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【12冊目】会計クイズを解くだけで財務3表がわかる

【タイトル】

会計クイズを解くだけで財務3表がわかる 世界一楽しい決算書の読み方

【著者】

大手町のランダムウォーカー

【読む目的】

 決算書の読み方を理解する

【感想】

初心者でも財務諸表をある程度理解できる本です。
図がふんだんに使用され、実際の会社の財務情報を元にしたクイズで楽しく学ぶことが出来ます。

貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書の順で解説していました。
例えば貸借対照表は、どういったものなのかの簡単な説明の後、メルカリとブックオフの比較問題を通して理解を深めます。
2種類の貸借対照表の図を見て、どちらがメルカリなのかを登場人物と一緒に考えます。
メルカリは固定資産が非常に少ない貸借対照表でした。
リアル店舗が必要なく、メルカリに現金が集まりやすいビジネスモデルのためこのような表になるということでした。
このように、財務諸表と共に様々な大手企業のビジネスモデルも学べるお得な内容でした。

特に印象に残ったのはキャッシュフローの解説でした。
キャッシュフロー計算書には全部で6パターンあり、例えば営業活動がプラスで投資活動と財務活動がマイナスの場合、健全型に分類されます。
本業で得た資金を投資や借入金の返済に回しているという訳です。
こんな例もあるのかと感心したのが、クイズに登場したsansanのキャッシュフローです。
損益計算書が赤字にもかかわらず、キャッシュフローはプラスで、健全型でした。
これは、売上のメインである企業向け名刺管理サービスが、1年分の前払いというのが理由です。
赤字の理由は拡大期の先行投資という背景も説明されており、利益の善し悪しだけで会社を判断できないと再確認しました。

この本は読み終わってからが本番だと思います。
本を通してどのような視点で財務諸表に向き合うかのエッセンスが得られたはずです。例えばこの会社は同業他社よりも販売管理費が高いけどなぜだろうなど、ビジネスモデルにも踏み込んだ視点で、今後は読み込んでいきたいです。

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