20230811

音楽

例えば「今の人生に満足しているか?」と道行く人に突然肩を掴まれて問われたならば、「はい、満足しています。ありがとうございます。」と即答する準備は常にできているつもりだ。

今日も河川敷を走っている。静かな呼吸音と僅かな足音が、遠い山並みから吹き下ろしてくる風にのって踊り始める。昔読んだ本(H.ヘッセだったかな)に"それぞれの惑星は回転しながら固有の音を発し、太陽系全体が交響楽のような音楽を奏でている"みたいな記述があった記憶している。耳を澄ませてみるが、もちろん聞こえるはずもない。

そういえば、踊り始めた呼吸音と足音は何処へ行ったのだろうか。まぁいい。どうせ後から追いついてくるだろう。何やら足元が騒がしいので目をやる。道端の雑草は踏み潰されながらも子どものように無邪気に跳ねまわり、打ち捨てられた小石はその重い身体を引きずりながらもカタ、カタと喜びに満ち溢れている。彼らには聞こえているのだろう。

ありがとうございます。

今日もお地蔵さんに挨拶をする。


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