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(第19回) 子どもの肝臓のサイズを決める!小児生体肝移植の話 後編

(第18回) 子どもの肝臓のサイズを決める!小児生体肝移植の話 前編からの続きです。

前回のお話で、
・小児の肝移植は多くが胆道閉鎖症のお子さんで、とても小さい時期に肝移植なる可能性があること。
・肝臓移植には、適切なサイズがの肝臓を移植する必要があること。
・これまで用いられていた肝臓のサイズの計算式が、大人を含むもので小児特有のものではなかったので、新たに100人の子どものCTを検討してみることにしたこと。
をお話しました。

前回子どものCTの画像から


3Dで構築した肝臓

こーんな肝臓を作りました。この画像を作ると自動で「〇〇ml」と表示されます。
こういうのをVolumetory(体積計測)といいます。
でもこれって、「体積」ですよね。「重さ」じゃない。
肝臓は水とほぼ同じ比重で、1ml = 1gとしていいという論文があるにはありますが(Thiel DH et al. Gastroenterol 1985; 88: 1812-7)。
まず前提として、このVolumetoryが正確なのかを知りたい。

ということで、
肝臓を全部取り出す前のお子さん17人に前もってVolumetoryを行って、このAZE社製
Virtual Place Advance 300を使用した自分のVolumetoryが信用できるものかどうか、試してみました。


実際の肝臓のサイズとの比較

超正確!!
y = x ±0 が理想ですから、かなり近い結果です。
いやー。嬉しかったですね。
ちなみにこれ、もちろん正解がわかって3D構築しているわけではありません。
術前に「予想重量は〇〇グラムです」って言っておいて、摘出した肝臓のサイズが測りにかけられるのを、(あってるかな…)と思いながら見ていました。

では、本番の100人検討です!

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