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ドラマ『琅琊榜』で習いたかった中国語~第二十九集①

サブタイトルは「榛子の菓子」。「榛子」とはハシバミという実のことだそうだ。このお菓子がどう物語に関わって来るのか。


沈大人 是我无能

第二十八集で、干ばつや虫の害で被災した地域の救済任務を皇帝に任されるよう沈追にお願いされいていた靖王だが、結局誉王が任されてしまう。皇帝が執務をする宮殿を出てから靖王は沈追に申し訳無さそうに言った。

沈大人 是我无能
ー私の力が及ばなかった

琅琊榜~麒麟の才子、風雲起こす~第29話
靖王

▼沈大人(Chén dàrén) 
沈追の姓+地位の高い官吏への敬称

▼是我无能(shì wǒ wúnéng)
「是」はここでは前を受けて説明や弁明をする時の「~だ」「~なのだ」の意味である。「我」は「私」、「无能」は「無能である」という形容詞で、「我」と「无能」の間に副詞が何も無いので、言外に比較の意味がある。靖王の状況に対応する能力が誉王ほど無くて、任務を勝ち取れなかったことを言っている。

直訳調にすると「(呼びかけで)沈大人、(任務を勝ち取れなかったのは)私が(誉王と比べて状況に対応できず)無能だからだ」という意味になる。

靖王は梅長蘇のところへ相談に行った。

誉王那一套 我学不来 也不想学

靖王が梅長蘇を訪ねると、既に蒙大統領から事の顛末を梅長蘇は聞いて知っていた。梅長蘇は先手を打てなかった事を靖王に詫び、皇帝の意図を説明する。誉王ほど靖王が融通が利かず、地方官吏とうまくやれないと思われたのだ。それには金銭が絡むことを踏まえて靖王が言った。

誉王那一套 我学不来也不想学
ー誉王のやり方を学ぼうとも思わぬ

琅琊榜~麒麟の才子、風雲起こす~第29話
靖王

▼誉王那一套(yùwáng nà yítào)
「这」あるいは「那」+「一套」で「やり方」「やり口」「手口」などの意味になる。文脈次第でほめる意味やけなす意味になる。靖王が「誉王の(あの)やり方」と言っているので、ここでは当然けなしている。

▼我学不来也不想学(wǒ xuébulái yě bù xiǎng xué)
「学」は「学ぶ」、「不来」は動詞の直後に置いて、話し手の方に向かって来られないニュアンスを表すが、ここでは学ぶ対象である「誉王のやり口」と合わないという意味であろう。学んでも合わなくて学べないということだ。

「也」は直前の言葉と続く事柄が同じであることを表す。「不想」は「~したくない」なので、「(合わなくて)学べないし学びたくもない」となる。この中の「も」の部分が「也」が表すニュアンスである。

全体で「誉王のやり方は私は(合わなくて)学べないし学びたくもない」となる。

梅長蘇は既に手を回して、災害が一番深刻な岳州の長官が誉王に礼品を送っていた事を飢えた民衆が知り得る状況にしていた。梅長蘇は誉王がこれに対し皇帝にどう弁明するか見ものだと言う。

その様子から次回は始めます。



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