山口信吉

間違った歩き方やシューズ選びが、山でのアクシデントや疲労の原因。現在の登山者の多くは間…

山口信吉

間違った歩き方やシューズ選びが、山でのアクシデントや疲労の原因。現在の登山者の多くは間違った歩き方をしています。『疲れない』『楽しい』『安全』な登山のために今までの登山メディアでは書かれることがなかったことをお話しします。 株式会社マナスル山荘 代表取締役 【ヒュッテ入笠】経営

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片足で立てないといけませんか?

こんにちは。ヒュッテ入笠の山口です。 ヒュッテ入笠の山歩き講座の開講が決まりました。 写真をクリックして「ヒュッテ入笠の山歩き講座」から申し込みができます。まずはオンラインのZoomセミナーから受講してもらうのがお手軽ですが、実際に実技指導を1泊2日で受講したほうが習得度合いが高くなります。夏山に向けて正しい山の歩きを身につけましょう。 今日のテーマは『静止』 よく山の雑誌などで『片足立ち』ができますか?的な記事をよく見かけます。本当に片足で静止できることが山歩きに必要な

    • 登山の歩行における落下をもう少し詳しく。

      前回にお伝えした歩きの本質『3つのポイント』 落下→振り出した足の接地反力を得るため。 沈み込み→ばねが反発するように膝を抜くことで接地反力を推進力に変換する。 不安定→上体を次の足の接地方向へ倒して接地反力を最大にする。 この中の落下についてもう少し解説したいと思います。 山を登るという、自分の体を高い位置に運ぶのになぜ落下が必要? と疑問に思っている方、歩き方が間違ってます。 人間が地球上で動くときに必要な力は自分の筋力で体を動かす『内力』を使うのですが、落下を

      • 登山の歩きが上手になるには?

        前回から間が空いてしまいました。グリーンシーズンの宿泊予約がスタートし受付業務でちょっとバタバタが続いてしまったことと、3月になって積雪がどんどん増えて、歩行動画をとることができなかったことが主な理由でした。楽しみにされていたみなさん、申し訳ありませんでした。 前回に歩きの本質という3つのポイントをお伝えしましたが、もう一度おさらい。 落下→振り出した足の接地反力を得るため。 沈み込み→ばねが反発するように膝を抜くことで接地反力を推進力に変換する。 不安定→上体を次の

        • 歩きの本質

          今回は、歩くことの本質について話しましょう。タイトルは「つぼ」「極意」「真髄」「核心」などいろいろ考えましたが、簡単に「本質」という言葉にしました。 まず、なぜこの投稿をなぜ連載しようと考えたかというかも触れたいと思います。歩行動作としての山の歩き方を正しく伝える場所(メディアや指導者)があまりにも少なく、何かしらのトラブルを感じている登山者が多いことを山に長くかかわってきて実感するようになったからです。 なので、この「歩行動作としての山の歩き方」を実際に習得するための講

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          もう少し、歩く前の話を。

          歩き方とタイトルに書きながらなかなか歩き方にならないな~と思っているあなた。 正解です。 歩く前のあれこれがいろいろとあって、「足をどう置く」「腕の振り方」や「重心が」なんてことを語る前に考えておくべきことがあるからです。 まず、用具としてのシューズ(登山靴)を書きました。 目的に合ったシューズと適切サイズを選ぶこと。目的とは自分のしている登山のカテゴリーは何かということですが、これも話し出すとマガジン1冊くらいの情報量になってしまうと思います。 まず、日本で行われて

          もう少し、歩く前の話を。

          登山靴はなぜ硬くて重い?

          前回、スポーツショップでシューズがいい加減に売られていることを書きましたが、もう少しこの部分を掘り下げてみたいと思います。 登山靴はなぜ硬くて重いか? これは登山というムーブメントに一番適しているからです。最近は柔らかくて軽いシューズが主流のようですが、これは山歩きにははっきり言って向きません。柔らかくて軽いシューズは日本人がとても好むシューズなのでメーカーは売れる靴としていろいろなモデルを投入し店頭に並んでいます。 まず、ここでいう登山というのは背中に荷物を背負って、

          登山靴はなぜ硬くて重い?

          山の歩き方をおしえようと思ったのか。

          はじめまして、入笠高原の小さな山小屋『ヒュッテ入笠』の山口です。2014年4月から『マナスル山荘本館』を経営することになり、昨年『ヒュッテ入笠』改名。居心地のよい山小屋をテーマにあれこれ商品や料理をご提供し、おかげさまで10周年を迎えることができました。 「山の歩き方を教えます」が私のテーマ。その前に私の40年以上の登山経歴を簡単にお話ししようと思います。 登山を始めたのが高校のワンゲル部入部から。丹沢や奥多摩の登山道はそのころにほとんど歩き、沢登りにものめりこむ。冬の八

          山の歩き方をおしえようと思ったのか。