20240402 晴れ
あっという間に年度が変わり、桜も咲き始めた。
週末ごろから見ごろだろう。
母の本。
「すごいトシヨリ」(池内紀、川本三郎)
「野良猫ケンさん」(村松友視)
「僕の美術ノート」(原田治)
野良猫ケンさんを一番早く読み終えたらしいので、やはり村松友視が好きなのだと思う。
私が読んだ本。
「本は眺めたり触ったりが楽しい」(青山南)
おもしろく読んだつもりでいたが、読み終わって5日ぐらいたった今、もう内容を忘れてしまっている。
何年も何十年も覚えている本は限られている。
「私のことだま漂流記」(山田詠美)
三分の二ぐらいのところまできているが、たぶんこれ以上読まないなと思う。
毎日新聞日曜版の連載だそう。最初のうちは涙さえ流しながら読んでいたが、なんだか同じような話が続き、正直に言って飽きてしまった。
大江健三郎の「新しい人よ、目覚めよ」がもうすぐ終わる。
この本は、これまでに読んだ小説の五指に入ると思う。
それで、ほかの4冊って何かなと考えたら、「ボートの三人男」「マノン・レスコー」「中上健次のどれか」「夜と霧」が頭に浮かんだ。
母がここ数日来、耳がぼーっとするというので、昨日耳鼻科に乗せていった。
耳に水がたまっていると思われる、薬はほかにたくさん飲んでいるから新しくは出せない、様子を見て治らないようなら鼓膜を小さく切開して水を抜く、と言われた。
母、切開すると聞いて心折れたらしい。ボーっとしたままでいいという。
ほぼ半日仕事の診察に疲れ果て、疲れると弱気になる母は「どんどん悪くなっていく一方だ」と泣いていた。
そうだろうと思う。
次から次へと不具合が現れ、何かしら治療の連続だ。
でもこのままだと、ただでさえ会話がしづらいのにさらに聞き取ってもらいにくくなる。
難聴が私が母と付き合う上での一番大きな問題だと思う。
どうしてもイラっとして、大声を出して、のちに自己嫌悪という同じパターンを繰り返す。
ネットで老人性難聴を調べると、あまり大きい音もかえってうるさく聞き取りにくいらしい。適度に大きめの声でゆっくり話すことが必要。
母が努力してどうにかなることではないのはわかっているが、こちらが全面的に配慮しなくてはいけないということがなかなかのストレスではある。
ほんとうに、手話を覚えようか、筆談にしようかと思うくらい、コミュニケーションが難しい時がある。
耳の遠い親さんのいる人たちは、どのようにしのいでいるのだろう。