マメルリハインコと無くなった家具

これまで我が家のマメルリハ・シャルが察する能力について投稿してきた。

教えたわけでもないのに、エンディング曲が流れるとドラマが終わったから籠から出せと主張したり、同居の人間たちの外出を察知して留守番を嫌がったりとシャルは煩わせる。

しかし電話がリアルタイムでそこにいない人と話すアイテムだと理解して着信を教えてくれたり、母の入院の時のようにいつもと状況が異なると察してお利口にふるまうこともできる。

鳥嫌いで人間の私としては都合の悪いこともあるが、シャルが賢くて助かることもある。今回はそんなシャルが状況を理解しようと静かになってしまったがその後失敗もした話である。

粗大ごみを出す

先日からマメルリハ付きの引越し準備に私と母は追われている。現在は無事に物件も決まり、引越し業者の手配もできたので不用品の整理中だ。大型ごみ、粗大ごみは依頼後すぐ回収してくれるわけではないので早めに依頼した。私が主に日中過ごす部屋で使っていたソファである。

回収日当日の朝に母とアパートの前までソファを下ろすため（稲生家は1Fではない）、身支度をしているとシャルさまが「もう起きる！」と鳴き出した。先にシャルの世話をしようとする母を遮り、〇時までに出すよう言われているソファが先に出しに行った。

いつもあるモノがないのはおかしい

ポンコツで非力な私と高齢の母でどうにかソファを運び出し、母はシャルの朝の水と餌換えを始めた。さきほど鳴いたのに後回しにされたため、シャルが怒っているだろうと思いきや、シャルは怒らず騒がず朝の世話をされていた。母に不満の意を表すためにかみつきもしなかった。

その後、洗濯後でないと始まらない籠外活動（＝放鳥）を普段なら催促するはずが、洗濯が始まらなくても騒がずに黙って待っていた。この日の朝はずっとシャルが黙っているので、私も母も気味が悪かった。

思い当たることとしては以下にシャルが気付き、様子をうかがっていたためだろう。実際にシャルは黙ってはいたものの、私や母の様子を鳥籠の壁面に張り付いてじっと見ていた（怖い）。

・いつもより私と母が早起き（ソファを指定時間に出すため）
・起きたらソファがない（シャルの鳥籠は私が日中活動する部屋にあるのでソファがないのは見える）

普段と違う事が起きたのに、私と母は外出着にならないし、化粧もしていないので訝しんでいたようだ。が、半日経っても私たちがそのままいつも通り在宅していたので、最終的にシャルは警戒をやめた。つまり「籠の外に出る！」と主張を始めたのだった。

警戒をやめて主張

籠外活動の時間になったシャルは、わざわざ座っていた母の膝の上に飛んで来て母のジーンズの上に「落とし物」をした。しかもちょっとゆるいやつ。さすがに母もシャルに対して怒った。

ソファがなくなったことによる警戒をやめたシャルが、あえて母の膝の上で「落とし物」をした・・・つまり朝から自分を優先してもらえず、かまってもらえなかったことによる報復だった。

さすがに日頃から自己中心的なシャルだが度が過ぎると私は判断し、黙ってシャルを鳥籠に戻し、籠におとなしく戻った時の麻の実も与えなかった。しばらくシャルはおとなしく黙っていたが、それから数時間してじっとしていられなくなったようで鳴き出した。母が別室におり、呼び鳴きをしているのだ。

呼び鳴きに応じてもらえないので、同じ部屋でコレを書いている私にだけ聞こえるように間隔をあけて小さく「ピッ」と鳴いている。鳥籠に視線をやるとこちらをうかがうようにじっと見ている。1回私が自分の方を見たので、シャルは今度はボリュームを上げて私に向かって鳴き出した。

インコへの罰は「無視」が正しい。私がシャルに声もかけず、視線も向けずにいたらあきらめたように悲しい鳴き声になっていった。鳥嫌いなのでそんな程度で私の心は揺るがない。ただうるさいのはイヤだ。悲しい鳴き声でもダメなら、と今度は甲高い声で鳴き出した。もう根競べだ。

シャルがまた黙ったので気づかれないように鳥籠を見ると、毛繕い中だった。私の勝ち。