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傾聴力②映画のように人の話を聴く〜「Hear」から「Listen」へ〜

私は経営コンサルタントの新米秘書です。
社長の側で日々学んだことを備忘録として発信していきます!

今回は前回の『傾聴力①「聴く」のが上手い人はGiverの精神を相手に向けられる人』に引き続き、傾聴力シリーズ第2弾です。

前回の内容をおさらい・・・

★「聞く」(Hear)=音や声が受動的に自然に耳に入ってくること
 「聴く」(Listen)=耳に入ってくる音の情報を積極的に理解しようすること
★相手に対して肯定的な関心をもって話を聴く「共感的理解」と相手に対して自分は何ができるだろうと考えながら聴く「Giver精神」が「聴く」ことには不可欠

まだ、前回の記事を読んでない方はぜひこちらも目を通して見てください。

「聴く」に対して考えを深めるにつれて、これまでの対話での上手くいかなかったシチュエーションの記憶が蘇りました。

今回は、聞きたかったことも聴けず、お互いモヤモヤして終了してしまった会話、その時なんとなく感じていた不快感や違和感は何が原因だったのかを振り返り、私なりに言語化してみました。


皆さんの日常の「聴く」を振り返るきっかけになれば嬉しいです。

■「聴き手」の本来の役目

「対話している」というシチュエーションにおいて、巷ではスキル向上やコツなど、注目されているのは話者の「伝え方」の方で、聞く側は相手のおしゃべりをただ待つアクションの受け取り手だと思っている人が多いです。しかし、実は相手の発する言葉や会話の方向性がどうなるかは聴き手が握っており、対話している関係での裏の舵取りのような役目です

聴き方によって会話の方向性も相手のアクション「Talk(話す)」内容もだいぶ変わってきます。

■無意識でやってしまっている「Talk(話す)」を制限する「Hear(聞く)」


ここで過去、私が人との会話で感じた苦い体験を振り返ります。

【会話中「誘導されている…?」と感じた体験】
具体的な状況説明は割愛しますが、対話中、何か誘導されている感、自分が相手にとっての論破材料を提供している状態になっているなと感じた場面が何度かありました。

相手はひとしきり自分の主張を話した後で「何でも思うことを言ってください、本音を聞かせてください」と私に言ってきましたが「言いたいけれど…何も言えない」ともどかしい感情になりました。

思うことは色々あるけれど、何か言えば、相手の都合が良いように会話の舵を操作されてしまうと思ってしまうと直感的に感じてしまったからです。

これが相手の「Hear(聴くではないただの聞く)」をされたことによって私の「Talk(話す)」が制限されてしまった状態です。

何を話すか、どの程度本音まで話すか、その時自分が”聞き手をどう感じるか”によって変わるのだ、と実感しました。

粗探しをするために聞いている、もしくは自分の意見を言うタイミングを伺いながら聞いていると感じた瞬間に、「自己開示はしたくない」とバリアを張ってしまう感覚になってしまいます。

自身が話し手でそういった実体験が幾度となくあるので、聴き役として相手に「もっと聴いてほしかったな…」と思わせないよう、消化不良感を自分との会話で感じさせないように意識しなければと強く思いました。

■よくない「Hear(聞く)」をしてしまのは「自分のWant(欲求)」が相手に伝わってしまっているから

自分の主張を通すために人の話を聞く⇨自論を展開する

このような対話スタイルの人は自分の「Want」を優先してしまっている証拠です。
聞き手の「Want」が話し手に伝わってしまった時に話し手は不快感と違和感を会話中に感じてしまいます。

自分が欲しいものが手に入る(相手とデートしたい、受注して契約してもらいたい、交渉を通したい、説得したい)ために聞いているという前提があるからです。

相手に対してGiver精神と好奇心の意識づけができれば、例えWantがあったとしても相手に伝わって不快に思わせることはないはずです。

■人の話は映画のように聴く

私自身、昔から「言おうと思ってたこと以上のことまで喋っちゃったわ(笑)」と言われることが時々あります。

「聴く」に関してはまだまだですが、唯一強みがあるとするなら好奇心で聴くことはできている方ではないかと思います。

明確な解決案や、物凄いアイデアを思いついて伝えられるわけでもないですが、自身の好奇心が強いことで、自然と相手の話に興味をもち、それがリアクションや切り返す返事に反映されます。

「話の続きが気になってしまう」というその反応が話し手に伝わり「言おうと思ってたこと以上のことまで喋っちゃったわ(笑)」状態になるのだと思っています。

ここで私が「聴く」時にGiver精神と好奇心を相手に向けるために意識していることを紹介します。

それは”相手の話を映画のように聴くこと”です。

映画を見るときはどんな話でも次の展開に期待してワクワクしています。聴く時も同様に次に相手が言うことに期待しながら一つのストーリーとして聴いてみてください。そんな気持ちで聞くと、目も見開くし、眉も上がり、あいづちにも気持ちが入ります。

相手がくれるストーリーを楽しむために、もっと深掘りしたいシーンがあれば、それを補う形で「その時どう言う感情だったの?」「なんでそんな行動したの?」と質問を投げかけてください。そうすれば、相手は自分の話に興味を持ってくれていると心を許すので、自然と深い会話ができるようになります。

例え、相手との価値観が違って理解できなくても、馬が合わず仲良くなれそうになくても、目の前の自分とは少し変わった人の人生を映画のように聴くことで自然と続きが気になってしまいます。

ひとしきり映画(=相手の話)が終わったあとは、主人公(=目の前で話している相手)の救世主として自分が途中参加の登場人物になったつもりで、何をしてあげられるだろうと考えてみるのはどうでしょう。そうすれば、十分に相手の話を聴いた上で、相手のニーズを捉えたGiver精神で返事ができますし、少なくとも相手の「Talk(話す)」を制限する「Hear(聞く)」にはならないはずです。

まとめると、日頃の「聴く」をよくするステップはこのようになります。

<映画のように「聴く」ステップ>

  1. 聴き手が相手の話を映画として捉えて聴く。この時、自身のWantをまずは傍に置いて夢中で好奇心全開で聴きます。

  2. 相手のストーリーを楽しむための質問なら適宜していきましょう。あなたのそのワクワク感が話し手に伝わり、「話しすぎたな〜」と思わせてしまうくらいあなたとの対話を楽しんでくれます。

  3. その後で、ストーリーの中の主人公(目の前の相手)に対して自分ができることをGiver精神で考え、意見を述べたり、感想を言ったり、状況によっては提案をします。

遠回りのようですが、このステップなら、聴いているときに自分のWantが先走った反応は出ないですし、結果的に自分が聴きたかった相手の本音や本質的なニーズを知ることに繋がります。さらに、話し手は話し心地の良さから、「もっとしゃべりたい」「もっと自分のことを知ってほしい」といった両者オープンなコミュニケーションが実現できるのです。

映画のように「聴く」ステップを実践し、人の話をディズニー映画のようにワクワク聴ける人が増えれば嬉しいです。


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