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2023年は、noteをスタートします

はじめまして、株式会社HUISの代表の松下昌樹と申します。

2023年心機一転スタートして、表題のとおり今年はnoteをスタートしました。
HUISでは、Instagramを中心にフェイスブックやLINE@、ウェブサイトで情報発信をしてきてきましたが、昨年2022年に重い腰を上げてTwitterをスタートしました。

僕自身はTwitterがどうしても得意な分野ではないというか苦手な気がしていて重い腰だったわけなんですが、HUISのTwitter発信はスタッフのみんなで好きに楽しくしてもらっています。
個人でも同時にスタートして少しつぶやいてみたりをしているのですが、なにぶん文字数が足りなくて困ることが多く、相変わらず全然使いこなせないな、と思っています。

一方でインスタグラムでたまに文字数制限ギリギリの長文を書く、ということをしているのですが、なかなかこちらがTwitterで紹介しづらく、いっそ個人の言葉でnoteで書いていこう、というのが2023年noteをはじめてみることにしたきっかけです。

まずは、最初の投稿ということもあって、HUISについてかんたんにご紹介させていただきたいと思います。その後、今年の所信表明のような内容をまとめられれば、と思います。

1.HUIS(ハウス)ってどんなブランド?

2014年にスタートしたHUIS(ハウス)は、静岡県の西部・浜松市を中心とした地域で生産されている「遠州織物」という生地を使ったアパレルブランドです。

■HUISウェブサイト
https://1-huis.com/


遠州は、主に綿(コットン)生地の産地で、シャツ生地などの洋服の生地が作られていて、限られた海外のハイブランドなどが使ういわゆる“超高級生地”が作られています。高級生地に特化したアパレル向けの綿織物の産地という感じです。ちなみに、今は麻(リネン)織物も多く作られています。

細番手&高密度生地を作ることができるのが遠州の技術であり、特に織機の中で最も古い織機『旧式のシャトル織機』が国内で最も多く残る産地です。
機織りの世界は、昔の織機になればなるほど扱いは難しく、技術が必要になります。一方、旧式の織機で低速に織れば織るほど、糸に遊びのある状態で柔らかく織り上げていくため、抜群の着心地と風合い、その他機能性が生まれます。
そして、細番手になればなるほど、かつ、高密度になればなるほど、織るのは難しくなります。

つまり、旧式のシャトル織機を使い、細番手&高密度の生地を織るのが最も難しい生地なのです。この大変難しい規格の生地を、最高級の糸を使って織るのが遠州織物の特徴です。けっこう綱渡りのような生地です。
こうした技術があるから、織るのが難しい麻(リネン)織物も現在たくさん織られるようになりました。リネンはここ数年、ほんとに需要高いですからね。

とはいえ、BtoBに特化して流通する中間材であるところの「遠州織物」はほとんど知られることがありません。今は規模も縮小し、特別な技術を持った機屋さんだけが残っている産地です。

遠州に住む地元の人も「遠州織物」がどんな生地なのか、どれほど価値のある生地なのか、知っている方は実はほとんどいません。僕自身も浜松市出身で、過去には10年以上行政職員として働いていた経験がありましたが、浜松で育ち、行政の業務に携わっていたにも関わらず、恥ずかしながら「遠州織物」の価値を知ることがありませんでした。

今の若い方だけでなく、おじさん・おばさんと言われる世代まで知らないのです。今、学校に通う子どもたちにも、このままではまず知られることはないでしょう。

そういう中で、遠州に残る貴重な織機、機織り職人さんたちの他にはない技術、そして遠州織物の価値を、洋服というものづくりを通してお伝えしているのが「産地発ブランド」としてのHUISの役割だと思っています。

冒頭紹介させていただいた、“超高級生地”というのが一体どういう生地なのか?というのは、「HUIS JOURNAL」という冊子につらつらとまとめています。
興味のある方はぜひご覧になってみてください。

■HUIS JOURNAL
https://1-huis.com/cms/wp-content/themes/HUIS/pdf/huis_journal.pdf

「HUIS JOUNAL2」という続編もあります。こちらは、また次の機会に。

2.遠州産地のまったなしの現状

HUISを応援していたけるみなさまのおかげで、昨年も遠州織物が持つ生地の特別さ、積み重ねられた技術の素晴らしさを、多くの方に知っていただくことができた一年でした。

先月12月14日には、東京駅前「丸の内ビルディング4F」にできたグリーン&インテリアショップ「garage TOKYO」さんの中に、「HUIS東京ショールーム」をOPENすることができました。

年末年始には、遠方より旅行や帰省がてら東京ショールームにお立ち寄りいただけたお客さまも多くおられたとお聞きしています。2023年も、こうしたご縁をいっそう大切にしていきたいと思います。

一方、産地に目を向けてみると、原料の高騰や、職人の高齢化、事業者の廃業など、遠州産地は今まで以上に苦しい状況に直面しています。2022年の1年間でも、こうした状況はより深刻化してきました。

遠州産地と共にあるHUISとして、2023年はこうした産地の維持に寄与できる活動に今まで以上に関わっていければと考えています。

「ガチャマン景気」と言われ、遠州の繊維産業が旺盛を極めた過去のような時代に戻ることは難しいと思います。でも、その時代から受け継がれた、素晴らしい技術、今なお残る貴重な織機が、少しでも維持されるよう。

廃業した時点で、技術も、織機も、消えてなくなってしまいます。毎年、また一つ、また一つと灯火が消えていきます。少しでも、遠州織物に関わる事業者さんたちが、事業を続け、受け継いでいこうと思えるような光を生み出せる一年になればと考えています。

3.株式会社糸編・宮浦晋哉さんのこと

こうした想いを基に、以前から国内のさまざまな産地の振興に取り組まれている株式会社糸編の宮浦晋哉さんを今日はご紹介させていただきたいと思います。

アパレル業界、そして国内の繊維産地に精通され、各産地のほか経済産業省からの事業なども請け負う、今、日本の繊維産地にとって光となるような方です。

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■株式会社糸編・宮浦晋哉
デザインと技術のマッチング、デザイナーズブランドの生産サポート、繊維産地の活性事業、各種コンテンツの企画制作などを行う。2016年名古屋芸術大学特別客員教授。 2017年、繊維・ファッション業界での人材育成を目指す「産地の学校」を開校。2020年以降、国内テキスタイルのプラットフォーム事業「TEXTILE JAPAN」、テキスタイルの輸出、新規事業支援などを行う。

https://www.instagram.com/secorigram

■産地の学校
繊維産業・テキスタイルについて体系的に学ぶ場として、2017年5月にスタート。就職、転職、企画、生産、起業、あらゆるジャンルにおいて、これから糸偏産業と関わっていく上で、必要最低限の専門知識や生産背景を知ることは、解像度をあげる手助けをしてくれます。しかも、それらの知識は体系的に効率的に学ぶことが重要です。「産地の学校」のプログラムは、繊維・アパレル業界に新しく入る方、深く関わろうとする方にとっての窓口を担います。

https://www.instagram.com/sanchinogacco
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2017年に産地の学校がスタートするまで、アパレル業界においてこうした産地のことを体系的に知る窓口になるものはありませんでした。
その結果、繊維産地とアパレル業界が遠く切り離された、今のいびつとも言える構造が進んできました。宮浦さんのこの活動が、今の若い世代のデザイナーや、繊維関係企業にさまざまな影響を生み出しています。

HUISでは、昨年末、桐生産地、そして播州産地にもお伺いし、“産地発ブランドのブランド戦略”というテーマでセミナー講演をさせていただきましたが、こちらのお話は宮浦さんからご依頼いただいたものでした。

HUISという産地ブランドの事例から、他の産地の活性化につながる可能性を感じてくれてのお話でした。今年は同様の視点から、遠州産地と尾州産地の交流事業も予定しています。

宮浦さんは、現在も遠州産地に数多く足を運んでくれていて、いろいろな振興事業に携わってくれています。
これまで支えてきてくれた産地の繊維関係者の方々と、新しい時代を担う若い世代とをつなぐ、新しい取り組みができればと考えています。

※画像は「産地の学校」リポスト画像ですhttps://www.instagram.com/sanchinogacco


なかなか多忙な時間から解放される瞬間が少ないのが現状ですが、今後も思うことを少しずつ残していきたいと思います。

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