砂糖(糖分)と精神病
砂糖と言われると、お菓子やアイス、その他にも料理の味付けなどにも利用されています。
砂糖と精神病と聞いて、「何か関係あるの?」と言われそうですが、無くも無いようです。
ある研究から、驚くことが確認されています。
1.砂糖って何?
砂糖とは植物から取り出されたショ糖(スクロース)を主成分とする甘味物質です。 精製糖や含蜜糖など、砂糖にはいろいろな種類がありますが、すべて同じショ糖が主成分。
化学上はショ糖とも呼ばれています。
ショ糖は、ブドウ糖+果糖から成る二糖類のことです。
2.精神病とは
精神病とは、簡単に言いますと、精神の働きに内因的(心理的)あるいは器質的な障害(脳の実質・機能的障害)のあること。
統合失調症や双極性障害などの精神病は、若い世代でも発症することも有り、遺伝的な要因とその人自身を取り巻く様々な環境要因が重なって発症すると考えられています。
3.砂糖と精神病の研究
国立精神・神経医療研究センター(NCNP)と東京都医学総合研究所の研究グループは、思春期における砂糖の過剰摂取が精神疾患(今回の研究では統合失調症と双極性障害)発症の新たな環境リスク要因となりうることを、新たなマウスによる実験研究で実証したと発表しました。
砂糖を過剰摂取させたマウスの実験では、
・砂糖の過剰摂取は、背景に遺伝的リスクを伴うと、成長後の脳機能に影響を与えることが示された。
・脳の毛細血管内皮細胞、ミクログリア、アストロサイトなどの非神経細胞群が異常所見を呈していることも判明した。
・マウスの血中から脳実質へのグルコース(ブドウ糖)輸送が障害されていることも確認された。
・亡くなった統合失調症や双極性障害の患者の脳を調べたところ、砂糖を過剰摂取したマウスと同様に、脳の毛細血管に炎症(糖代謝異常、炎症の所見)が起こっていたことが確認された。
グルコースの取り込みが低下することで脳の神経細胞に栄養が行き渡らず、精神疾患を発症している可能性があるとみています。
また、これらの結果から研究グループでは、細胞群の障害に伴う脳のエネルギー不足が、行動異常につながる神経細胞の不調を招いたと推察されると説明されました。
これまで精神疾患と脳の毛細血管の炎症との関連はわかっておらず、研究成果は新しい治療薬の開発や予防に役立つと期待されているようです。
4.私の経験的な視点から
私は、精神科の患者様と多く接する中で思うことが一つあります。
それは、精神患者さんは、お菓子や、清涼飲料水、炭水化物が好きな方が多くこれらの摂取量が多いということです。
特に統合失調症や気分障害の人で多くみられていました。
砂糖や炭水化物はブドウ糖などの糖分を含みます。
糖分を摂取し過ぎるとどうなりますか? 糖尿病です。
糖尿病までいかなくても、特に砂糖や炭水化物に含まれるブドウ糖の取り過ぎは、なんらかの形で血管障害や神経に異常を起こしたり、また代謝異常を起こしかねません。
精神疾患の方には、糖尿病に罹患している方やリスクのある食生活をされている方が非常に多いです。
確かに糖分は人間の身体に必要なエネルギー源です。
糖分が足らないと私たち人間の身体や脳は上手く機能しません。
反対にうつの人は、食事量が少なく上手く脳や体が機能していないものかもしれません。
しかし、過剰になると、脳の異常をきたし統合失調症や気分障害(双極性障害)などのリスクも生じてきます。
何でも、バランスが大事です。
足らなくてもダメ、過剰過ぎるのもダメです。
精神疾患は、遺伝や、その他に仕事や学業や家庭生活の中でのストレスが原因で発症するとも言われていますが、食生活が原因で更に精神状態の悪化をたどるという方も少なからず存在すると私は思います。
私自身、精神科の患者さんに食生活の改善の必要性を説明し促してはきましたが、改善されることはほぼ皆無でした。
何故か?ある意味、食物(砂糖や炭水化物)の中毒(依存)に罹っているようなものだからです。
もうひとつ、精神薬にも満腹感が得られにくい、過食に注意を促す薬も有ります。
この辺りは、ご自分で薬のことを調べてみていただければと思います。
しかし、精神薬を否定するわけではなく、精神症状が悪い時には、精神薬は必要となるケースは多いです。
精神薬に関しては、医師と必ず相談していただきたいと思います。
まとめ
精神病と言えど、栄養面に気を配ることは本当に重要です。
何事もバランスです。摂りすぎると過剰症、不足すると欠乏症です。
これは、脳も身体も同じです。
ですから、脳も栄養面で機能しています。
「最近、何かしら分からないけど・・・・落ち着かない、イライラしやすい、落ち込みやすい、何もやる気が起きない。」などの症状がある時は、日常生活での食事と日常の過ごし方を考えてみましょう。
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