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バレンタイン前に…気分高まる恋愛映画

2月は、SYOがピックアップした“バレンタイン前に観ておきたい”日本映画『きみの瞳が問いかけている』『ちょっと思い出しただけ』の魅力を3ポイントに分けて紹介。

バレンタインとは、胸に秘めた“愛”を伝えやすくなる日

日本におけるバレンタインとは、「愛を伝える日」――もっというと「愛を伝えやすくなる日」ではないだろうか。何でもない日に唐突に伝えるより、「みんなそうだから変じゃないはず」とイベントに乗っかってちょっと勇気をもらって、「あなたが好きです」と初めて/改めて言えるようになって……。或いはバレンタインに向けて、告白の準備を始めている方もいるかもしれない。今回はそうした気分を高めてくれたり、或いは失敗しないための学びにもなる日本の恋愛映画を2本、オススメしたい。孤独な青年と盲目の女性の恋を切なく描く『きみの瞳が問いかけている』、別れてしまった男女の6年間を逆再生する『ちょっと思い出しただけ』だ。

逆境を超える愛を描く『きみの瞳が問いかけている』

©2020 「きみの瞳が問いかけている」製作委員会

吉高由里子と横浜流星という旬の俳優がW主演を飾った『きみの瞳が問いかけている』は、“運命”を信じたくなるエモーショナルな恋愛映画だ。事故で視力と家族を失った明香里(吉高)に偶然話しかけられた元キックボクサーの塁(横浜)。過去に犯した罪を悔いて生きる孤独な塁は、屈託ない明香里に惹かれていく。しかし過去から連なる因縁が二人の前に立ちはだかり……。バレンタインに背中を押されたとて、「自分の気持ちを伝えるのは怖い」と思ってしまう方もいることだろう。でも言わなければ伝わらないし、伝えなければ次のステップには進めない。想いを相手に伝えられないつらさ/伝える覚悟の両面を描き、吉高と横浜の感情を揺さぶる名演で純愛の美しさを真っ直ぐに伝える本作を観ることで、迷いがちな心に恋愛スイッチがしっかり入ることだろう。

破局回避の一助になる『ちょっと思い出しただけ』

© 2022『ちょっと思い出しただけ』製作委員会

池松壮亮と伊藤沙莉が共演した『ちょっと思い出しただけ』は、1年間の同じ1日を遡ることで、カップルの別れと出会いを逆行していく物語。はじめから結末がわかっているぶん幸せそうな2人を観ると切なくて仕方なくなるが、逆にこう考えてほしい。「恋愛で失敗しないために、本作から学ぼう」と。まずは告白の仕方。劇中ではカッコ悪くも素直で、かつリアルな告白シーンが描かれ、「大事なのは気持ちがちゃんと伝わること」だと教えてくれる。例えばバレンタイン当日、いざ告白しようと意気込んでいてもスマートにいかないことだってあるだろう。そんなときにメンタルを保つためにも本作は有効だし、「なぜ2人は別れてしまったのか?」を自分に置き換えて検証することで、破局の回避ルートも考えられる(デートプランの参考資料にも!)。恋愛で後悔しないための教材となる要素が詰まっているのだ。

Text/SYO

『きみの瞳が問いかけている』もチェック▼

『ちょっと思い出しただけ』もチェック▼

SYOプロフィール
1987年福井県生。東京学芸大学卒業後、複数のメディアでの勤務を経て2020年に独立。映画・アニメ・ドラマを中心に、インタビューやコラム執筆、トークイベント・映画情報番組への出演を行う。2023年公開『ヴィレッジ』ほか藤井道人監督の作品に特別協力。『シン・仮面ライダー』ほか多数のオフィシャルライターを担当。装苑、CREA、sweet、WOWOW等で連載中。TwitterInstagram「syocinema」