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落語のはなし

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落語にまつわるお話です。はな平の考える落語の話から、落語の周辺の話、落語家独特のしきたりなどを取り上げています。初めての方が疑問に思うことを取り上げることを念頭に書くマガジンです。
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#真打

落語家の敬称

落語家の敬称

噺家は「師匠」

噺家は真打になると「師匠」と急に呼ばれます。これは東京の文化ですので、大阪の方だと真打制度がないので色々な場合があると思います。

「急に呼ばれます」と書いたのは、私が今まさに急に呼ばれ始めた真打だからです。落語協会の事務員さん、お囃子さん、色物さん、今まで私を「さん」付けで呼んでくれていたのに、いきなり一様にはな平師匠と呼んでくれます。

嬉しい反面、少し距離が出来たような気も

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「第3回 ハヤシにのって」御礼&反省

「第3回 ハヤシにのって」御礼&反省

第3回の独演会が終わりました。この会は真打になって始めた新しい独演会シリーズで、第1回は芸術祭優秀賞を頂いた思い入れのある会です。

どんな会も思い入れはありますが、やはり自分で企画運営する会はことさら気合いが入るもので、今回は「新作」という新しい試みも入れてみました。

小さい勉強会では三題噺や新作もやったことあるのですが、独演会でやったのは初めてで新たな一面を見せられたかと思います。そんな会を

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抜擢真打に思うこと

落語協会に久しぶりに抜擢で真打が誕生します。詳しくは落語協会のホームページをご覧ください。

東京の真打制度は協会によって差はありますが、落語協会では15年前後のキャリアになると真打のお声がかかります。

その数年前から人気があると、このように抜擢真打が誕生することがあります。普通より、1、2年早かったり、4、5年早かったり、その時のタイミングが全て決めます。

抜擢で真打になるというのは人気があ

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真打披露興行のネタ帳

2022年3月21日から始まった真打披露興行が5月20日をもって終了しました。私のトリは12日間。今日はネタを振り返ります。

はな平真打披露のネタ帳この1年間ずっとこれらのネタを意識しながら過ごして来ました。チャンスが有ればトリネタをやる1年間。楽しかったですね。持ち時間がなくてもトリネタやって、途中までで降りたりとか、その時のお客さんには本当に迷惑な話ですが、そんな感じでずっとやって来ました。

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国立演芸場披露目千秋楽

国立演芸場披露目千秋楽

国立演芸場での披露目が終わりました。これで寄席の披露興行が全て終わりまして、晴れて本当に真打一年生になりました。国立は二日間でしたが、最後は大千秋楽(全ての千秋楽)を務めさせてもらえて非常に光栄でございました。

国立は正直なところ自分ではチケットをそんなに売ってなかったのでお客さまがお越しになるか不安な部分もありましたが、ほかに出て頂いた師匠方のおかげもあって、千秋楽はほぼ満員の入りのなってとて

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【はじめての真打】橘蓮二さんに宣材写真を撮って頂きました。

【はじめての真打】橘蓮二さんに宣材写真を撮って頂きました。



まずは冒頭のこの写真。

落語ファンならおなじみの橘蓮二さん。いつもチラシなどでカッコいい高座写真をお見かけしていて、良く存じ上げていたわけですが、今回はそんな蓮二さんに宣材写真を撮って頂きました。

写真は真打のポスターで最初に出したいのでお控えさせて頂きますが、それはそれはみんな良い写真が撮れました。

背景と照明を変えるだけでかなり雰囲気が変わって、自分の写真なのだろうかと見紛うほどの良

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【はじめての真打】扇子の発注に行ったよの巻

【はじめての真打】扇子の発注に行ったよの巻

真打になる時に必要なものの中に「扇子」があります。扇子屋に行くと「高座扇」と言うと出てきます。

この落語家の扇子は踊りなどで使うものとは少し違っていて、親骨が紙の幅と同じになっています。写真で見るとその違いがすぐにわかります。

舞踊扇子

これがいわゆる舞踊に使われる扇子で、一番外の親骨が中骨と同じ細さになっています。閉じた時に紙が骨からはみ出るんですね。

高座扇

そしてこれが高座扇です。

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【はじめての真打】真打昇進に向けて

【はじめての真打】真打昇進に向けて

いよいよ、来年の真打昇進に向けての準備が少しずつ始まりました。この【はじめての真打】でその過程が垣間見えればと思えます。

入門したのが2007年3月、二つ目昇進が2011年11月、そして真打昇進予定が2022年3月。丸15年で真打という事になりました。僕は常々、落語入門で「15年前後で真打になります」と言っていたので、自分がまさにそうなりつつあるわけですね。

真打って、自分一人がなるわけではな

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楽屋で一番偉いのは前座です。

楽屋で一番偉いのは前座です。

落語家の階級落語家には階級があります。前座、二つ目、真打の三つです。上方には階級がないので、江戸と比べるときは香盤(入った順番)を比較するしかないですね。

前座ってのはそのまま、はじめに上がるということで、プログラムに載っている人よりさらに前に座って落語をするので、前座。

二つ目もそのまま、二つ目に上がったから二つ目。

真打は昔の寄席の最後に上がると、蝋燭の芯を打って火を消したところから真打

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