見出し画像

時代に合わせて進化した「ポケモンのゲーム」に感動した話

12月にポケモンのスカーレットを購入してプレイした。
小学生の時にルビー/サファイアからやり始めたポケモンだったが、ハートゴールドあたりを最後にポケモンのゲームはずっとやっていなかった。

話によると、実際は少しずつ変化していっていたようなのだが、私にとってはハートゴールドが最新の記憶なので、今回ポケモンというゲームの変化にとにかく驚いた。
「絵が綺麗になった」、「バトルがよりリアルになった」、「オープンフィールドになって、色々な場所に移動できるようになった」という技術面はもちろんだが、細かい部分の描写やストーリーなどソフトな部分も時代に合わせてかなり変わっていた。
以下にとても新鮮に感じた部分を挙げていきたい。

■髪型や服装が選べる
技術の発展もあるだろうが、髪型や服装が変えられることに驚き、髪型の種類がとても多いことに驚き、ちゃんと髪型の名前もあって、これは子供はおしゃれになっていくはずだと思った。
スカーレット/バイオレットは学校という設定だが、バッグを変えたり、髪型を変えたり、アレンジして個性を出すことがOKな時代になったということだと感じた。
昔なら、ポケモンのせいで生徒が制服をきちんと着てくれないなどとクレームが来ていた可能性もあるかもしれない。

■学校の生徒の年齢が様々
学校は何歳でも通うものという価値観、終身雇用が前提ではなくなり、人間が必要なスキルもどんどん変わっていくとされている中で、以前よりリカレントが推奨されるのに加え、年代によるバイアスも認識して、バイアスに振り回されすぎないようにするようなダイバーシティが謳われている時代。
そこに合わせて色々な年代の生徒がいるのだと感じた。

■職業の性別が混ざるようになっている
男女の二項対立で考えるの自体が良くないとされる時代ではあるが、ゲームなので、ここではあくまでキャラクターの見た目が男性のように見えるか、女性のように見えるかで考えさせていただく。
スカーレットとバイオレットで博士の性別が異なっていたり、従来は男女どちらかにイメージが偏っている職業の性別をシャッフルしているような感覚もあった。

■ジムリーダーは副業
昔のポケモンはジムリーダーは服装の差こそあれ、全員がジムリーダーという情報しかなく、他の職業のことにはあまり触れられていなかった。
だが、サラリーマンやyoutuber、パティシエなど様々な職業の人がジムリーダーを副業としてやっている。
これも一つの仕事をするのが普通とされている時代から、副業や複業などしているのがスタンダードの時代になってきていることの現れに見えた。
職業にyoutuberが出てきていたのにも正直驚いた。

■目指す道は一つではない。宝物を探す。
一番大きな違いに見えたのが、ストーリーが3つあったことだ。
昔はジムリーダーを倒し、四天王を倒し、殿堂入りするというコースしかなかった。
技術上、複雑な構成が作りにくかったなどもあるかもしれないが、社会的にも小中高大と学んで、会社に入って、会社の中でポジションをあげていって勤め上げるというようなエスカレーター的な考え方だったと思う。
それが、今は「上を目指す」のが全てではなく、自分がやりたいことを好きな順番でやっていいのだという。
どんな進み方をしてもいい。回り道でもきっと無駄にはならない。君の宝物を探して欲しい。といってくれる。

昔とは変わったので、キャリアの不安を抱えている人がとても多いという。
選択肢がありすぎて、迷子になってしまう。
そういった時代を反映して、ゲームをした子供たちが自分が何をしたいのか考えるきっかけになることを想像すると、控えめに言ってなんて素敵なゲームなんだと思った。

私はもちろん見学に行ったり、パンフレットを読んだりはしたものの、正直ほぼ偏差値しか見ずに適当に大学を決めて、研究テーマを選んだり、就活をした時に初めて、自分は何がしたいのかという問いに向き合うことになった。

必ずしも時代や環境が要因なわけではなく、考えるより先に行動して気づいていく性格なのもあるが、圧倒的に将来のことを考える経験が不足していた。

もちろん、中学生や高校生の時に真剣に将来のことを考えていたとしても、見えている範囲も狭いし、情報も少ないので、そのとき思っていたことを今やっているとは限らない。
ただ、「自分がやりたいこと」という問いに向き合った上で、意思決定をして、軌道修正を繰り返す場合と、何も考えずに無計画に進んだ場合、結果が同じでも、自分の中での納得度は全然違うのではないかと思ってしまう。

ポケモンやその他のゲームを通して、今の小中高生が考えるきっかけになり、自分の歩みたい人生を送れる人がきっと増える。

社会が変わればゲームも変わる。
私はまた、5年後、10年後にポケモンをプレイしたい。
また、時代の変化に、ポケモンの進化に驚かされたい。

※ちなみに、ポケモンは殿堂入りするものと刷り込まれてしまっているので、チャンピオンを目指すのが王道と思ってしまう自分の感覚を少し残念に感じながらも、バイアスを認識できていれば問題ないと正当化した。

#全力で推したいゲーム

この記事が参加している募集

#全力で推したいゲーム

13,777件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?