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1月22日・2月26日 ミステリー手法による授業づくりワークショップ〜当日の様子と参加者の感想〜


久しくブログの更新ができていないうちに、外が少しずつ暖かくなり、春を感じられるようになりました。

ブログをご覧いただき、ありがとうございます。

1月22日と2月26日に、高橋敬子先生による「ミステリー手法による授業づくりワークショップ」を開催しました。1月22日のワークショップに、定員を超える多くの方々の申し込みがあり、急遽第2回を開催する運びとなりました。

「ミステリー手法」というと、あまり聞き慣れない手法かもしれません。
グループワーク形式で、謎(ミステリー)を解いていくのですが、「気候変動の適応」を軸として、気候変動によって生じる問題が複雑に絡み合っていることに気づき、多面的・体系的に理解していく「システム思考」の構築に有効なプログラムです。

研究論文『システム思考コンピテンシーをどのようにして強化するのか?
―日本の気候変動教育における学習手法「ミステリー」の可能性―』
高橋 敬子(立教大学 ESD 研究所)・ホフマン トーマス(カールスルーエ教員養成校地理学部 )


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まずは個人でカードを読み、並び替えます。その後、グループで意見を出し合いながら作業を進めていきます。最終的に、各グループでカードを並び替えたものを、代表者の方に発表していただきました。

グループによって並べ方は様々で、複雑な問題が絡み合う「答えのない」課題だからこそ、解決策は無数にあり、考え続けることの大切さを実感しました。

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高橋先生のお話より抜粋。見えていない部分について想像を働かせ、知ろうとすること(=気づきの醸成)は、コンピテンシー・行動指向の教育につながっていくこと。

コンピテンシーは言葉で伝えられるものではなく、自ら体験して開発されるものだという先生のお言葉には、はっとさせられるものがありました。

ワークショップの終盤には、「ミステリー手法を授業等で活用する際に、どのような工夫や展開ができるか?」という問いについて、グループで意見を出し合いました。
職業、校種、世代を問わず、様々な立場から意見を聞き、交流することで、新たなアイデアが生まれていました。

〜参加されたみなさんの感想より〜

いろんな立場に方々とお話しできたことで、新たな視点に気づいたり、アドバイスをいただけたので大変有意義な時間となりました。社会科とは大変親和性も高く、また、近年、注目されている総探にも使うことができそうです。ただ自分たちで作るのが大変なのですが、少し考えてみたいと思います。
今回ミステリーを初めて体験し、難しく感じるものがあったものの、授業での活用ができるのではと思っています。「動物や植物の進化」「宇宙の歴史138億年」「化石は語る」「地震、津波,土砂災害などの防災学習」「エネルギー変換」「発電方法」「原子力発電は本当に二酸化炭素を出しているのか」などでミステリーができそうです。やるとしたら、年2回。2回目に、生徒が大喜びしたら、翌年も継続して行いたいです。
実際にミステリー手法の授業を体験できたのが、とても良かったと思います。授業の作り方については、時間をかける必要があり、慣れも必要なのではと感じました。 取り入れてみたいと思うのと同時に、教材研究や準備に不安も感じました。
システム思考・デザイン思考に興味をもって研究しています。このミステリー手法は「システム思考」に関する手法であり,固有の現象だけに焦点を当てるのではなく,社会全体を俯瞰し,社会の問題を発見するマインドが身に付くと実感しました。とても面白く,すぐにでもやってみたいと思いました。 単元として,問題を発見し焦点化する(コンセプトテーマをつくる)場面,観察・追究する場面,問題解決のアイデアを生み行動する場面などに分けていくことで,ミステリー手法が教師の手から離れ,子どもたち自身が情報収集した事象を繋ぎ合わせながら,関係性を読み取り,解決に向かおうとする手助けになるのではないかと思いました。 社会科の単元にぜひ組み入れたいと思います。

ミステリー手法を体験できてよかったという声が多くありました。一方、授業づくりに不安を感じるといった声もあり、実際に授業に取り入れた先生方の実践を共有する場があれば、さらにみなさんの学びが深まっていくのだろうと感じました。
また、「ミステリーカード自体を生徒に作ってもらう」というアイデアもあり、カードを並べるだけでなく、カードを作るという過程における、探究学習の可能性を模索していくことも面白いと感じました。


高橋先生、参加してくださった皆さま、ありがとうございました。


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