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2章 絵画 1、デッサン (芸術の書 断片)

2章 絵画

1、デッサン

 絵画について語るということで、まず、絵を描く者にとって最初に体験する。デッサンについて語っていこうと思います。絵画は、タブローとしてできる前に、下絵やアイディアを描く場合にデッサンするという。また、デッサンができることを、よくモチーフを見てとらえているという言い方もします。デッサンは絵の下絵というイメージもあれば、世界を広く見ている。世界のとらえ方というと、かなり大きいのですが、世界とは、その絵の世界ととどめるのなら、四角形のもしくは、長方形のキャンバスに世界を描く、そこにデッサンをしていく、ペンや鉛筆で画用紙に世界を描いていく。そして、ペンと鉛筆は、線で、線描で形や世界、絵を構成、作っていく。そこが基本になっているのです。
デッサンの線は、一つの線を描き始めたところから、物語が始まっていくのです。世界は一つの線が源流となって、絵が始まっていくのです。デッサンとは神秘的なものです。線を一本描けばそこで作品ができるのだ。それは、美の確信でもある。
 画家が本当に感じた。制作の中で感じた世界がそこに再現されてくる。そして、デッサンはすごく具体的である。具体的というのはモチーフを正確に描いて具体的というのではない。絵画としてキャンバスに点を一つ打つにも、線を絵筆で描くだけでも、そこで世界が、宇宙ができるのである。
 デッサンはそういう意味で、宇宙を作りし神が、創造する時のことを画家がやっているのである。画家は絵を描いているときには、創造者のように天地創造をやっているのである。
 デッサンは先ず、点からはじまり、線となる。それは神秘的なものである。なぜなら、人間に神の面影があり、それが天地創造の記憶を感じているからであります。
 神と人間、あらゆる生命に神の子としての宝の可能性がすべての存在に内包している。それをよみがえってくるからです。人間には、自由意志と、創造の自由が神より与えられている。それを一番実感するのが、絵を描いているときであり、芸術創作をやっているときなのかもしれません。
あと、デッサンの一般的な考え方に、静物などの瓶や果物の厨房画や、風景、人物の形を描くことをデッサンすると言ったりします。デッサンは、物や形を描くことをデッサンと言ったりします。あと、その他の抽象のデッサンもあります。何が言いたいかというと、あらゆる森羅万象の存在を、画用紙もしくは、キャンバスに描く世界を作っていくのがデッサンするという、目に見えるものでも、目に見えない観念の世界も線や点で形を具体化するのもデッサンと言います。
 なので、デッサンは翻訳する言葉であります。絵の言葉、ある事象、モチーフを画用紙、キャンバスに絵として翻訳する。そこには、画家の心が込められています。デッサンの線には、画家の思考の記録があるのです。
 絵を描く線描の流れには画家の精神状態が線描と一体となっています。絵は、筆の流れや、タッチの中に画家の精神の記録であり、思考が刻印されています。ここで、デッサンとは、点から始まり、線となり、いろんな世界を形にしていくことができる。
 現象における世界を再現することも出来れば、観念の世界を画用紙、キャンバスに表出させることができるのです。そして、デッサンは神のごとくの創造することであります。


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