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不登校対策についての基本姿勢です


・児童生徒の資質の問題に還元しないこと

 もしあなたが、不登校問題を児童生徒の資質の問題に還元するとすれば、それは子どもの資質によって教育を受ける権利の保障をしなくてもいい、という主張をしているということになるが、あなたはそれでOKか?

・家庭の教育力の問題に還元しないこと

 上記と同型の問題を含んでいる。もしあなたが、不登校問題を家庭の教育力の問題に還元するとすれば、それは保護者の資質によって、特定の家庭の子どもの教育を受ける権利の保障をしなくてもいい、という主張をしているということになる。

・個々の教師の資質の問題に還元しないこと

 個々の教師の資質を問えるのは教師の労働環境が適正になった後の話である。過労死ラインを超える労働環境にある状態で個々の教師の資質を評価するのは、サッカーで喩えればプレイヤーが8人しかいない状態で、選手としての評価を問うようなものである。適切なプレイ環境に戻すことが先決である。

・不登校の改善責任は、政府、文部科学省、並びに各自治体の教育委員会及び行政機構にある。

 政府や行政は、なんでも自分たちのせいにするなというかもしれない。しかし、はっきり言わせてもらうと、不登校だけではなく、現状の学校教育にまつわる問題の多くを、子どもと家庭の責任とすることは、社会の変化に応じて適切に学校・クラス運営や制度を変えてこなかった行政側の責任を不問にしたまま、本来自分たちが引き受けるべき責任を、子どもや保護者の責任へとすり替えていることになる。その自覚はあるのか。

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