見出し画像

VOL.1 人生100年時代のキャリア、生き方とは?

人生100年時代、職業人生50年、将来現役と言われるように、年齢を問わず働く時代となりました。一方、世の中の変化はすさまじく、求められる知識やスキル、考え方は大きく変化しており、その対応策として、今や国をあげて「リスキリング(学び直し)」に取り組もうとしています。
では、リスキリングとはどのようなことを指すのでしょうか?

リスキリングとは
「市場の変化に対応できる新しい職種・業務に就くこと」や「現職で求められるスキルの変化に適応し、持続的に価値を創出すること」を目的に、新しいスキルや技術の習得を推進する取り組み。
特に、リスキリングは「これからも職業で価値創出し続けるために」「必要なスキル」を学ぶ、という点が強調されている。

私たちは社会人としてキャリアをスタートさせてから、職場でのOJTや様々な研修を受講し、仕事で通用するスキルを身に着けてきました。これまでは職場内訓練だけで対応可能であったことが、産業構造の変化やIT技術の進化、ライフスタイルの変化で仕事そのもののやり方が急速に変わり、企業は新規事業領域を模索し、個人は変化に対応するスキルを身に着け、自律的なキャリアを創造していく時代が到来しています。新しい技術、スキルは若手に任せるのではなく、組織全体がこの変化に対応する力を身に着け、若手~ベテラン・シニアの「スキルの底上げ」が急務といえるのでしょう。少子高齢化の日本において、すべての世代のビジネスパーソンがリスキリングを行うことが、今求められているのです。

次に、国はなぜ社会人のリスキリングを叫ぶようになったのでしょうか?
以下のグラフを見てみましょう。


高齢者人口割合の推移
2022年、65歳以上は3500万人で人口の29%、2040年には人口の35%に

総務省統計局 統計データ
https://www.stat.go.jp/data/topics/topi1321.html

若年世代、生産年齢人口が減少し、今後高齢者が増えることは歴然であり、ベテラン、シニア社員のキャリアの後半戦が長くなるということがわかります。また、下記の通り、法律面でもベテラン・シニア社員が長く働き続けるために改正が行われています。

高年齢者就業確保措置の義務化(2021年4月~)
「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」では、高年齢者が年齢に関わりなく働き続けることができる「生涯現役社会の実現」を目指して、企業に「定年制の廃止」や「定年の引上げ」、「継続雇用制度の導入」(高年齢者雇用確保措置)のいずれかの措置を、65歳まで講じるよう義務付けている。
さらに、令和3年4月1日からは、70歳までを対象として、「定年制の廃止」や「定年の引上げ」、「継続雇用制度の導入」という雇用による措置や、「業務委託契約を締結する制度の導入」、「社会貢献事業に従事できる制度の導入」(高年齢者就業確保措置)という雇用以外の措置のいずれかの措置を講じるように努めることを義務付けている。

厚生労働省
令和4 年「高年齢者雇用状況等報告 」 の 集計結果

なぜ、ベテラン・シニア社員のリスキリングが求められているのか

人口動態、国の方向性から一昔前のライフスタイルであった「定年後は悠々自適の人生を送る」という常識がほぼ過去のものになりました。

今後は下記のようなことが予想されます。
・高齢者雇用安定法の改正などにより働くことが当たり前の時代の到来
・ベテラン・シニアと呼ばれてから、20年の就業時間がある
・企業環境変化が猛烈な勢いで変わっている
・10年でもっているスキルの6割は使えなくなる
・非連続の新しいスキル、新しい能力が求められるが、それについては人材不足。例)DX人材

では、ベテラン・シニア社員はリスキリングでどのような変化がのぞめるのでしょうか?

リスキリングをするメリット

個人として
  ・ポジションパワーに変わるモチベーションスウィッチを得られ、
   モチベーションアップのエネルギーが生まれる
   ※ポジションパワー=役職などの肩書
会社として
  ・シニアが活躍できると、労働力不足の解消という労働力の観
   点だけでなく、労働者という観点でやる気が高まり、それがパ
   フォーマンスに直接影響を与える可能性が高い
  ・さらには、それが職場や組織に良い影響を与える
社会全体として
  ・イキイキと活躍できるシニアが増えれば、経済社会全体に
   活力が生まれる
  ・ウェル・ビーイングが推進される

まとめ

以上のことから、ベテラン・シニア社員のリスキリングが長くなる定年後の人生を豊かにするだけでなく、企業や社会にとっても好循環をもたらすことがわかります。
次回は、当社が企業やビジネスパーソンにインタビュー調査した結果をもとに当事者たちの本音に迫り、ベテラン・シニア社員のリスキリングについて考察していきます。