【祝🌸芥川賞・直木賞】高山羽根子・遠野遥・馳星周の広島大学図書館所蔵作品〈勝手に図書館の本を紹介〉

会員のW辺です。

今回は2020/07/15に発表された第163回芥川龍之介賞受賞の高山羽根子・遠野遥と直木三十五賞受賞の馳星周の広島大学図書館所蔵作品を紹介します。(敬称略)

高山羽根子の作品

高山羽根子は2009年に「うどん、キツネつきの」で第1回創元SF短編賞佳作を受賞してデビューしました。出身賞からもわかるように主にSF方面から評価されることが多い作家です。

主な経歴(文学賞の世界より)
2009 「うどん キツネつきの」 第1回創元SF短編賞佳作受賞(デビュー)
2015 「おやすみラジオ」 第46回星雲賞参考候補作
   『うどん キツネつきの』 第36回日本SF大賞最終候補
2016 「太陽の側の島」 第2回林芙美子文学賞受賞
2019 「居た場所」 第160回芥川龍之介賞候補
   『オブジェクタム』 第39回日本SF大賞最終候補
   「カム・ギャザー・ラウンド・ピープル」 第161回芥川龍之介賞候補
2020 「首里の馬」 第163回芥川龍之介賞受賞

単行本
『オブジェクタム』
※「オブジェクタム」「太陽の側の島」「L.H.Q.Q.Q」の3篇を収録

アンソロジー掲載作品
残念ながら作品が収録されているアンソロジーは所蔵されていませんが、SF系作品の多くは出身賞の影響もあってか東京創元社刊の書籍(『Genesis 一万年の午後』『宙を数える 書き下ろし宇宙SFアンソロジー』や年刊日本SF傑作選など)に多く収録されています。

所蔵雑誌掲載作品
「L.H.Q.Q.Q」 『文學界』2016年8月号
「オブジェクタム」 『小説トリッパー』2018年春号
「リアリティ・ショウ」 『ユリイカ』2018年2月号
「居た場所」 『文藝』2018年冬季号
「カム・ギャザー・ラウンド・ピープル」 『すばる』2019年5月号
「如何様 (イカサマ)」 『小説トリッパー』2019年夏号
「名前を忘れた人のこと~Unknown Man」 『文藝』2019年秋季号
「首里の馬」 『新潮』2020年3月号

遠野遥の作品

遠野遥は2019年に「改良」で第56回文藝賞を受賞してデビューした新人作家です。芥川賞受賞者初の平成生まれ(1991年生れ)となりました。

経歴
2019 「改良」 第56回文藝賞受賞(デビュー)
2020 「破局」 第163回芥川龍之介賞受賞

所蔵雑誌掲載作品
「改良」 『文藝』2019年冬季号
「破局」 『文藝』2020年夏季号

単行本は現在収蔵されていません。

馳星周の作品

馳星周は作風としては暴力団の抗争などをテーマに描くノワール小説を得意としており、変わったところではあの「龍が如く」のシナリオ監修もしているようです。

主な経歴(文学賞の世界より)
1996 『不夜城』で一般小説家デビュー
1997 『不夜城』 第18回吉川英治文学新人賞、第15回日本冒険小説協会大賞受賞、第116回直木賞候補
1998 『鎮魂歌』 第51回日本推理作家協会賞受賞
1999 『漂流街』 第1回大藪春彦賞受賞
   『夜光虫』 第120回直木賞候補(2回目)
2015 『アンタッチャブル』 第153回直木賞候補(6回目)
2020 『少年と犬』 第163回直木賞受賞

単行本
『不夜城』 『鎮魂歌』 『夜光虫』 『長恨歌』 『アンタッチャブル』

アンソロジー掲載作品
「不夜城」 『暗黒の街角 冒険の森へ 傑作小説大全 第18巻』
※単行本の「不夜城」と同じ内容です

所蔵雑誌連載作品は……彼は長篇主体の作家ですし、そもそも主に連載している中間小説誌があまり所蔵されてないのであまり期待できませんが、現時点での最新作(多分)の「黄金旅程」という作品が『小説すばる』に2020年1月号から連載されているので気になる方は西図書館に読みに行ってみてください。もしかしたら『別册文藝春秋』にも連載があったかもしれません(無責任)。

最終候補の作家の作品

今回の芥川賞と直木賞の候補作は以下のようになっています。

第163回芥川賞候補作品
石原燃(初)「赤い砂を蹴る」 『文學界』2020年6月号
岡本学(初)「アウア・エイジ(Our Age)」 『群像』2020年2月号
高山羽根子(3回目) 『新潮』2020年3月号
遠野遥(初)「破局」 『文藝』2020年夏季号
三木三奈(初)「アキちゃん」 『文學界』2020年5月号
第163回直木三十五賞候補作品
伊吹有喜(3回目)「雲を紡ぐ」
今村翔吾(2回目)「じんかん」
澤田瞳子(4回目)「能楽ものがたり  稚児桜」
遠田潤子(初)「銀花の蔵」
馳星周(7回目)「少年と犬」

それぞれの受賞者の項でも書きましたが、芥川賞の候補作は基本的に純文学系の文芸誌に載った作品から、直木賞の候補作は出版された単行本の中から選ばれるため、最終候補が決まった段階では多くの場合芥川賞候補作が載った雑誌は既に収蔵されているのに対して、直木賞候補作の単行本は未だ所蔵されてないことがほとんどです。

ちなみに芥川賞候補作は全てそれぞれの文芸誌が所蔵されているため読むことできますが、直木賞候補作は全て未だ所蔵されていません。

おわりに

ということで簡単に紹介してみました。なんか内容が薄いアフィリエイト記事みたいになってしまってる気がしますが(それだけ読んでない作品が多いということです)、勘弁して下さい。

受賞者記者会見は毎回ニコニコ動画で生中継されています。アーカイブでまだ見れるので興味のある方はどうぞ。

今回取り上げた書籍(大学図書館へのリンク付き)

『オブジェクタム』(高山羽根子) 西図書館2階・開架 913.6/Ta-56
『不夜城』(馳星周) 西図書館2階・開架 913.6/H-35
『鎮魂歌』(馳星周) 西図書館2階・開架 913.6/H-35
『夜光虫』(馳星周) 中央図書館2階三田図書 913.6/H-35
『長恨歌』(馳星周) 西図書館2階・開架 913.6/H-35
『アンタッチャブル』(馳星周) 西図書館2階・開架 913.6/H-35
※文芸誌各種は『小説すばる』を除き全て中央図書館所蔵




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