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台湾バンド宇宙人Cosmos People『現在就讓我走 Let me go 』と東山彰良『僕が殺した人と僕を殺した人』

 台湾のバンド宇宙人 Cosmos People現在就讓我走(中国語版) を日本語に訳しました。
 この曲を知ったのはかなり前のことですが、きっかけは小川洋子(代表作『博士の愛した数式』など)のラジオ番組でした。普段日本で中国語の曲をふと耳にすることはほとんどないのですが、その番組では小川さんおすすめの本とそれに因んだ音楽を紹介するのが恒例で、たまたまこの番組を聞いたときに東山彰良の『僕が殺した人と僕を殺した人』という小説に因んだ曲として選ばれていました。 

アメリカで起こった猟奇的な殺人事件、「サックスマン」と恐れられたその犯人の男。繊細で危うさを持った少年時代の、みずみずしい日々をすでにおぼろげな記憶でしか覚えていない僕。
少年時代に登場する4人のうち、誰がサックスマンになったのか。誰がなのか、誰が僕を殺したのか。サスペンスのようであり、青春小説のようで、読者に対して投げかけもある本。題名から、表紙から惹かれた人すべての人を満足させるストーリーでした。

 いやしかし…この本にこの選曲、小川さんの知見の広さ凄すぎます。
 この曲の歌詞はちょっと英語っぽいというか…抽象的。どことなく音楽もChain Smorkersのような…きっと日本語よりも英語への方が訳しやすい歌詞なのでしょうが、頑張って日本語にしました。日本語版も歌われているので、もちろん公式の日本語的見解はあるのですが、原文はこの本がもし映画化されたら、ぜひ主題歌にしてほしいくらい、この本の主人公たちぴったりな歌詞なので、文字数、旋律を考慮せず、原文に忠実な訳でいきたいと思います。
 本の影響かイメージは男性口調です。同じフレーズを違う風に訳している場所もあります。語学に向いた訳ではないこと、あらかじめご了承ください。

作詞:小玉、方Q、阿奎     作曲:小玉、阿奎

嘿 你是否也醒著
窗前的街燈亮著
你是否還會想起呢
おい お前も起きてるんじゃないのか?
窓の外の街灯は明るい
まだ思いだせるんじゃないか?

嘿 我是否也累了
當我不再是我了
還有什麼捨不得
まあ 僕も疲れてるのかもしれないな
僕が僕じゃなくなったら
手放して怖いものなんてないのに

現在就讓我走
Even I’ll be all alone
下一秒 你是你我是我
今行かせてくれ
例え独りになったとしても
次の瞬間には もうお前はお前で 僕は僕だから

現在就讓我走
I’ll be all alone
轉身離開之後 而我還是我
今行かせてくれ 
独りになるだろうけど
ここを離れたってやっぱり僕は僕だから

嘿 我想我做了選擇
那些無能為力的
那麼想得卻不可得
まあ もう決めんだと思う
どうすることもできないことだったなら
きっと考えたって仕方ないから

嘿 你是否也累了
當我不再是我了
還有什麼捨不得
おい おまえも疲れてるんじゃないか?
僕がもう僕じゃないなら
あとはもうなにも手放して怖いものなんてないだろう?

現在就讓我走
Even I’ll be all alone
下一秒 你是你我是我
今行かせてくれ
例え独りになったとしても 
次の瞬間には もうお前はお前で 僕は僕だから

現在就讓我走
I’ll be all alone
轉身離開之後
而我還是我
今行かせてくれ
独りになるだろうけど
ここを離れたって
やっぱり僕は僕だから

如果這世界 能有個角落
有個角落讓我盡情失控
就讓我飛走 總會有出口
轉身離開之後
我自由的過
もしこの世界の片隅に あるのならば
思う存分自分を吐き出せる場所があるのならば
飛んで行かせてくれ いつだって出口はあるんだ
ここを離れて
僕は自由に生きていくから

轉身離開之後
我自由的過
ここを離れて
僕は自由に生きていく

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