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魔法スクール!! 第2章

2 事の始まり
 
 ふう…。明理夏月、ただいま猫の美月と、おn……ではなく、幼馴染の渡辺勇樹と散歩に来ております。
 さっきはいろいろと大変だったけど……今は何とか生きてるよん。
 「ミャァー」
 ん、美月?どうしたのかな。
 「あっ。そっちは幽霊屋敷だよ!行っちゃダ…うわっ!?」
 美月に強い力で引っ張られ、あたしはつんのめりになる。
 勇樹もようやくそのことに気づいたみたいで、急いで手を伸ばしてくれて…
 「「つかんだ!!」」
 って叫んだ直後に勇樹も一緒に引っ張られちゃったんですけどー!
 「っててぇ~」
 「いってぇなぁ」
 「ニャァーン?(大丈夫?)」
 美月ぃ~。心配してくれるのはありがたいけど……。
 元はといえば、あなたのせいなんだよなぁ、w
 「おい、夏月」
 「ん?何」
 「ここ、どこだ?」
 はっと気がつき周りを見回すと、そこは知らない池が目の前に広がっていた。いや、結構広いから、もしかしたら湖かも。
 って、そんなことはどうでもいいや!まずは脱出方法を見つけないと……。
 「ニャンニャン?(これなぁに?)」
 「ん?なんだこりゃ」
 「なになに?見せて」
 美月が拾ってきたのは…なにかのカギ?ずいぶん古そうなカギだなぁ~。
 でも、なんのカギなんだろう?
 「そういえば、俺たちって美月に引っ張られて幽霊屋敷の方へ来たよな?」
 「そうだったと思う……多分」
 あ、みんなには幽霊屋敷のことはまだ話してなかったかな。
 「幽霊屋敷」っていうのは、あたしたちの学校の校区内にある大きくて不気味なお屋敷。
 昔は人も住んでいたらしいんだけど、今ではその人たち、行方不明になってるらしいの。そして、「あのお屋敷に行くと、行方不明になる。」っていううわさも広まって、いつしか「幽霊屋敷」っていう名前がついたらしい。
 でも、お屋敷の庭(?)に池・湖みたいなのはなかったと思うけど……。
 「おーい!夏月―!」
 この声は……勇樹か。(←いや、勇樹しかおらんやろ)
 って、勇樹。いつの間にあたしから離れたの!?
 美月もいなくなってるし!
 「今すぐこっち来て!妙な箱があるぞー」
 「分かったー。すぐそっち行く!」
 んもーどこにいるのよー!
 あたしはここで大事なことに気がついた。
 「あぁー!スマホ家において来ちゃったー!」
 スマホないと、勇樹に連絡できないじゃん!
 「うっせーな。お前は声がでかすぎるんだよ!」
 ……。
 え?
 下を見ると、そこにはしゃがんで耳を塞いでいる勇樹と、美月が失神してる。
 失神……?
 「あ、わわわ。美月大丈夫?」
 「……なぜ俺の心配をしないんだぁー!」
 「えっ?だって叫んでるじゃん。」
 「うぐっ」
 「それに、フツーに生きてるし、倒れてもいないでしょ」
 「……」
 勇樹は押し黙る。
 「今は失神している美月を心配しないと」
 「……そうだな」
 めっちゃ冷静だわ。我ながら。
 「あれ。でも、なんで美月失神してるの?」
 「お前のせいだろうがぁー!」
 「そうだっけ?」
 なんか勇樹に言ってるうちに忘れちゃった。
 「昔からお前は声がデカすぎるんだよ!夏月が近くで叫ぶから美月が失神してるんだ!そんなことも分からないのかよ!」
 「はぁっ?それくらい分かるわよ!」
 「じゃあ、なんで「そうだっけ?」って言ったんだよ!」
 「あたしのモノマネ似てないし!」
 「大切なのはそこじゃないだろぉー!」
 あたしと勇樹がギャアギャア言い合ってたら……。
 「ニャーン……」
 「ん?なんか今、猫の鳴き声が聞こえたような…?」
 「空耳だろ。美月は失神してるし」
 「そうだよね」
 「ニャァーン!」
 「「うわぁーっ!?」」
 この声は美月!治ったんだねー!
 って、さすがに勇樹も驚いたようで、あたしと同じく尻もちをついている。(実はあたしも尻もちをついている☆)
 ……まぁ、失神していた美月が急に叫んだらビックリするよねー。
 「ニャーン……?(これは……?)」
 「「あぁーっ!!」」
 そうだ、そうだ。あたし、勇樹に妙な箱があるって聞いてここに来たんだった。(ちょっと道に迷っちゃったけど……)
 で、口論になったんだよね。
 今、美月が見せてくれたのは……薔薇が描かれた少し不気味な箱。
 「こ、これが例の妙で不気味な箱?」
 「あぁ」
 うん……あたしたちフツーに話せてるねぇ。
 さっきまでギャアギャア言い合ってたのに……
 ま、まぁここで勇樹にこのこと言っちゃったらややこしいことになるからだまっとこ。
 「ほら、ここに鍵穴があるだろ」
 「ひゃ!」
 自分でもすごく間抜けな声が出た。
 「なんだ夏月?急に変な声出して」
 「あ、いや……なな何でもない」
 「そうか?」
 「うん。大丈夫だよ」
 「大丈夫ならいいけど……くれぐれも無理はするなよ」
 「はぁーい」
 なんか勇樹、あたしのこと心配してくれてる……?
 「いやいや、そんなわけないでしょ。だって、鬼だもん」
 「ん?なんか言ったか」
 「いえ。何でもありません」
 ふぅ。危なかった。鬼なんて言ったらタダじゃ済ませられないよ。
 「じゃあ、さっきのカギをこの鍵穴に差し込んでくれ」
 「あ、りょうかーいでーすっ」
 あたしがカギを差し込むと……
 ピカッ
 「「「うわっ!!(ニャァッ!!)」」」
 まぶしくて、目を閉じる。
 5秒経過……10秒経過……。
 「ん……。うわっ!夏月、目を開けろ!!」
 「うるさいな。勇樹は……ってえぇーっ!?」
 目を開けると、箱が開いていて箱の上にはモニターが映し出されていた。
 「な、なにこれ……」
 「お、俺も何か分からねぇよ」
 『カードをかざしてください』
 「「わぁーっ!?」」
 「ニャニャン!」
 珍しい……。美月が怖がってる。
 「っていうか、カードって何?」
 「あっ。これじゃねぇか?」
 勇樹が持っているカードには、ピンク色のふちで、名前の欄に「A・N」って書いてある。
 「これは……イニシャルなのかな?」
 「おそらくそうだろうな」
 「名前、A・Nってあたしのこと?」
 つまり……。
 明理=A
 夏月=N
 ってこと。
 「だったらヤバいな」
 「えぇーっ!」
 こ、こんなカード、人生で一回も、見たこともないし、触ったこともないよ!
 『カードをかざしてください』
 「うわ。いちいちびっくりさせんなよ」
 勇樹がビックリして肩を震わせる。
 っていうか、うるさいんだけど……
 「ニャンニャンニャ?(カード、かざしてみたら?)」
 「う、うん」
 ゴクリ
 ちょっと怖いけど、やってみるしかないっ!
 「えいっ!!」
 ピコン
 『カードが読み取れました。今から、「魔法の世界」にワープします』
 「「魔法の世界!?」」
 何それー!
 あたしたち、どうなっちゃうのー?
 驚くのも束の間。あたしたちはまばゆい光と共に魔法の世界へとワープしてしまったんだ。
 

あとがき
長かったですよねww
文字数がえぐいことになってましたわw
昨日短かったくらいなのにーw
じゃあ、お疲れだと思うので、これで終わります!
熱中症にはくれぐれも気を付けてください!
                         椿井咲希夏


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