20230831

強がっているつもりはない。平気な顔をしているわけでもない。それでも忍び寄ってくる。それは明るみに出た時ほどどこからともなく現れる。ちょうど影が濃くなるように。

今日も河川敷を走っている。遠い山並みから風が吹き下ろしてくる。何かを振り払うかのように前へ前へ。横を飛ぶトンボが急旋回するのに合わせて、意図的にペースを上下させてみる。心拍数が上がると、身体は案の定自身の冷却作業に追われ始める。玉の汗が吹き出し、上下のウエアがべっとりと肌に張り付く。

へっへっへ
ざまぁみやがれ

だがそれは見せかけに過ぎない。彼らは確かに物質として存在し、今か今かと機会を伺っている。絶対に逃れられないのだ。


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