仏教ブログ 真宗木辺派函館錦識寺のページ

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管理人上田隆弘/真宗木辺派函館錦識寺副住職/函館大谷短期大学非常勤講師/ ブログで紹介した本や旅の記録を紹介しています/ 2019年「宗教とは何か」をテーマに13カ国を巡り、全国9社の新聞で『いのちと平和を考える―お坊さんが歩いた世界の国』を連載//現在仏教書データベースを更新中

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  • 仏教入門・現地写真で学ぶブッダ(お釈迦様)の生涯

    「宗教は宗教だけにあらず」 これが私が仏教を学ぶ上で大切にしている視点です。 この連載記事を読めばブッダの生涯だけでなく当時のインド社会の雰囲気も感じて頂けることでしょう。 私達日本人が想像するインドとは違う仏教世界をご紹介します。 意外な発見が満載で、きっと皆さんにとっても刺激的な体験になることでしょう。

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仏教入門 現地写真から見るブッダの生涯

私は2024年2月から3月にかけてインドのブッダゆかりの地を巡りました。その体験を基にこの連載記事【仏教講座・現地写真から見るブッダ(お釈迦様)の生涯】は書かれています。 この連載でご紹介する写真は基本的には私が現地で撮影してきたものになります。やはり実際にブッダが生きておられた場所を訪れると、これまで本や写真だけで知っていた世界とは異なるものを感じます。この連載記事でも現地ならではの体験を織り交ぜてお話ししていきます。 また、この連載記事の特徴として、ブッダの生涯だけで

    • 【現地写真から見るブッダ(お釈迦様)の生涯】(25)ブッダ死去後の仏教の歴史を極簡単に解説~日本伝来についても一言

      前回の記事「(24)ブッダのクシナガラでの入滅~従者阿難と共に最後の旅へ出かけるブッダ。80年の生涯に幕を閉じる」までの全24回でブッダの生涯を大まかに見て参りました。 今回の記事ではそのまとめも兼ねてブッダ死去後の仏教の歩みについて極々ざっくりとお話ししていきます。世界にまたがる2000年以上の歴史をほんの1ページでわかりやすくまとめるというのはあまりに無謀なことではありますが、あくまで極々ざっくりと見ていくことにしましょう。 では早速始めていきます。 ブッダ滅後の経

      • 【仏教入門・現地写真から見るブッダ(お釈迦様)の生涯】(24) ブッダのクシナガラでの入滅

        さて、ここまで23回にわたりブッダの生涯についてお話ししてきましたが、この24回目でついにブッダの生涯も終わりを迎えることになります。 この記事ではブッダの最後の旅についてとその死去と火葬についてお話ししていきます。ブッダの80年に渡る生涯がいよいよ幕を閉じます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 詳しくはこちらの記事にて

        • 【現地写真から見るブッダ(お釈迦様)の生涯】(23) 悪意ある誹謗中傷に対しブッダはどのように対応したのだろうか

          前回の記事「(22)ブッダ、生まれ故郷に凱旋帰国!息子ラーフラや従弟アーナンダなど釈迦一族の大量出家!」ではブッダが故郷のカピラヴァストゥに帰還し、釈迦族の多くの若者達を出家させたことをお話ししました。 ここまでの記事でブッダ教団の急拡大を見てきましたが、これだけ急激に勢力が増したとなるとやはりそれを快く思わない人間も出てくることになります。 ブッダの生涯の中ではそれほど重大事件としては扱われないものではありますが、今回の記事では現代を生きる私達にも大いに参考になるエピソ

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        仏教入門 現地写真から見るブッダの生涯

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        • 仏教入門・現地写真で学ぶブッダ(お釈迦様)の生涯
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          【仏教入門・現地写真から見るブッダ(お釈迦様)の生涯】(22) ブッダ、生まれ故郷のカピラヴァストゥに凱旋帰国!

          前回の記事「(21)スダッタによる祇園精舎の寄進~「祇園精舎の鐘の声」はここから。大商人による仏教教団の支援」まででブッダ教団の急拡大についてお話ししました。 有能な弟子の加入や大国の国王、大商人の支援によってブッダ教団は正真正銘の大教団として台頭してきます。 その長たるブッダがいよいよ生まれ故郷へと帰還することになります。今回の記事ではその顛末についてお話ししていきます。 では、早速始めていきましょう。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 続きは

          【仏教入門・現地写真から見るブッダ(お釈迦様)の生涯】(22) ブッダ、生まれ故郷のカピラヴァストゥに凱旋帰国!

          【仏教入門・現地写真から見るブッダ(お釈迦様)の生涯】(21) スダッタによる祇園精舎の寄進~「祇園精舎の鐘の声」はここから

          前回の記事「⒇マガダ国王ビンビサーラとの再会~大国の国王達が続々とブッダへの支援を表明!権威を増す仏教教団」では大国の国王達がブッダ教団への支援を表明したことが教団の拡大の一因となったことをお話ししましたが、今回の記事ではそれとはまた別の視点から仏教教団の拡大について見ていきたいと思います。 今回の記事の主役はスダッタという大商人。彼は祇園精舎をブッダに寄進したことで有名になった人物で、あの「祇園精舎の鐘の声・・・」はこの祇園精舎から来ています。 では、早速始めていきまし

          【仏教入門・現地写真から見るブッダ(お釈迦様)の生涯】(21) スダッタによる祇園精舎の寄進~「祇園精舎の鐘の声」はここから

          【仏教入門・現地写真から見るブッダ(お釈迦様)の生涯】⒇ マガダ国王ビンビサーラとの再会~ブッダ教団の急拡大

          前回の記事「⒆仏教教団の急拡大~三迦葉、舎利弗、目犍連など優れた弟子たちが次々にブッダのもとへ」では優秀な弟子たちの加入でブッダ教団が急拡大したことをお話ししましたが、今回の記事では「弟子の加入」とは別の面でのブッダ教団の拡大について見ていきます。ブッダ教団がいよいよ巨大な勢力となるその瞬間が今回の記事で語られます。 では、早速始めていきましょう。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 詳しくはこちらの記事にて

          【仏教入門・現地写真から見るブッダ(お釈迦様)の生涯】⒇ マガダ国王ビンビサーラとの再会~ブッダ教団の急拡大

          【現地写真から見るブッダ(お釈迦様)の生涯】⒆ ブッダ覚り後から仏教教団の急拡大の流れについて

          前回の記事「⒅ブッダの教えの何が革新的だったのか~当時のインドの宗教事情と照らし合わせてざっくり解説」では、ブッダの教えが当時のインド宗教界においていかに革新的なことだったかをお話ししました。 そして上の記事でお話ししましたようにサールナートでの「初転法輪」によって仏教教団が生まれることになりましたが、ここからブッダの快進撃が始まります。 今回の記事ではそんなブッダ教団の急拡大についてざっくりとお話ししていきます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

          【現地写真から見るブッダ(お釈迦様)の生涯】⒆ ブッダ覚り後から仏教教団の急拡大の流れについて

          【仏教入門・現地写真から見るブッダ(お釈迦様)の生涯】⒅当時のインド人はブッダの教えのどこに惹かれたのだろうか

          前回の記事「⒄ブッダの強力なライバル「六師外道」とは~バラモン教を否定し新たな思想を提唱したインドの自由思想家たちの存在」まででインドの宗教事情とブッダのライバルたる六師外道についてお話ししました。 今回の記事ではいよいよそれらインドの宗教事情と照らし合わせて、ブッダの教えの何が革新的だったのかをお話ししていきます。 「⑼四聖諦~仏教の根本たる四つの真理とは。苦しみを滅し救いへと至る道を説くブッダ」の記事でもお話ししましたが、ブッダはサールナートでの初転法輪で初めてその教

          【仏教入門・現地写真から見るブッダ(お釈迦様)の生涯】⒅当時のインド人はブッダの教えのどこに惹かれたのだろうか

          【現地写真から見るブッダ(お釈迦様)の生涯】⒄ ブッダの強力なライバル「六師外道」とは

          前回の記事「⒃沙門(シラマナ)とは~ブッダの仲間、ライバルたる自由思想家達の存在と当時のインドの独特な宗教事情について」ではブッダの生きた時代の独特な宗教事情と新興思想家「沙門」の存在をお話ししました。 そして今回の記事ではそんなブッダの強力なライバルとなった6人の思想家「六師外道」についてお話ししていきます。「外道」と言いますと日本ではあまりいいイメージを持たれないかもしれませんが、ここではシンプルに「仏教の外の教え」という意味で用いられています。 六師外道は当時のバラ

          【現地写真から見るブッダ(お釈迦様)の生涯】⒄ ブッダの強力なライバル「六師外道」とは

          【現地写真から見るブッダ(お釈迦様)の生涯】⒃ブッダのライバルたる自由思想家達の存在と当時のインドの独特な宗教事情とは

          前回の記事「⒂なぜ仏教がインドで急速に広まったのか~バラモン教から距離を置く大国の誕生と新興商人の勃興」ではブッダが生きた時代の時代背景をお話ししました。この記事の中でもお話ししましたが、ブッダひとりの力で仏教が広がったわけではありません。時代がブッダを求めていたという社会的な要因も強力に作用していたのです。 そしてこうした時代背景において、ブッダと同じように独自の思想や宗教を世に問うた人達がたくさんいたということも前回の記事でお話ししました。 今回の記事ではこうしたブッ

          【現地写真から見るブッダ(お釈迦様)の生涯】⒃ブッダのライバルたる自由思想家達の存在と当時のインドの独特な宗教事情とは

          ⒂なぜ仏教がインドで急速に広まったのか~時代背景から見えるその理由とは

          前回の記事「⒁仏教が生まれたインドの時代背景~古代インドの宗教バラモン教の歴史と世界観とは。カースト制についても一言」ではブッダが生まれる前のインドの宗教事情についてお話ししました。インダス文明から遡ってお話ししたことで驚かれた方もおられるかもしれませんが、話を聞いてみると「ほお!なるほど!」と頷いていただけたのではないかと思います。 やはり歴史の流れと時代背景は大切です。 今回の記事ではいよいよブッダが活躍するまさにその時代についてお話ししていきます。ブッダも時代背景を

          ⒂なぜ仏教がインドで急速に広まったのか~時代背景から見えるその理由とは

          【現地写真から見るブッダ(お釈迦様)の生涯】⒁ 仏教が生まれたインドの時代背景~古代インドの宗教バラモン教の歴史と世界観とは

          前回の記事「⒀四聖諦~仏教の根本たる四つの真理とは。苦しみを滅し救いへと至る道を説くブッダ」ではブッダの最初の説法「初転法輪」の内容たる4つの真理「四聖諦」についてお話ししました。この「四聖諦」は一見シンプルすぎるように思えてしまう教えでしたが、実は当時のインドにおいてこの教えは非常に画期的なものでありました。 そこで今回の記事では一旦ブッダの生涯から離れて、インドの時代背景についてお話ししていきたいと思います。時代背景を知ればブッダの教えがいかに独特なものだったかがよくわ

          【現地写真から見るブッダ(お釈迦様)の生涯】⒁ 仏教が生まれたインドの時代背景~古代インドの宗教バラモン教の歴史と世界観とは

          【現地写真から見るブッダ(お釈迦様)の生涯】⒀仏教の根本思想、四聖諦についてざっくり解説

          ブッダが初転法輪で何を説いたのか。 実はこれはなかなか厄介な問題で、ブッダが本当に何を語ったのかというのは正確にはわかっていません。 数々の経典にブッダが何を説いたかが書かれてはいるのですが、それぞれ異なったことが記されているため、これといった唯一無二の定説というものが存在しないのです。ここが正統と異端を厳密に分けて『新約聖書』を編纂したキリスト教との大きな違いです。 もちろん、イエス・キリストの誕生はブッダ誕生の500年近く後ですので時代状況も大きく異なります。さらに

          【現地写真から見るブッダ(お釈迦様)の生涯】⒀仏教の根本思想、四聖諦についてざっくり解説

          【現地写真から見るブッダ(お釈迦様)の生涯】⑿サールナート(鹿野園)での初転法輪~ブッダ教団の始まり

          前回の記事「⑾ブッダ瞑想の日々と梵天勧請~ブッダは人々への説法をためらった?インドの神ブラフマンによる説得とは」では悟り直後のブッダが人々への説法をためらったことをお話ししました。 そんなブッダでありましたがインドの最高神ブラフマン(梵天)の説得により、ついに人々への説法を決意します。 この記事ではそのブッダの初めての説法についてお話ししていきます。仏教教団の歴史が始まったのはまさにこの説法からになります。 ブッダはサールナート(鹿野園)でその説法を行いました。サールナ

          【現地写真から見るブッダ(お釈迦様)の生涯】⑿サールナート(鹿野園)での初転法輪~ブッダ教団の始まり

          【現地写真から見るブッダ(お釈迦様)の生涯】⑾梵天勧請~ブッダの説法を促したインドの最高神のエピソードとは

          ブッダガヤでついに悟りを迎えたブッダ。 そこから悟りの境地に没入するブッダでありましたが、ある日ブッダの中で次のような思いが浮かんできました。 「私の悟った真理はあまりに深遠で難解であり、思考の域を超えた賢者にしか理解できないものなのではないか。世の人々は執着の世界にこだわり、世の楽しみを求めるのみだ。そのような人に私の真理は見難い。欲望を捨て、心を静める瞑想も理解しがたいだろう。そのような人たちに私の教えを説いたところでどうなることだろう。私に疲労と憂慮が残るだけではな

          【現地写真から見るブッダ(お釈迦様)の生涯】⑾梵天勧請~ブッダの説法を促したインドの最高神のエピソードとは