フィンランド旅行中に小児病院を受診した話(3)
前回、フィンランド旅行初日に発熱した長女(当時 10 歳)と救急外来に行き、診察に呼ばれたところまで書いたので、今日はその続きを。(2019 年夏の話です)
いよいよ診察
名前を呼ばれて、診察室に入ります。木目と白を基調とした広々とした診察室です。待合室もおしゃれだけど、診察室の中ももちろんスタイリッシュ。でも日本でもいまスッキリした内装の小児科が増えているので、そんなに驚くほどではなく。
(病院のバーチャルツアーもぜひご覧ください)
さて「Moi〜」「ハロー」とご挨拶。ドクターは女性でした。(そういえば病院に入ってから出るまで、結局女性としか話さなかったかも。さすがフィンランド。)フィンランド語でなくて大丈夫。英語で娘の様子や経過を話します。
フィンランドの人は英語が母国語でないこともあり、私の拙い英語も、一生懸命話すと一生懸命聞いてくれます。この女性医師もしかり。
実は長女は「溶連菌」にかかりやすいタイプ。これまでも何回か同じように高熱がガツンと出るパターンがありました。そこで「溶連菌が怪しいと思うのですが...」と言ってみたところ、「その通りね!私もこういう症状の時は一番に疑うわ!」と綿棒で喉の奥をぬぐい、溶連菌の検査をしてくれました。
溶連菌の検査、そして血液検査も
そして「指先から採血しましょう」と血液検査もすることに。これ本当に感動しました。一滴ですぐに検査ができます。日本で血液検査というと、注射針での採血が基本ですよね。子供は泣き叫ぶし、もろもろ負担が多いためにすぐに検査とならないことが多いですが、フィンランドでは綿棒で喉の奥を拭うのと同じくらい気軽に、指先をちくっとするだけで血液検査ができる。
一旦診察室を出て、検査結果を待ちます。30分以上待ちました。正直長い。検査待ちの時間は日本の方が短いです。いや、ほんとフィンランドでは日本のようなテキパキとした迅速さは求めてはいけません。でもその分みんなゆったり仕事をしています。働き方としてはどっちが健全か...考えさせられました。
溶連菌の検査結果は陰性、しかし...
再度呼ばれると「溶連菌の検査はネガティブだったわ〜」とのこと。私はちょっとガッカリ。なぜならば、溶連菌というのは非常によく抗生剤が効く菌で、薬を飲めばだいたい半日ですっかり元気になることを経験で知っていたからです。
しかし血液検査の結果「CRP の値が高いのよ、ほら見て!」と検査結果を見せてくれます。私は三人の子育ての中で血液検査の結果もなんども見てきました。CRP の値が高いということは、ウイルスではなく細菌が悪さをしているということです。原因に近づいて少しホッとしました。
それからさらに「連鎖球菌の検査をもう一つしておきましょう、迅速検査じゃないのでラボに行ってね」と言われ、今度は検査室に移動することに。「水槽があるところよ〜。ラボラトリウムっていうのよ。」と指示を受けます。
検査室は水族館! laboratory + aquarium
ふむふむ、確かに検査室の前には Laboratorium と書いてあります。そして大きな水槽が...。laboratory + aquarium の造語のようです。おしゃれだ...!
そして待っている人は誰もいないけれど、ここでもずいぶん待ちました。まぁ時間外の検査ですからね。病棟から来てくれたのでしょう。ありがたいです。
そしてこれもフィンランドらしさだと思ったのですが、順番待ちのエントリーをする機械で自分のアバターが選べるのです。
こういうレシートが出てくる。これはアボカドのキャラクターのようです。順番が来るとアボカドくんが、ディスプレイで踊って教えてくれます。
「待たせないようにする」よりも「待つ時間を楽しめるようにする」ほうに工夫を凝らす国。それがフィンランド...。
さて、次女はすっかり飽きて寝ころんでいます。と、そこに病院内をうろうろしていた夫が戻ってきました。(夫は探検したがりで、いつもすぐふらっといなくなります)「おもしろいところ見つけたから行こう」と元気な次女と三女を連れてどこかへ。
私と長女はまた待合室に戻ります。また長くなってしまったので (4) に続きます....。
おまけ:お楽しみデジタル水族館
夫が次女と三女を連れて行ったのは、エレベーターで 2F に上がったところにあるお絵描きコーナー。
お絵描きして…
スキャナのボックスに絵を入れて…
ボタンをポンっ...
「見て見て!わたしの!!」
わ〜い!!...と、大きなタッチディスプレイで飽きるまでゲームできたり、お絵描き水族館も楽しめたり...と、期せずして、小児病院を満喫した次女と三女でした。
(長くなってしまったので...続きます)
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