仙台市にてキャリアモデル開発センター長として活動されている柴田北斗さんへのインタビューをさせていただきました。

柴田さんとお話していて感じたのが、キャリアはお金などの目に見えるものだけでは測れないということです。

キャリアを築く過程には、目に見えないレベルでの様々な活動があり、それが結果的に後から目に見えるものになっていく。

そのイメージができるかどうかはこれからますます重要になってくる考え方だなと感じました。

以下、インタビュー記事です。

佐藤:本日はよろしくお願いします。まずは、今までどんなお仕事をされたきたのかお伺いしてもよろしいですか?

柴田:もともと学校の先生になりたかったのですが、その前に社会人経験も積みたいと考え、リクルート系グループの派遣会社に新卒で入社しました。仕事内容としては営業と人事の仕事をしていました。

佐藤:学生時代は学校の先生になることもお考えだったのですね。もともと教育関係のお仕事には関心があったのですか?

柴田:母が小学校の教師をやっていて、教師という職業が小さいころから身近でした。学生時代の職場見学でも学校で先生の授業を見学したりもしましたし、大学も地元の東北大学の教育学部に入学しました。

佐藤:小さい頃からなじみのあるお仕事だったのですね。現在のキャリア支援のお仕事にも通じる部分があるように感じたのですが、今の職業につながっている具体的な体験などあれば、お話を聞かせていただいてよろしいでしょうか?

柴田:民間企業で仕事をしているときに、職業観やキャリアのサポートに対するあり方について葛藤することが多々ありました。その最中、アリストテレスの言葉で「人が生きる目的は幸福になるため」という趣旨の言葉を知り、自分自身の意識が変わる時期がありました。それから、キャリアコンサルタントの勉強を始め資格も取得しました。

佐藤:インパクトの大きな言葉に出会われたのですね。その後はどのようなお仕事をされるようになったのですか?

柴田:リクルート系グループの派遣会社で数年勤務した後、2018年1月より宮城県丸森町にUターンをしてキャリアコンサルタントとして開業しました。2019年4月からはキャリアモデル開発センター仙台の運営も始めています。

キャリアモデル開発センター仙台


佐藤:その後、独立をされたのですね。この記事を読まれる方の中には、キャリアモデルという概念について初めて聞く方もいらっしゃるかと思います。キャリアモデルがどんな概念なのか簡単に教えていただいてもよろいですか?

柴田:キャリアモデルは、一言でいうとその人のキャリアの全体図になります。個人の役割や大切にしている取り組みをキャリアパーツとして可視化し、それらを時代性・本人のビジョンといった要素を加味しながら組み合わせ、作成します。

佐藤:ありがとうございます。ご自身でキャリアモデルの図を描いてみたときの気づきなどあれば伺ってもよろしいですか?

柴田:キャリアモデル図を描く前は、1つ1つのキャリアがどんどん拡散して収集がつかなくなってしまい蓄積がなく消耗していくような感覚がありました。しかし描いてみることで、今自分が行っている仕事のどこに力を入れていったらいいか、線引きができて思考が整理できました。
あともう一つは、自分のあり方が「探求家」だということにも気がついた点も挙げられます。いろんな人の人生観や価値観を探求していくことや、キャリアの知識の探求をしていくところに自分のbeingがあると気がつくことができた点も、キャリアモデル図を描いて上での大きな気づきです。

柴田さんのキャリアモデル図

キャリアモデル図


佐藤:自分自身のあり方を発見されたのですね!キャリアモデル図を描いた後に、行動面で何か変化はありましたか?

柴田:キャリアカウンセリング時のクライエントとの関係性に変化があったと感じています。元々キャリアカウンセリングを行う際にはクライエントさんが主役であり、カウンセラーは伴走者というスタイルで行なっていましたが、そもそもカウンセラーとクライエントという関係性からも脱して、仲間として「一緒に探求していきましょう」というスタンスが鮮明になりました。

佐藤:とても大きな変化があったのですね!キャリアモデル開発センターでは実際にどんな活動をされているのですか?

柴田:面談を通して、具体的なお話を伺いながら、キャリアモデル図の提案からキャリアの実践サポートまで行っています。これまで第1期〜第5期で参加された方、プロボノや起業創業を目指され参加された方、累計20名以上の方がキャリアモデル開発に取り組まれております。

佐藤:みなさん様々な形でキャリアモデル開発センターに参加されているのですね!私自身、キャリアに加えてお金に関する分野での個人相談なども行っているのですが、収入面がその人の働き方に大きな影響を与えていると感じることがあります。キャリアモデル開発に実施していく中で収入面がキャリア形成に及ぼす影響というか、そういう観点で何か感じられることはありますか?

柴田:収入というのは働き方に影響ありますよね。大きなモノサシになっていると思います。就職・転職する際の基準としたり、将来を考える際の不安要素として登場したりしますよね。そこに関しては良し悪しというのはないと思うのですが、「収入」のモノサシを絶対視しすぎるのはもったいないな、とは思います。
というのも「収入」が発生しない取り組み(例えば地域活動だったり、社会活動等)を無視してしまったり、消極的になってしまいます。いきなりお金を生まないような活動でも、実は自分にとって大切な学びや気づきがあったり、人生に影響するような出会いやつながり、将来の種まき(いずれの収入も含め)になっていることがあります。そうしたことを見逃してしまうのは、人生の豊かさを損なうこととも言えるのではないでしょうか。
そこを自らある種の「投資」と捉えられる人はチャレンジできるのですが、そうでない人はキャリアモデル開発を進めることも一つの手段だと思います。
その活動では自分は何をアウトプットして、何をインプットしているのか。そこを一緒に考えることで、「収入」以外の物差しを考えることができるようになると思います。実際にキャリアモデル開発をされている方だと、そうした取り組みをキャリアモデルに入れている方が多いですし、結果的に収入面にもつながってくるパターンもあります。

佐藤:ありがとうございます。最後に柴田さんのお金観というか、お金はこういうものではないかというお考えなどあれば教えてください。

柴田:難しい質問ですね、、、笑
私にとっては、お金はひとつの「手段」「モノサシ」であって「目的」ではないということでしょうか。
私自身は探求家として様々な方の「あり方」「人生観」を共に探求しているときに幸せを感じます。つまり探求家として生きること、道を追求していくことが目的です。その結果お金をいただき、それで生活をすることができています。そうした意味で、お金は生活するための道具であり、自身の取り組みを測る価値尺度でもあると思っています。
お金を手に入れることが目的になってしまうこともあると思うのですが、多くの人にとっては、お金を手に入れる目的が別にあるのではないかと思います。
例えば、貯金があることによる安心感を得るため、家族旅行にいったり快適な住まいで暮らす幸せを得るため、自身の仕事成果を承認される充実感を得るため、などなど。そうした目的と手段を整理できると、実はお金は一つの手段なのではないか、と思います。

佐藤:大変参考になるお話が満載でした。本日はありがとうございました。

柴田さんが運営されているHP等

キャリアモデル開発センター仙台のホームページ
https://careermodel-sendai.jp/


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