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ドラマ『琅琊榜』で習いたかった中国語~第二十七集②

飛流から梅長蘇が靖王のことをサブタイトルの「水牛」と言っていたことに驚いた靖王。回想シーンになり、「水牛」はかつて林殊(梅長蘇)と霓凰にからかわれた時に言われた言葉だった。

ここに誉王を帰した梅長蘇が現れ、様子がおかしいことに気付く。「水牛」のことを知られたと分かり、慌てて弁解した梅長蘇。靖王は言葉をつぐんだが、あやうく林殊とバレるところだった。


我谢谢他凭什么呀

梅長蘇の屋敷に移り、蒙大統領が靖王と梅長蘇に東宮が封鎖された顛末を説明する。この一大事を勅書の形で命じられなかったため、他の官僚たちから詰め寄られて矢面に立たされた蒙大統領は、皇帝に勅書を求めたが高湛に遮られたと文句を言う。

梅長蘇はその件は高湛に感謝すべきと言ったところ、蒙大統領が意味が分からず言った。

我谢谢他凭什么呀
ーなぜ感謝せねばならん

琅琊榜~麒麟の才子、風雲起こす~第27話
蒙摯

▼我谢谢他(wǒ xièxie tā)
「我」は一人称で「私」、「谢谢」は「ありがとう」だが、ここでは動詞的に用いられ、「~に感謝する」という意味である。感謝する対象は直後の「他(彼)」であり、話題に出ている高湛のことになる。

▼凭什么呀( píng shénme ya)
「凭什么」は口語表現で詰問する場面において「なんで」という意味である。高湛対し文句があるくらいなのに「感謝すべき」と言われた蒙大統領が、意味が分からず言い返した場面なので、「为什么」よりもぴったりの表現である。最後の「呀」は、疑問の語気を表す文末助詞「啊」が、直前の音に影響されて変わったものである。

全体で「私(蒙大統領)が彼(高湛)に感謝するとはなんでなのか」ということである。字幕の方が自然で蒙大統領の心情がよく表れている。

猜疑心の強い皇帝の心を一番理解しており、それに応じて適切で正確な判断ができるから高湛は長年仕えていられるのだろうと梅長蘇が仕方なく説明する。

皇太子の醜態が外部に漏れると「後継者としての器ではない」事が知れ渡り、皇太子の位を廃する流れが止められなくなる。そのためまだ皇太子に対して情が残っている皇帝は、東宮を閉鎖し中で起きていたことを他言しないよう命令した。

東宮閉鎖について勅書にするとその経緯を書かざるを得ず、状況を外部に通達することになるため、勅書を求めるのは廃嫡を求めるも同然なのだ。蒙大統領はそこまで考えている人間ではないと皇帝も分かっているが、再三要求すると皇帝が非情で猜疑心が強い人物であるため蒙大統領が事実と異なる事で疑われてしまう。

その事態を避けるため高湛はあえて蒙大統領を遮ったのだ、と説明されて蒙大統領もやっと納得した。蒙大統領はとても強いのに察しが悪くていつも梅長蘇に呆れられている様子がとても面白い。

事実上皇太子はもう終わりだが、梅長蘇は靖王と蒙大統領に静観して動かないよう伝えた。この回は他にも今後の展開に影響を及ぼす伏線がたくさんあって、2周目以降はドキドキする。ぜひ物語を楽しんでいただきたいところだ。

🖌今回の気になる単語帳

毒蛇 dúshé
字面通り「毒蛇」。梅長蘇が言っていた誉王の悪口で、隠し部屋で待つことになった靖王と蒙大統領に飛流が言った。言葉数の少ない飛流のこの表現だけで誉王のことだと分かった蒙大統領が面白い。かつて林殊(梅長蘇)がそう言っていたのかな。

「蛇」の「shé」という音自体は発音できると気持ちが良いので個人的には好き。

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