竜とそばかすの姫 雑感
なんで最後の場面ですずを一人で行かせるんだ、という感想が溢れているが、あの場においてはすずだけがあちら側の人間だからではないか。あちら側とは、他人のために無条件で自己を犠牲にできる側。銀河鉄道の夜におけるカムパネルラの側。カントの定言命法を体現する側。自ら素顔を晒して歌うことで母が同じ境地に至っていたことを身をもって知るシーンは実に感動的だと思う。
一方で、そうでない側の人たちが批判的に描かれている訳ではない(むしろ肯定的に描かれている)というのも重要ではないか。他人事のよ