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登山靴はなぜ硬くて重い?

前回、スポーツショップでシューズがいい加減に売られていることを書きましたが、もう少しこの部分を掘り下げてみたいと思います。

登山靴はなぜ硬くて重いか?

これは登山というムーブメントに一番適しているからです。最近は柔らかくて軽いシューズが主流のようですが、これは山歩きにははっきり言って向きません。柔らかくて軽いシューズは日本人がとても好むシューズなのでメーカーは売れる靴としていろいろなモデルを投入し店頭に並んでいます。

まず、ここでいう登山というのは背中に荷物を背負って、一日6~8時間登山道を歩いて上り下りすることと定義するとします。

硬いソールは不整地に足を置いても安定するのは簡単にイメージできると思います。状態が安定するということは、歩行動作を正しく楽に行うことができます。ここでのポイントは走るではなくゆっくり歩く動作ということです。さらに岩などの突起から足裏を守ります。

重い登山靴は持ち上がった(持ち上げたではない!)足部の前方への振り出しを楽にして、上体を前へ進める動きを作ります。

さらに硬くて重い登山靴は歩行動作の余計な動きを制限します。登山靴では走りにくいし、足首の可動域も狭くなります。正しい歩行動作を続けなければ疲れてしまう用具とも言えます。

では、柔らかくて軽い登山靴はどうなのか?
動きやすいし、場合によっては走れる。楽にはけるイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。

実はそれを使って歩いている身体は常に筋緊張を起こし、歩きに必要ない筋肉にも力が加わっている状態で歩いています。使用している本人はそれが普通であると脳が認識していて、必要ない筋肉の緊張を心地よい疲労などと勘違いしています。実際はかなりの疲労が蓄積され、一日の後半にはろくに歩けない方も多く見られます。

登山で向こうからこちらに向かって来る登山者を見ていると、体中に力が入って歩行動作バランスの悪い登山者を見ることが多くなりました。ほぼこのような登山者は例外なくといっていいほど柔らかくて軽いシューズやトレランシューズで歩いています。

スポーツシューズは登山に関わらず、『目的』にあったシューズを選ぶのが原則。スキーやクライミングではそれ専用のシューズを履くのと同じように、登山も歩行がメインなら歩行に向いたシューズを選ぶべきです。

なぜ、登山靴は固くて重いのか?
登山者の多くは歩行メインの登山をしています。自分の登山の目的に合った正しいシューズ選びもう一度考えてみてください。


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