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木々のある風景は好きなマメルリハ①

我が家のマメルリハ・シャルは、少し前に鳥嫌いの同居人である私により、以下投稿時に言っていた散歩という名の外出訓練をさせられた。

もちろん散歩するのは人間であり、シャルは外出用鳥籠である。シャルには外出することそのものに慣れてもらい、病院通いや災害時の避難などの不測の事態に対処してもらう必要があるためだ。


散歩の条件とルート

先日一度試みたが天気が急に下り坂になり、出かける前に大雨が降り出して延期になった。その後すぐ雨が上がるも、目的地までのルートにぬかるみができている可能性あり、念のためがその日は延期した。

近所に地域の公園をつなぐ緑道があり、平日でも午前中は通勤、通学、ジョギングする人や、犬の散歩をする高齢者などがそれなりにいる。シャル連れではリスクがある状況ため、学校帰りの子どもたちに出くわす前の昼過ぎに出発するのが望ましかった。

そして6月5日。天候条件も問題なく、昼過ぎにシャルの外出訓練をすることになった。

外出用鳥籠はイヤ!

まずはシャルを外出用鳥籠に入れなくてはならない。ところが、シャルは外出用鳥籠が大嫌い。ちょうど1年前の引越しの時以来、まったく入ってない。

嫌がるだろうなあ、と思いつつ入れようとしたら案の定以前より抵抗が激しかった。私も手を相当かまれたし、最後は母が手袋をはめた手でシャルを掴んで外出用鳥籠に入れた。

外出用鳥籠の中に入れられてしまったシャルは、急に不安でいっぱいの顔になった。そんなシャルに母と私は「近くまでちょっと散歩して帰って来るだけだよ」と再三優しく説明した。もちろん不安気な表情に変化はない。

出発前の不安気なシャル

恐怖から興味へ

外出用鳥籠の中でシャルは無言の抗議の恰好(ひっくり返って鳥籠内に張り付く)になった。「すぐ帰るから大丈夫」と私たちは声をかけながら家を出た。

シャルはしばらく体勢を変えずに抵抗していたが、5分程度で緑道に着いて、木々の合間から木漏れ日がさすようになると、外出用鳥籠の床に下りて上を見上げ始めた。

身体は緊張で細いままだったが、おそらく初めて見るのであろう高い木々をまじまじとシャルは見つめていた。その間一言も鳴かなかった。

緑道内にある東屋に着くと、私は外出用鳥籠用のバッグからシャルが入っている外出用鳥籠本体を出して、周囲の風景が見えるようにした。新緑の季節で、草木の鮮やかな緑色が青空に映えていた。

この風景を見せたら、急にシャルが脇をひゅっとあげた。嬉しい時のしぐさである。目も先程と比べると穏やかさを取り戻して、周囲を楽し気に見ている。母がそこでごほうびのお弁当(麻の実)を与えると、思いがけなかったらしくまた脇をあげて喜んで食べていた。

ちょうど目の前に低木のはずなのに人間の背丈くらいの高さになっているガクアジサイが、花をたくさん咲かせていた。私はシャルが入っている鳥籠を少し近付けて、よく見えるようにしてやったが、あまりそちらに興味はなさそうだった。

私が「シャル、ガクアジサイだよ、きれいだよ」と声をかけながらシャルに見せてやっていた様子を見ていた母が言った。「そうしているあなたを見て鳥が嫌いだなんて誰も信じないでしょうね、私はよく知ってるけど笑」

自分でもその自覚はありますよ。
必要に迫られなきゃこんなこと誰がするか。

ガクアジサイから離れた後、シャルは鳥籠内で360度回りながら、初めて見る周囲の風景を興味津々で見ていた。

余裕の帰宅

さらに数分シャルと私たちが東屋からの木々の風景を楽しんだ後、今度は外出用鳥籠をバッグから出したまま緑道を戻ることにした。思った通り、人通りはほぼ無く、シャルが見えてもとりあえず緑道内は危険はないと判断したからだ。

シャルも行きよりは楽しそうに鳥籠の中から緑道の風景を見ていた。自宅出発から30分弱で帰宅して外出用鳥籠から出してもらって、いつもの鳥籠に入ると表情が変わった。

え?なーんだ!これだけか!余裕じゃん!!

羽毛に覆われて表情筋の動きが見えないはずのシャルの顔がそう言っていた。

翌日シャルにもう一度外出用鳥籠を見せて入りたがるようなら、散歩に連れて行こうという事になった。だがシャルは入りたがりはしなかった。木々の風景はイヤじゃないだろうけど、そこに行くまでの外出用鳥籠に入る過程はイヤらしい。

今回の木々のある風景をシャルに見せていた時に、初代マメルリハが旅行先で窓からの風景を楽しんでいたことを急に思い出した。多分まだ書いていないので、またの機会に。

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