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ウルトラマンの「引き出し」

先日NHKで『歴史秘話ウルトラマンヒストリア』を放送していたのをちょっと見かけて少し懐かしい気持ちになった。

弟とウルトラマン

私には7歳離れた弟がいる。彼は幼い頃いくつもウルトラマンシリーズを見ていて、フィギュアも持っていた。私も当時一緒に『ウルトラマンティガ』や『ウルトラマンダイナ』を観た。ちょうど放映時間が夕飯時だった気がする。いまだに長野博さんを見ると「ダイゴ隊員(ウルトラマンティガ変身前)」と認識してしまう。

弟がウルトラマンシリーズをたしなんでいた頃の私は10歳前後。個人的に最も記憶力が冴えわたっていたのが、その頃だった。

そのためか私の脳内メモリにはウルトラマンに関する項目が一定量あったようで、『歴史秘話ウルトラマンヒストリア』を見ながら、「あ!ウルトラマン〇〇だ」と何度も見ていて思い出したし、番組を観たのををきっかけに、しばらくウルトラマン関連の歌が数曲頭の中でオート再生されてしまうようになった。ちなみに今日はウルトラセブン。セブンー♪セブンー♪セブンー♪

思い起こせば、当時は弟が持っていた本に載っていたウルトラマンたち全員の見分けがついて名前も覚えていた。ウルトラマンタロウは六兄弟の一番下、ウルトラマンパワードは目が青い、とかうっすらとした知識がまだ残っている。

記憶力が良かった10歳頃の貴重なメモリがウルトラマンに一部使われてしまい、まだ半分から7割くらいは覚えていそうだ・・・

たしか『ウルトラマンガイア』あたりで弟はウルトラマンを卒業していき、その後私がウルトラマンというコンテンツに触れる機会は無くなる。『歴史秘話ウルトラマンヒストリア』で、その後もいろいろなウルトラマンが登場したと知り、思わず興味深く見てしまった。

職場での話題

もともと弟が好きだっただけで私自身ではあまり興味のなかったウルトラマンシリーズ。でも思いがけないところで社会人になってから地味に役立ったことがある。

まず私の年齢が上がるにつれ、会社には年下の同僚が増えていく。そして男性年下同僚たちの雑談で、子どもの頃好きだったウルトラマンの話になり、弟の世代に近いと何の話をしているかわかってしまう。そこから、話題が広がりコミュニケーションが取れることがある。

「ウルトラマンティガにドはまりしてました。」
「きっかけはウルトラマンダイナだったけど、初代から色々見ました。」

そんなことを言っている元男の子たちは、ウルトラマンに絶対興味なさそうな私から、当時見ていないと知らないちょっとした話(例:三色あって、能力変わったよね?)が出たり、多少理解して話を聞いてもらえたりすると面白いらしい。

また、私が知らないウルトラマンの話だったら、「10歳近く年下だな」とかジェネレーションギャップが大きいかどうかも大体割り出せる(そして後に業務上必要なコミュニケーションの傾向と対策をする)。

弟がウルトラマンではなく、戦隊モノにもっと興味があればそれで同じようになったかもしれない。戦隊ヒーローものでも、1回だけ話題に入れてしまったことがある。かつて5歳年下の男性同僚が、私の弟が見ていた数少ない戦隊モノの一つ「忍者戦隊カクレンジャー」のOP曲の出だしを口ずさんだことで、6歳下の別の男性同僚が「それ好きだった!」と反応し、私が「黒はケイン・コスギだったよね」と言ったら二人から「何で知ってるんすか?!」と言われた。

そんなちょっとしたコミュニケーションが、職場を円滑にしていると思っている。また、私の母親世代の女性たちともウルトラマンたちのおかげで話せる場面もある。

「うちの息子も小さい時好きだったわ~フィギュア買わされたもん!」
「ウルトラマンもだけど、うちは仮面ライダー寄りでおじいちゃんがベルトを・・・」

私にウルトラマンが好きだった男の子の姉、としての知識や思い出があるように男の子のお母さんたちにも何らかの思い出があるのだ。そこから話が広がることもある。

経験や知識にむだなものはないのかもしれない。
持っていても家の中のスペースを取らないし、あらかじめ想定していない場面で役に立つこともある。存在すら普段は意識しなくても、急に記憶の奥底から埃を舞い上げつつ出てきて、「他人とのコミュニケーション」というありふれつつも悩ましいことをうまくこなせる助けになることもあるのだ。

弟よ、何かありがとう。

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