20240802 1998

はぁはぁはぁはぁ

どんどんスピードが上がる。太ももを上げるたびに飛び散る汗がさらに拍車をかける。呼吸は粗さを増し、視界は急激に狭まっていく。

気づけば駅のホームにいる。

繋いでいた手が離れる。何て言ったのだろうか。自分の声がうまく聴き取れない。夕日に染まる横顔がゆっくりと黒い髪に覆われていく。電車の発車音が鳴り響く。

はぁはぁはぁはぁ

強い朝日を背後に力強い走りへと変えていく。呼吸は次第に安定する。

さようなら



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