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ドラマ『琅琊榜』で習いたかった中国語~第二十七集①

サブタイトルは「水牛」。
梅長蘇がとてもヒヤヒヤする回!


陛下切莫动气

皇太子のいる東宮に足を運んだ皇帝。事前にあえて知らせず、側近の宦官・高湛と蒙大統領を連れて出向いたら、東宮の使用人たちが、やたら慌てたり平伏したりするので訝しむ。実は皇太子は太皇太后の喪中にもかかわらず、昼間から酒を飲んで歌舞音曲を奏でて遊んでいたのだ。

皇太子は蘭園事案(第八集)や闇炮坊(第十二~十六集あたり)、直近では腹心の謝玉を失い、父親の皇帝からも見捨てられたと思い自暴自棄になっていた。酒の勢いもあり、扉の向こうに父親が来ていると知らず、不満までに口にしてしまう。

皇太子の自分に対する不満や愚かなふるまいに皇帝は激怒し、ショックを受ける。高湛が宥めようと言った言葉から見ていこう。

陛下 切莫动气 切莫动气
ー陛下 興奮してはなりませぬ

琅琊榜~麒麟の才子、風雲起こす~第27話
高湛

▼陛下(bì xià) 陛下 皇帝に対する呼びかけ

▼切莫动气(qiè mò dòng qì)
「切莫」は「万一にも~するなかれ」「くれぐれも~してはいけない」、「动气」は口語表現の「怒る」「腹を立てる」。「くれぐれも怒らないでほしい」という意味である。

この場面で高湛は「切莫动气」を何度も言った。怒りによる皇帝の健康状態を心配する様子ではあったが、散歩に行こうとした皇帝に「桂花(モクセイ)が見頃」と言った高湛の深謀遠慮だったのかも・・・それを聞いた皇帝に東宮(おそらく美しい桂花が見られる場所)へ足を向けさせて、皇太子のしょうもない有様を見せたのだろうか。

この後の別の場面で梅長蘇が高湛のことを「長年務められるのは賢い証拠」と評していたので、不用意なことを高湛は言わなさそうだ。

你的意思不是说苏哥哥很恶心,而是说他见了誉王之后,就会觉得很恶心 对吗

皇帝は皇太子の様子を口外しないよう高湛と蒙大統領に命じる。また東宮の封鎖を勅書(文書)で命令せず、口頭で蒙大統領に命じた。東宮の封鎖という一大事に誉王は配下に状況を確認させる。

が、封鎖理由が明示されず、蒙大統領に事情を聞こうと皇太子の師たちも詰め寄ったが、蒙大統領は口外できずその場を離れ行方が分からないと報告され、梅長蘇に相談に行くことに。

蒙大統領は靖王のところへ来ており、二人は秘密の通路から梅長蘇の屋敷へ向かうが、梅長蘇の代わりに飛流が現れる。誉王が先に来訪したからだ。

梅長蘇を待つ間、靖王は飛流が誉王を「毒蛇」と表現したことについて聞いた。梅長蘇が言っていたらしく、基本的に単語レベル程度でしか言葉を発さない飛流から聞き出した内容を靖王がまとめて飛流に合っているか尋ねた。

你的意思不是说苏哥哥很恶心,而是说他见了誉王之后,就会觉得很恶心 对吗
ー蘇兄さんのことを気分が悪いのではなく、誉王に会うと蘇兄さんの気分が悪いのだな?

琅琊榜~麒麟の才子、風雲起こす~第27話
靖王

▼你的意思(nǐ de yìsi)
二人称の「你」+連体修飾の「的」、「意思」は「意味」のことなので、「おまえの(言っている)意味は」になる。

▼不是说苏哥哥很恶心
(bú shì shuō sū gēge hěn èxīn)
「不是」と次の「而是」の形で、「~ではなくて~だ」という意味になる。「说」は「言う」「話す」、「苏哥哥」は「蘇兄さん」で飛流から見た梅長蘇の呼び方。「很」は「とても」という意味だが、強調して発音しなければ訳出せず形容詞に添える言葉で、「恶心」は「むかつく」「(我慢できないほど)いやらしい、ぞっとする」である。

この部分は「蘇兄さんのことをいやらしいと言ったのではなく」という意味である。

▼而是说他见了誉王之后
(ér shì shuō tā jiànle yùwáng zhīhòu)
三人称の「他」は梅長蘇のことで「彼」、「见」はここでは「会う」、「了」は動作や行為の完了を意味する動態助詞である。「之后」は「~の後
」という意味で、前文で言った事柄の後を指す。

▼就会觉得很恶心 对吗
(jiù huì juéde hěn èxīn duì ma)
ここの「就」は前後の内容がスムーズにつながるニュアンスを表し、前の「他见了誉王之后(彼が誉王に会った後)」すぐに後のことが起きることを意味する。「会」は可能性を表す助動詞で「~するものだ」の意味を加える。
「觉得」は「感じる」という動詞、「对」は「その通りだ」「正しい」、疑問の文末助詞「吗」があるので「对吗」は「そうだろう?」という確認の感じになる。

全体で直訳調にすると「おまえの(言った)意味は、蘇兄さんのことをいやだと言ったのではなく、彼(蘇兄さん)が誉王に会った後、いやだと感じていると言った。そうだろう?」となる。

飛流はこれを肯定した。この後靖王が「誉王が毒蛇なら、私のことは?」と聞き少し考えて飛流が「水牛」と答えた事で、靖王の顔が驚きで固まった。

この続きは次回に。

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