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【18冊目】「学力」の経済学

タイトル

「学力」の経済学

【著者】

中室牧子

【読む目的】

根拠のある教育方針を知りたい

【感想】

教育経済学者の中室さんが、皆が悩む子育てのあれこれについて、エビデンスに基づく回答をしてくれました。

この本の魅力は1章に詰まっています。
『教育経済学者の私が信頼を寄せるのは、たった一人の個人の体験記ではありません。個人の体験を大量に観察することによって見出される規則性なのです。』
世に溢れる教育のTipsは、個人の経験に基づくものが多く、どれを信じて良いのか分かりません。
その点本書はアメリカ等での研究結果を元にした考えが記載されているため、信頼度は高く思えました。

肝心の内容ですが、特に印象に残った内容が2つありました。

1つ目は、子供にご褒美は与えた方が良い、ということです。
すぐに得られるご褒美を用意することで、子どもは勉強を後回しにせずすぐやってくれるというのです。
また、ご褒美はテストの結果などの「アウトプット」ではなく、宿題や読書などの「インプット」に与えるのが効果的ということでした。
目からウロコの考え方ですが、想像してみると大変共感できるのではないでしょうか。

2つ目は、むやみに子どもを褒めない方が良いということです。
実力のないナルシストを育てかねないという恐ろしい忠告がありました。
ただ、褒めてはいけないということではなく、褒める際は能力ではなく、具体的に子どもが達成した内容を挙げることが重要ということでした。
例えば、「今日は1時間も勉強できたんだね」といったイメージです。
こちらは色々な媒体で近しい内容を聞くことも多く、スッと理解できました。

その他にも、
・ゲームは1日1時間程度なら問題ない
・「子供の勉強を見る」など手間ひまのかかる関わり方は効果が高い
・子どもへの投資は小さいうちに行うべき
・非認知能力が重要
など気になる情報が満載です。

自分が子どもを育てるうえで、妻とも相談した上で、本書を参考に子どもが勉強してくれるような仕組みづくりを考えたいと思いました。

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