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アナログ=人間の温かさ 対談者:有限会社アドポップ 代表取締役 上村 禎彦様

皆さまこんにちは!ヒューマングループnote編集担当 朝永です(^-^)

今回のヒューマントークは、弊社のスタッフの似顔絵を描いていただいたことのある 有限会社アドポップの上村 禎彦様です。

上村様が福岡でデザインのお仕事をされることとなった経緯からアナログで描かれた似顔絵名刺に関するエピソードなどをお伺いしました!

まずは、弊社の社長 内海と上村様との出会いからご覧ください♪

上村さんとの出会い

福岡で出会った上村さんのおかげで“名刺は大事な営業ツール”と認識するようになりました。

今も当社スタッフの名刺の表紙用に、スタッフの似顔絵を描いて頂いています。一人一人のイメージにピッタリの仕上がりに感心しています。

企業のイメージをいかに暖かくアピールするか・・・上村さんとの出会いから輪が拡がっています。

※対談の本文は、2005年4月にヒューマンニュースレターに掲載したトークを当時の文章で掲載いたします。


「アナログ=人間の温かさ」

note ノート 記事見出し画像 アイキャッチ (13)

<ヒューマンニュースレターVOL.22(2005年4月発行)より転載>

有限会社アドポップ 代表取締役 上村 禎彦 様
ヒューマングループ 代表取締役 内海 和憲

今回は、当社スタッフの名刺の似顔絵を描いていただきました、有限会社アドポップ 代表取締役の上村禎彦様にご登場いただきました。

内海:15年ほど前のことなのですが、福岡の色んな方々と名刺交換をさせていただいておりますと、似顔絵が掲載された名刺を持っていらっしゃる方と非常に多く出会いました。その名刺にはその方の人間性が非常に映し出されていまして、それを見て、私も似顔絵入りの名刺をぜひ作りたいと思いました。

初めて福岡の事務所にお邪魔して私の名刺を作っていただいたのですが、それが非常に嬉しくて、それからずっと使い続けております。最近では当社のスタッフ全員の似顔絵を描いていただきました。それがまた大変好評でして、あの名刺を出すと5分か10分は似顔絵の話題で盛り上がってしまうようです。

内海:上村社長はどちらでデザインのお仕事の修行をされたのですか?

上村:最初は横浜で修行いたしました。デパートのお店の装飾、POPそういうのを描く仕事を4~5年くらいしていました。
4~5年もしてくると、もうちょっと上の面白い仕事がしたいなと思い始めるんですね。それで、東京のデザインプロダクションに勤めまして、そこでSPデザイン(セールスプロモーション)商品のパッケージ、袋、サイン関係、会社のキャラクターやシンボルマーク、ロゴなど、そこで今の私の仕事のノウハウを掴みました。

内海:そのあと福岡に戻って来られたのですか?

上村:東京、横浜というのは平均すると10日に1回~2回地震がくるんですね。私は地震が大嫌いで、東京、横浜は長く住むところじゃないと思っていたのです。

子供が来年から幼稚園に行かないといけないなという頃になって、やっぱり地震のないところで仕事をしたいとそう思うようになりました。ちょうど仕事のノウハウを覚えてしまったのと同じ時期でした。それで地震の少ない福岡に越してきたのです。そうしたら今度の地震でしょう。もうビックリしました。

内海:戻って来られて独立されたのですか?

上村:はい。昭和51年2月に九州に戻ってきました。私の故郷は熊本なので、最初は熊本でずっと探したのですが、デザインの仕事というのは、熊本にもあることはあるのですが、いい仕事はほとんど福岡でやっていたのです。それなら福岡に行かなきゃ!ということで、福岡に行くことになりました。

福岡に来ましたら、以前勤めていたデザイン会社の取引先の支店がございまして、そこにちょっと顔をだしたら「聞いているよ!」「うちの仕事をこれからやってよ!」と大変有難いことに仕事をいただいたのです。

内海:それからずっとSPプロモーション関係の仕事をずっとされたのですね。似顔絵の名刺は、どういうきっかけで描かれることになったのですか?

上村:似顔絵の名刺を描き始めてもうすぐ1000人になります。まあよくぞ描いたと自分でも思いますが、これが日本中に散らばってましてね。たとえば東京でどこかの異業種交流会があって、そこで名刺交換すると「あれ貴方も似顔絵?」「貴方も?」とお互いにその話に花が咲いちゃうらしいです。その会場に5人も6人も私が描いた似顔絵の名刺を持っている方がいたりして・・・これが大変嬉しいですね!

内海:同じ志しを持った人が集まるようになっているんですね。

上村:そのようですね。それで「上村の名刺を持っている同士で一度集まろうよ」「上村も呼ぼうよ」ということにどうもなっているらしいです。そのうちお声がかかるかもしれませんよ(笑)

この似顔絵名刺が面白いというのは、本人の特徴を2倍も3倍も誇張するところですね。写真より、本人より似ているというような言い方をされる、これがデフォルメというスタイルなのです。これが面白いのです。

 まず名刺を差し上げるともらった方はニヤっと笑われる、あるいはケラケラ笑われるんですね。人が笑ったっていうことは「貴方に対して拒絶反応は無いよ、いつでも何でも話してくれ」と言う状態なんですね。だから話しがスムーズに入るのです。似顔絵の横に「俺はこういう人間なんだ」というキャッチフレーズを一言必ず入れさせてもらうんですが、それがつくことによって似顔絵とキャッチフレーズがその人のアイデンテティアートになっちゃうんですね。そうするとその人のよさがすぐにわかる、わかると警戒心を解いてしまうのですね。だから似顔絵を名刺に入れてくれと言われる理由がだんだんわかってきましたね。

ここでまたおもしろい事を発見するんですが、男と女の反応がまったく違うんです。どう違うかと言うと女性から似顔絵名刺を頼まれるのは9:1の割合なのですが、女性に「はい似顔絵できました」と言うと、しばらくじっと見て、「ウソー私こんなブス?」といわれるのですね。「似てませんか?」「うーん・・・」「じゃあとにかくうちに帰ってみんなに見せてみる」・・・数日して・・・「似顔絵を見せたら何とかさんが全然似てないねって言うのよ」と人の言葉を借りて拒否反応をされるんですね。こういう方が多いですね。でもそう言われる方に限ってそっくりにできているんですよ。(笑)


それからそういう事が何回もあるものですから、これは「いかんな」と思って実物より2割から3割、美しく描く様にしたんです。これで大体解決するようになりました。それでも「似てない」と言う方がいらっしゃるのですが、その場合は5割近く美しく描くんですね。実物よりみんな美人になっちゃう。男は少々誇張しすぎても「あっありがとう、似ているね」とあっさり言われるんですね。この違いはとてもおもしろいですね。

内海:当社も全員描いていただきましたが、「いやぁそっくり」と思って本人に渡すと、「いや自分じゃない」と言う者がおりましたね。どう見てもそっくりなんですがね(笑)。私どもが「ちょっと違うかなっ」て思って本人に見せると「いやぁそっくりだぁ」なんてこともありましたね。しかしだんだん最後は馴染んでくるんですね。不思議ですね。

似顔絵名刺を飲み屋さんで配ったときに、これほどウケたことはなかったですね。ちょうど私の場合は裏側を免許証の形にしていただいているので、「何の職業なの?」と聞かれたときに、「それを見て何かわかりませんか?」と言う話しが次から次へ展開されていくんですね。

内海:その人が持っているパーソナルアイデンティティを絵や言葉にされるというのはどういうプロセスで作り上げていかれるのですか?

上村:やっぱりその方とお話しすることですね。遠方の方はその方がいままで歩いてこられた道だとか、座右の銘や趣味などを直筆で書いてもらって送ってもらうんですね。そうすると「あっこういう人かな?」と探り出しまして、「三つか四つ、どのキャッチフレーズが好きですか?」と送るんですね。そうすると「これが好きです」とおっしゃるんですね。

内海:今回今までとは違う別の名刺を作ろうと思って、ある業者に写真と似顔絵を送りましたところ、絶対に似顔絵を使ったほうがいいとおっしゃるんですね。私は写真がいいだろうと思っていたのですが・・・。

そのときのキャッチフレーズが「出会いをひろげる」という言葉だったのですが、最近口ぐせとして使っている「ハピネス」という言葉を手書きで変更してもらったのですが、似顔絵とこのキャッチフレーズの文字(形)がまったくあわないんです。やっぱり上村社長の字じゃないと絶対駄目だって思いましたね。あの一体感は何なのでしょうか?!

上村:そうですね。私の字は字じゃなくて絵なんですね。字も絵のうちなのです。

内海:だから他の方に「ハピネス」と書いてもらった途端にバランス崩れてしまったんですね。

上村:さっきおっしゃた口ぐせはいいですね。常にプラス思考の行動をして、プラス思考の言葉、それが口ぐせになって、それが人の人格そのものになっていくんでしょうね。その方が現れただけでその方がプラス思考だと何となくわかってしまうんですよね。

内海:そうですね。それで自分自身を磨きをかけて、会社も一緒に磨きをかけていきたいと思いますね。名刺1枚だけで、接するお客様に何か楽しいことを伝染させてあげたいという、そういう意味で上村社長が描かれている絵はいつもHAPPYなんですね。

上村:ありがとうございます。昔は筆なんて持っていなかったのです。格好いいデザインばかり描いていたのですが、それが似顔絵を描くことから、筆でひょろひょろ、字とか絵を描き始めたのです。それが意外と評価されることになったんですね。それからこれは面白いかもしれないと思って、依頼をされた色んな仕事を筆を使って描くようにしたのです。

デザインの仕事もコンピュータの時代に変わった時期がありまして、その時期を乗り越えたデザイナーはあまり残っていないんですね。コンピューターに仕事をとられてしまったんです。私がとられなかったのは手書きだったからなんですね。アナログでずっと作り続けていたのが良かったみたいです。コンピュータを導入してそれでドンドン仕事をやっていたら、私は生き残っていないかも知れませんね。ですから大変有難かったですね。

内海:アナログは味、人間の温かさですね。それはコンピュータでは伝えきれないものですね。

上村社長からニュースレターの感想を毎回FAXで、タイムリーな言葉をいつもいただき、温かく読ませていただいています。「ありがたいなぁ」とスタッフの皆といつも話しているんです。だから今回、ニュースレターのヒューマントークにぜひ上村社長にご登場していただこうと・・・大変ありがたいです。

色んなパンフレットとかもお作りになられていると思いますが、そこの企業が持っているものをアナログでビジュアルにするというのはどのようなことに注意されているのですか?

上村:今私のクライアントは飲食関係、飲食部門を持っている企業の仕事が多いのですが、コンセプト作りから始まって将来の展望まで作り上げていく、そういう仕事が最近増えていまして、一番最初から関われるというのはこれはとても嬉しいことです。社長の考えもわかっている、どうしたいかもわかっている。それを絵にしたらこうなるのではないかとかがよくわかるんですね。

飲食関係で来てほしいお客様はどういう人かつきつめていくと、なんと50歳台の女性なんですね。団塊の世代の奥様方ですよ。この人たちが一番好むのは、温かさであり、手触りであり、アナログなんですね。だから筆のアナログの方がうったえやすいのです。コンピュータで作ったチラシをこの方たちに呼びかけても反応がないんですね。

内海:今後、ヒューマングループも色んなビジネス展開をするときには、最初から上村社長にご相談をしないといけないですね(笑)。


上村 禎彦様 プロフィール
開運絵師
有限会社アドポップ 代表取締役


朝永のつぶやき

最後まで読んでいただきありがとうございます!ここからは、今回のトークの感想をまとめたプチコーナーです(^o^)

今回のキーワードは、タイトルにも登場している”アナログ”ではないでしょうか?

インターネットやデジタルが発達している現在、手書きの文字や絵を見ることは少なくなったように感じますね・・・。

しかし、デジタルが発達しているからこそ、アナログで作られたものに触れたときにより人間の温かさを感じられるようになった気がします!

実は上村様が描かれた絵を見ながらこの文章を書いているのですが、力強い文字や線と絵の具ならでわの色彩にとっても心が癒されています(*^-^*)

皆さまも、ときどきPCやインターネットから離れてアナログのものに触れてみるのはいかがでしょうか?

電子書籍ではなく、実際に本を手に持って読んでみるのも”アナログ”に触れるということになるのかもしれませんね!


それでは今回はこの辺で!また次回お会いしましょう♪



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