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ひねくれたマメルリハインコと希少人類のコンクラーベ

我が家が新幹線でマメルリハインコを帯同した引越しをする少し前の話である。引越し前にはよく付き合いのあった知人・希少人類Y氏は、その後もたまに稲生家に顔を出し、シャルを見に来ていた。さらにそのもう少し前に長寿だった愛犬を亡くしていたY氏は、生き物を可愛がるタイプで 、我が家のマメルリハ・シャルのこともかわいがってくれていた。

もっとも、以下記事のような塩対応をシャルはしていて、自分が寝たい時間の頃にY氏が来た時は、自分の就寝をしっかり優先した。正直言って可愛くはない。

ある日も、訪ねて来てくれたY氏に興味がないフリをするシャル。それでもシャルにかまいたいY氏。そんな両者を見かねた母が、Y氏にアドバイスした。「絶対に自分(Y氏)からシャルの方に行っちゃダメ。根競べよ。コンクラーヴェ(母のシャレ)」と。

そこでY氏は努めてシャルにかまわず、視線も向けず私や母としゃべったり、手近な冊子を手に取って眺めたりしていた。シャルの方は密かにチラチラY氏の方を見ながら興味のないフリを続けている。だが、麻の実ケースをつつき回す遊びに熱中しているようでいて、その遊びで生じる音がいつもより大きい気がする。

ほどなくしてシャルは、Y氏と私がいるテーブルの上に自分で飛んで来た。シャルもY氏の方を見ないようにしつつ、「別の用事で来ました」感を演出している。ちなみに私の指を出してみても乗ろうとはしなかった。

自然な感じ(?)を装うようにシャルは少しずつY氏との距離を詰めていき、最終的にY氏がちょっと指を出すとぴょんと飛び乗った。そしてシャルはすぐに指の上でY氏に背を向けた。Y氏が「コンクラーヴェは僕が勝ちました」と母に報告していた。

さっさとY氏のところにやって来ればいいのに、相変わらずひねくれて可愛げのないシャルだった。ちなみにこの日もだが、Y氏がいるとシャルは背中を必ずY氏に向けて、私の方には絶対背中を向けなくなる。私の方が信用できないというシャルの判断の正しさよ。

しかしシャルはそれでもY氏に頭や首筋を撫でさせはしなかった。同じ空間に母がいたので、遠慮のつもりなのか。それが少し物足りなかったY氏は、後日私たちを引越し当日に新幹線の駅まで送ってくれた際にやっとシャルが顔を撫でさせてくれて満足していた。シャルは撫でてもらえて気持ち良さそうだったが、何もお別れの瞬間まで引っ張らなくてもいいのでは・・・?

シャルはもっと長期戦でコンクラーヴェをしていたりして。いや、可愛げなさすぎる・・・!!

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