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〔小説〕朝起きたらアザラシになっていた その19 旅に出る
※この話はフィクションです。実在する人物・団体名とは何ら関係ございません。100%作者の脳内妄想のみで構成されています。
朝起きると(・ω・っ)З(アザラシ)になった俺は生活費と旅費を得るためにコロナだけどもアプリから仕事を探す。
条件を見ているのだが。
〇〇な方歓迎に「ケモノな方歓迎」がない。困ったなあ。
自分らしい格好とあるが。あてはまるものがない、どうしよう。
せめて「体毛OK」「全裸自由」とかあってほしかった。
過酷な現実に打ちのめされた俺は、ぼんやり朝食のバナナを牛乳で流し込む。
親戚の廃品回収業を手伝うしかない。
コロナ禍(か)で家庭ごみが急増して回収業の需要も増えたらしく、きちんと働けば実入りはいい。
ただ、俺は「キツイ・汚い・危険」の3K労働が苦手なもやしっ子だ。
電動ママチャリで東京を出発して箱根を踏破したら二日間膝が笑い続けていた。
あの時は虚弱体質(きょじゃくたいしつ)なのを痛いほど思い知った。
そんな俺は特に清掃作業できつい経験をした。
小売業のパート中に事業ゴミで手を切ったときは厄介な病気に感染してないか常にビクビクした。
あ!あのとき得体のしれないウイルスで俺は(・ω・っ)Зになったのか?
だとしたら他にも(・ω・っ)Зになってるのが町で見かけるはずだ。
町で見かけないけど実家のオヤジが(・ω・っ)Зだったなあ。
いつも実家に帰るとオヤジが発泡酒片手に鳥なんこつを食って寝転がっているんだ。
兄嫁がそれを見るたびに
「お父さん!リビングで寝ころばないで!!」
注意するのに対してオヤジは屁でドゥン!と爆音を立てて返事をしていた。
「蛙の子は蛙」というけれど「アザラシの子はアザラシ」だよね。
なので俺は(・ω・っ)Зになるべくしてなったのだと思うと現状をより受け入れやすくなった。
そんな話題を通話アプリで俺が語ると。
「うちのおとんもそうなの~」
と全国各地に(・ω・っ)Зがいることを知る。
全国の(・ω・っ)Зがどうやって生活しているのか興味あるので俺は撮影用のカメラ片手に電動ママチャリで旅に出る。
読んでる皆さんは「どうやって自転車をこぐの?」という突っ込みが思い浮かぶはず。
でも「なろう系」のご都合主義なので気にしないでね!
イラストのオッサン美形な時点でチートなんですけど。
つづく。
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