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ドラマ『琅琊榜』で習いたかった中国語~第二集②

私が一番好きな中国ドラマ『琅琊榜』は、中国語が聞き取りやすい。そのため、かつて学生時代に中国語を専攻していた頃に習ったフレーズが聞き取れることがある。そして「当時このドラマがあって、これで勉強できていたらな~」と思ってしまう。そんなフレーズをまとめている。

前回の第二集(第2話)の続き。太皇太后に謁見することになった主役の梅長蘇。

那你呢?你是谁家的呀?

太皇太后にあいさつに来た蕭景睿、言豫津、そして蘇哲と名乗る梅長蘇。梅長蘇は、護衛の飛流に太皇太后を「天下一穏やかなお婆様だ」と言って、どのようにふるまうべきか説明する。なぜ知ってる?

太皇太后はやってきた梅長蘇たちのあいさつを受けるも、かなり高齢のため一目見て誰が誰だかわからない。「どこの家の子だね?」と聞いて、名乗られると分かる。蕭景睿と言豫津のことを認識すると、それぞれに結婚したか確認し、早く結婚すると良いと勧める。二人は苦笑い。

そして緊張した面持ちで次に控えていた梅長蘇に太皇太后が声をかける。

那你呢?你是谁家的呀?
ーでは そなたはどこの子だい?

琅琊榜~麒麟の才子、風雲起こす~第2話
太皇太后

「那你呢?」は、第1集の際の言豫津が楽器売りの女性に言った「那,这个呢?」と同じである。「你」は二人称、この言葉を発した人物が、太皇太后という立場と時代劇であることを考慮すると、上品な「そなた」という表現になる。直訳するとここは「では、そなたは?」になる。

どこの家の誰なのかを梅長蘇の前に蕭景睿、言豫津の二名に既に尋ねているので、同じ質問をするため「呢?」の中に「你是谁家的?」が含まれている。そしてもう一度質問を丁寧に正確に言っている。

「你是」は「きみは~である」、「谁家」が「誰の家」、つまり「何家」の人間か問うている。「的」は所有の「~の」で、後ろには「孩子」つまり「子ども」が省略されている。「呀」は疑問の語気を表す文末助詞「啊」が、直前の音に影響されて変わったもの。「そなたは何家(の子)なの?」ということだ。

「蘇哲」と名乗り、近くへ来るよう言われた梅長蘇。近づくと思いがけない名前で呼ばれる。

小殊,来,到太奶奶这儿来。

小殊,来,到太奶奶这儿来。
ー小殊 曾祖母のところへいらっしゃい

琅琊榜~麒麟の才子、風雲起こす~第2話
太皇太后

「小殊」は人名。「来」は話し手から見て「来る」。ここでは、この一文字で直訳すると「来なさい」になるが、天下一優しいお婆様だから「いらっしゃい」。

「到」は方向を表す「~へ」、「太奶奶」は母方の曾祖母。「这儿」は「ここ」という意味だが、人物を表す言葉の直後につくと「~のところ」になる。「太奶奶这儿」は、「曾祖母のところ」になる。

「到」+場所+来の形で、「(場所)へ~来る」というフレーズになる。この文章で場所は「到」+「太奶奶这儿」+「来」の構成で、「曾祖母のところへいらっしゃい」である。

太皇太后が梅長蘇を「小殊」と呼んだことに、梅長蘇だけでなく皇后や貴妃、郡主・霓凰も困惑した。太皇太后は「小殊」が可愛がっているらしく、痩せたのではないかと心配し、お菓子をあげようとする。

吃吧。这是你最喜欢吃的。

吃吧。这是你最喜欢吃的。
ー食べなさい お前の一番の好物でしょう

琅琊榜~麒麟の才子、風雲起こす~第2話
太皇太后

「吃」は「食べる」。この「吧」は、前回の皇太子のセリフの推量の「吧」ではなく、提案・要求などのニュアンスの文末助詞である。「吃吧」で「食べなさい」と字幕は訳されており、ひいおばあちゃんがひ孫に優しく食べるよう促すニュアンスである。

「这是」は「これは~である」、「最」は一番、最も、の意味、「喜欢」は好きである、「吃的」はここでは「食べ物」。食べるという動詞の「吃」、最後に「的」がついて、「你最喜欢吃的」=「お前の一番好きな食べる物」が目的語になっている。この「的」は「もの」というニュアンスである。

「小殊」として戸惑いながら、お菓子をもらった梅長蘇。今度は、霓凰も太皇太后に呼ばれる。梅長蘇と霓凰の手を取った太皇太后は、優しく続ける。

你们两个都是好孩子。

你们两个都是好孩子。
ー2人ともいい子だね

琅琊榜~麒麟の才子、風雲起こす~第2話
太皇太后

「你们」は二人称複数形で「おまえたち」、「两个」は「2人」、「都」は前の言葉を指して、「全部」「みんな」と言う意味である。「都」が指す「全部」とは、「你们两个」。字幕の「2人とも」の「とも」の部分に当たる。何かと色々な用法がある副詞「都」の最初に覚えさせられることが多い意味である。好孩子は「いい子」。

「小殊」と霓凰に対して言っているのか、太皇太后は続けて「いつになったら結婚するの?」と尋ねながら二人の手を合わせる。周囲の妃たちが、太皇太后の誤解を指摘し、太皇太后は困惑して二人の手を離した。霓凰がそのまま離そうとしたが、その彼女の手を掴む梅長蘇!この太皇太后のシーンは、最後まで見て2周目で見ていると涙ぐむか胸をかき乱される。実は非常に重要かつドラマチックなところだ。

🖌今回の気になる単語帳

草民 cǎomín
平民。太皇太后に梅長蘇があいさつする際、名前の前にこの言葉を言った。

成亲 chéng//qīn
太皇太后のセリフで「你们什么时候成亲呢?(いつになったら結婚するの?)」で出てきた。「小殊」という人物と思われた梅長蘇と霓凰が言われた。「結婚する」の意味。「结婚(jié//hūn)」で私は習っていた。ニュアンスの違いがわからない。

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