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【第6回インタビュー】温厚篤実。ID24(3年): 池谷和輝。

こんにちは。Humans of ICUFCです。
今回はID24(3年):池谷和輝にインタビューを行いました。

人物紹介

池谷和輝(いけたにかずき)。
ID24、元GKで、現在はスタッフとして活動。

大学から本格的にサッカーを始め、入部後はバレーボールの経験を活かしたセービングでGKとしてメキメキと頭角を表した。3年次からはスタッフに転向し、GK陣のトレーニング管理、公式戦運営など非常に重要なタスクを担うチームにとって最も欠かせないピースとなっている。

勤勉で実直なキャラクターであり、誰からも信頼の厚い池谷。
今回はそんな彼の、知られざる一面を深掘っていく。

インタビュー

とにかく運動好きな幼少期から、バレーボール青年へ

  • では、よろしくお願いします。

まず初めに、和輝の今までのことを話してもらってもいい?

池谷:大学で寮に入るまではずっと千葉県千葉市で育ってきました。
幼稚園、小学校の時はとにかく外で遊ぶのが大好きだったかな。園が開く前からお母さんに送ってもらって、友達とずっと鬼ごっこしてるみたいな。小学校でも隙があればドッジボールをしたり。
本当に体を動かすのが大好きだったと思う。

そこからは親の方針で中学受験をすることになって、小学校の後半は徐々に勉強が生活の中心になっていったかな。そこで友人関係が一旦リセットされたのが寂しかった…。

中学はほぼ部活かな。
バレーボール部に入ってたんだけど、正直バレーをする気なんてなかったんだよね、足が速かったっていうのもあってサッカーか陸上をやろうと思ってたし。

でもたまたまその両部ともオフな日にバレー部の先輩に捕まって、やってみたら意外と楽しくて(笑)結果、中高で長めに続けるスポーツになっちゃった。

で、そのバレー部がかなりキツくて…
通学もほぼ片道1~1.5hぐらいバス・電車使ってで、放課後は部活して疲れて帰って、飯食って風呂入ったら倒れてるみたいな感じだった。

中学受験はしたけど段々と勉強は疎かになって、成績もガタ落ちで。
芸術系の科目が得意だったから、美術、書道、音楽は全部maxの評定をとってなんとかしてた。

高校に入ると大学受験も視野に入れなきゃだったし、高3の最後までずっと部活っていう学校でもなかったし、高2の途中でバレー部は断念して勉強に切り替えたんだよね。

そこでユルい部活を探してたんだけど、ちょうど美術部を見つけて。
顧問の先生が「週3以上は面倒臭いから来るな。1~2にしろ。」みたいな感じの部活で(笑)、週1~2回行ってのんびり絵を描くみたいな感じのことをしてた。

それが受験勉強の傍だから凄くやりやすかった。いい息抜きになってたかな。
結果、ICUは指定校で入ってるけど、それでも勉強はちゃんとやって、ちょっと持ち直したかな。で、今って感じかな。

  • ありがとう。
    それまではサッカーをしてこないで、バレーと美術をやってきたんだね。

池谷:うん。
友達と外で遊ぶ時の選択肢の一つではあったかなって感じ。

「真面目」のルーツ

  • なるほど。中高ってバレーを続けてきた中で、何が和輝にとって印象的で、続ける理由になってたの?

池谷:正直中高一貫の6年間過ごしてる中で、なかなかスポーツ変える人がいなかったっていうのは一番でかいかもしれない。

後は同期が面白い人たちばっかりで、バレー部は問題児学年とは言われてたんだけど、最終的に10人いて俺以外の9人全員体育館の先生の前で立たされて説教されてるみたいな。
俺だけいつになるかねって言われてて、ちゃんと優等生してたからセーフだったんですけど(笑)

  • 確かに和輝がふざけてるイメージがあまりない(笑)
    根が真面目?流されることはない?

池谷:うん。ないかなぁ。
なんか、そういう悪いことをしちゃった時の罪悪感に耐えられないタイプの人間だから、その場の感じでどうっていう風なのができなくて。
良くも悪くも、問題児学年のバレー部に流されなかったから良いストッパーになっていたのかもしれない。

  • そんな和輝が人生の中で大切にしているモットーはある?

池谷よく周りを見ることっていうのは常に大切にしているかも。

自分は中心に立って「やっていくぞ」って引っ張っていくのは正直得意ではないけど、誰かのサポートをして、その人が持っている100%の力を引き出してあげるっていうのは割とできるのかなって思う。

周りを観察して、これ言いたいけど言えてなさそうだなとか、やりたいのに我慢してそうだなとか、自分が手助けしてできることがあるのであれば手助けしたいと思う。
これは選手としてではなくスタッフとしてやってることのモチベーションとかにも繋がってくることなんだけど。

それで自分が力になって、その相手が輝いているのが嬉しい。だから、周りを見ながら自分がサポートできることは何かっていうのを考えているのが大切にしていることかな。

  • その考えは何か過去の経験からきてたりするの?

池谷母親の影響が大きいかもしれない。

俺兄弟がいなくて父親もずっと単身赴任で海外にいて、ずっと母と2人で過ごしてる感じだった。
だから、ずっと母親のことを見てきたんだよね。その母親がとにかく腰低く、他人に気遣いしてっていう人だから、それが自分の中で当たり前だったというか...。

だし、ちゃんと周りに気遣えてるのがいいことだなって思ってたからその影響が大きいのかもしれないっていうのはあるかな。

「スタッフへの転向」という大きな決断の背景

  • ここからはICUFCに入ってからのことをメインに聞いていきたいです。
    最初入部した時はGK(プレイヤー)として入って、そこからどういう気持ちの変化があってスタッフに転向したのか聞きたい。

池谷:正直、(大学から始めたとしても)プレーで貢献できるんじゃないかって思って入部して、別に舐めてた訳ではないけど突き詰めれば突き詰めるほど、サッカーとかGKの難しさっていうのを感じるし、皆が小学校の頃からやっていることを大学でやっただけで追い抜けるなっていうような差ではないなっていうのは思ったんだよね。
もちろん、その上でできることを(プレイヤーの間は)努力してっていう感じだったけど。

ICUFCにはGKが6人いて、その中のいちGKとして自分らの代を過ごすよりは、何か「1人」の存在になってそこでできることをした方が貢献できるのかなって思って

自分の代の時は何もできないで終わるのが本当に嫌だったから、自分のできる道を探してこうって思ったのが変化かなって思う

  • なるほど。それは本当に大きな決断だったと思うんだけど、葛藤は何か自分の中にあった?

池谷:(今だから)結果的に見てこの役割に就けて良かったし、仕事も結構あるなっていうのは思っているけど、最初はやることが明確にわからない状態でこうしようって思ったんで、言い出す時には『これで本当にいいのかな?』って思うところはあったかな。

タイミングとしては代替わりのタイミングで優也(ID24の主将、阿部優也)に打ち明けたんだけど、優也みたいに寛容な人でなかったらもしかしたら言い出せずに終わっていた可能性もあるなってくらいだった。

でもそこで、優也が「思っていることを正直に言い出してくれてありがとう」っていうのと「そういう思いがあるなら、それで貢献してくれたら嬉しい」っていうことを言ってくれてようやく確信が持てたっていう感じかな。

やっぱり、やることが定まっていない中での初めての試みだったので、ICUFCの何でもやってみようっていう空気感ではなかったらこういう結果にはなってなかったと思う。本当にICUFCと優也で良かったです。

  • 凄い決断だよね。プレイヤーからスタッフにっていうのもそうだけど、普通の人だったら挫折すると思う。けど、それをスタッフとして貢献しようって思ったところが凄い。

池谷:正直、選手ではないなら(チームから)離れた方がいいのかなってよぎった時もあった。

ただ結局このチームが好きだったから残りたいって思ったのは大きいし、残させてもらえるのであれば、どんな形でも居させて欲しいって感じにはなれたのかな。それが選手じゃなかったとしても。

GK陣の魅力と、そのマネジメント

  • スタッフとして実際にGK陣の練習をマネジメントしていたりして、ここが良いなって思う点はある?

池谷:健太(ID24、諸伏健太)しか試合に出れていない中で、ここまで仲良く、お互いを高め合うことを目標にやれているチームはないなって思う。

やっぱりプレイヤーは試合出るために頑張っている人たちが多いと思うから、その中で一試合も出れない状態が続いても文句一つなく練習して、別に健太のレベルをあげようでも自分がもっと高まろうでも、とにかく試合に向けて全体でレベルアップしていこうっていう空気感が好きですね。
全然(GK陣内で)空気感が悪くなったことがないっていうか。

だし、柔軟な対応力がある所もうちのGK陣は凄いと思う。

これはしょうがないことだけど、ある程度フィールド主体で、GKがそれに合わせるっていうのが良くある状況。
例えばプロでも、公式戦のアップでもGKはフィールドプレイヤーよりも早くアップに入るんだよね。フィールドとGKが合流する時間を計算したらGKは少し早めにアップを始めないと間に合わない、って感じで。

そういうような柔軟な対応力が求められる時でもうちのGK陣は上手く対応できてると思う。

練習メニューが共有されて、「今日は合流早めだな」って思ってLINEグループに僕が『少し早めにアップしてもいいかも』って投げたら、例えば健太だったら本当に早めにアップを始めてるとか、颯太(ID24、川島颯太)だったら早めにルーティーンのストレッチを始めてるとか。

色々柔軟に対応してくれるところがあるので、そこは言う側からしても助かってる。

  • なるほど。

池谷:先に2人だけでもアップが完了していたら、その2人は他のGKのアップを手伝える側に回れるから、GK陣全体で見ても効率的にアップが完了するんだよね。

後は、これは半田さん(GKコーチ、半田浩平)も言ってることだけど、フィールドともっとコミュニケーションを取るということ。
例えばオフ明けは動的ストレッチまでフィールドと一緒にやって、(GKとフィールドが)別な部分は最小限にするとか、フィールドと一緒にやった方がコミュニケーションは多くなると思うので、そこも意識しているポイントかな。

  • そこまで考えてやってくれてるなんて、恥ずかしながら知らなかった…。本当にいつもありがとう。

一つ上の視座から見る、ICUFCの魅力

  • 最後の質問にしたいと思うんだけど、役職を変える時にチームに残りたいっていう意思は変わらなかったって言っていたと思うんだけど、具体的にどんなポイントがこのチームにいたいと思える所になってる?

池谷:まずは受け入れてくれる所、寛容さかな。

まず、大学のサッカー部っていう環境で初心者である俺を受け入れてくれたところ。その点でまず俺は感謝しなきゃいけないと思ってる。

今で言うとりんちゃん(ID26、中坊倫太郎)もそうだし、今は俺が入った時よりもレベルが上がっているのにずっと寛容で、もしICUFCに入っていなかったらサッカーをする楽しさを知らなかったと思うと、本当にそこは感謝しなければいけないことで。

今進めている地域へのポスター貼りも、思ったよりも有志メンバーが集まってくれたんだよね。人のチャレンジに乗っかる、応援するっていう姿勢があるのが本当に良い所だと思う。

後はありきたりだけど、サッカーに限らないで皆が色んなことをしているっていう所かな。
俺も今はデジタルのデザインをやっていて、たしかに芸術とかデザインは昔から得意っていう自覚はあるけど、それはあくまでキャンバスの上や紙の上の話で。

(ポスター作りやSNS用の画像作りを)画面の中でやることで、こういう事もできるんだっていう気づきはプロモの活動しないと気づいてなかったのかもしれないから、それもサッカーに縛られない活動の中で気づいた新しい出会いだったと思う。

サッカーが上手くなる以上のものを得られるっていう事がICUFCの魅力かなって思っています。

  • ありがとう。最後に皆に伝えたいことはある?

池谷:去年2部で優勝して今年は1部の上智が、この間初めて勝ち点を取ったんだよね。
それまでは10試合くらいやって勝ち点0だった。

そう考えると、うちも最近は連敗で勝てるのかっていう雰囲気にもなってきていると思うけど、勝ち点7も積み上げられていることをもう少しポジティブに感じても良いんじゃないかなって。

上のリーグで戦うって想像以上に難しいことだし、厳しい戦いが続いて当たり前。
もちろん勝つに越したことはないけど、現状をそこまで悲観的に見ずに前に進みたいなっていうのはチームに伝えたいところではあるかな。

負けが続いても崩壊せずに皆でやっていこうって思えるところがうちの強みだし、その結果今積み上げている勝ち点がある。
そういう気持ちで前をみて練習とか参加するようにはしているし、前期の目標は達成できていないけど全然やれているなって思いたいって凄い感じてる。

  • 間違いない。では和輝、本当にありがとうございました!

出演:池谷和輝
インタビュー・文:袴田知優(ID24)、近藤央(ID22)
インタビュー日時:2022年7月27日

さいごに

今回はID24の池谷和輝にインタビューを行いました。
次回以降もぜひご覧ください!

↓過去の記事は以下より↓
【第5回インタビュー】元気溌剌。ID234年): 坂本達郎。

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