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黄酒の本を執筆することになりました。

干杯!

突然ですが、なんとなんとなんと、本を書くことになりました。。

今日お伝えしたいことは大雑把にいえばこれひとつで、シンプルなのですが・・・少し書き綴りたい気持ちもあり、今の想いをここに記録させていただきます。

実は前回の記事にも、少しネタバレしていました。


隠していた"袋とじ"は、このことです。


本来だったら、本が完成してから「黄酒の本を出版します!」とお伝えすべきことかなと思います。だから悩んだのですが・・・いろいろ考えた結果、思うことがたくさんあって、今お話することにしました。(出版社さんの許可も得ております)

身近な人には、チラホラ話していたのですが「え?おまえにそんなお金あるの?」と何度か言われました(自費出版だと思われてる)


話は遡ること、2022年10月某日。


某出版社の編集者さんから、突然メールが届きました。

いや・・・突然というのも正確ではなくて、その編集者さん、実は僕が働いているレストランに来て頂いたり、紹興酒セミナーでお会いしていた方なのでした(後々で名刺をいただいて初めて知った)

「黄酒の本を作れないか、相談に乗ってほしい」

お話をいただいたときは、率直に嬉しかった。なぜなら、かねてから黄酒の本がこの世界には必要だと思っていたから。すごくドキドキしました。よくも、悪くも。

ちなみに今更ですが、黄酒って何?という方はこちらの記事をご覧になってみてください。なんとなくこの酒のことがわかってもらえるんじゃないかと思います。


▼黄酒とは?(前後編の2部作)


なぜ黄酒の本が必要だと思っていたか?


黄酒は、日本にガイドブック的なものがないため、情報の重みとして、とってもフンワリフワフワしているのが現状です。誰かが言い切るとそれが正解になってしまう(もちろん僕が伝える情報も然り)

例えば、最も有名な黄酒である「紹興酒」。

以前までは「紹興(浙江省の都市)で作られているから紹興酒」と、かなりざっくりとした解説がほとんどでした。でもいざ紐解いてみると、紹興酒にはシャンパンやテキーラのようにさまざまな基準が設けられていて、紹興酒と名乗ることが許されているメーカーは14に限定されています。

そう、実は紹興で作られていたとしても紹興酒と名乗れない黄酒はたくさん存在しているのです。でも、「紹興酒は紹興で作られているから紹興酒」と説明する人は少なくないんじゃないかと思っています。(まぁ間違っているわけではないですが)

これはほんの一例ですが、中国酒って「こう言われてるけど実は違う」みたいなことが多いのです。確信をもって言い切れる情報が少ないのです。

誰かがしっかり整理しないとダメだな・・・と思って、勝手な使命感から僕は2018年に中華料理店で働きながら紹興酒専門WEBを立ち上げたのでした。まだまだまだ未熟なサイトですが・・・。



情報をまとめながら思ったのは、黄酒の情報は中国にしっかりあるんだなということ(まぁ当たり前なのですが)日本では詳しい製造方法や化学的な成分についてあまり詳しく触れられていませんが(あるけどデータが古かったりする)、中国の文献には麹菌や酵母についてまで化学式付きでビッチリ記載されています。

この翻訳がものすごい大変・・・ぼくはゴリゴリの文系人間なので化学とか用語や式を見るたびに頭が何百回もパンクしてます。でも、これをやってこなかったのが問題だなと。

頭がパンクしすぎた僕は、自分の限界を感じ「誰かやってくれないかなぁ」なんて思ったこともありました(弱)

でも、おこがましくも「いつか本を作れたらな」という思いが燻り出したのも、正直なところです。


僕は中国酒に携わってから、情報が曖昧だったり、情報量が不十分だと文化が止まってしまうんだなということを痛感してきました。

だから、そんな完璧なものでなくてもいいから、まず大きな歩みの一歩として本を作ることはひとつの有効的な手段だろうなと考えていました。情報の土台として。

作ってみて、いいものであれば受け入れられるだろうし、逆にたいしたものでなくても、批判を受けて「これなら自分の方がもっと立派な本を作れる!」という人が出てくるかもしれません。

そう、どんな形であれ、この先々の踏み台になれるんじゃないかなって思っていました。


最初、本に関してのメールをいただいたときは、自分が書くというよりは、ちょっとしたお手伝いとか、何人かの共著として進めるのかな?と思っていました。なので若干他人事のようにも感じていたからこそ、話をいただいたときに軽々しくワクワクしたっていうのもあるのですが・・・。

著者は、僕でした(まさかの)

本音を言うと、今でもめちゃくちゃ不安です。

僕なんかで本当にいいのかな?という思いは、なかなか消えませんでした。


少し個人的な話になりますが・・・


情けない話、40を越える歳になった今でも何事も中途半端な人間で、何かをやり遂げた経験がありません。

だから

また途中で投げ出したくなるんじゃないか。

またすぐに諦めてしまうんじゃないか。

自分で自分を不安に思ってしまいます。

今までの自分が、自分の足首をグイグイ後ろへ後ろへと引っ張るのです。


無理だよ。無理。


でも、僕は"自分を引っ張る自分"を感じながらも「僕でよければ」と返事をしました。


最近、思うんです。


昔から何事も中途半端だった人間は、これから何もできないまま終わっていくのだろうか?と。

人生の歩み方が下手で不器用な人間は、ずっとこのまま「あほだなぁ」と笑われて終わっていくのだろうか?と。

過去の積み上げで人生が決まる?

そしたら僕はもう終わってるのかもしれない。

なぜなら

少年時代、野球が好きだったけど兄に誘われた朝練を狸寝入りで過ごしていたような人間です。

プールが嫌で、バスが来てお母さんが起こしに来てもやっぱり狸寝入りでやり過ごしていた人間です。

大好きだった野球をあるとき、ふっと諦めてしまって「辞めます」とすぐに飛び出してしまう弱い人間です。

やりたいことも特になく、惰性で時間を無駄に浪費していた人間です。

大学なんて卒業式も出てない。20代、仕事も全然長続きしないで職歴だけ増えていった。精神科にもお世話になったり対人恐怖症も経験してきた、まさにネクラな人間です。(これは誰も信じてくれない)



(これを編集者さんがもし読んでしまったら「やっぱり他の方にお願いします」って言われるかもしれない・・・)



僕は今、この本をしっかり最後まで作り上げたいと心から思っています。

そして、やり遂げます。日本にある黄酒にとって、初めての入門書。自分にとっても、初めての成果物。

そもそも、このプロジェクトは自分一人で進めるものではありません。既にチームで仲間と共に歩み始めています。

だから、大丈夫。

頼りにしています。


僕も、今まで以上に成長します。そうなります。

なぜなら、どうあがいたって、今の自分のままではこの本は書き上げられません。僕もまだまだ黄酒勉強中の身で、知らないことがたくさんあります。中国語もまだまだ。だから、もっと勉強してパワーアップしなければなりません。

うさぎのかわいいジャンプじゃ飛び越えられない山だなと感じています。だから、僕は今年、亀になる。そう。僕だけ今年は、亀年。(これは前回も書きましたね)

一歩一歩、しっかりと。亀のようにゆっくりゆっくり着実に・・・行きたいけど、〆切もあるので間もなく時間に追われる日々がやってくるでしょう。いつも笑顔の編集者さんたちは、〆切の話になると目が笑ってないことに気がつきました(震)

なので僕は、うさぎ級のスピードで歩く亀になります(想像するとちょっと怖い


このお披露目も、やり遂げるために必要な宣言です。言わないと挫けてしまう弱い人間です。これを見ていただいた方の力も、貸していただけるなら心強いです。甘えてしまって、すみません。

具体的な企画内容や出版社さんのことは販売直前までお伝えできないのですが、今後本を作る過程もnoteやYouTubeなどでお伝えしていこうと思っています。ちなみに、年内には完成予定です!

これも、まだまだ通過点。

でも、まずはここから。

ちなみに、ちょっとストップしていた紹興酒専門家資格のテキストもまた始まりそうで、年内には完成予定です。

やるぞーーーー!

うさぎ亀、加油!

主に中国酒にまつわる活動に充てさせていただきます。具体的には中国酒関連のイベント開催費や中国酒の研究費、現地への旅費、YouTubeの制作費用などです。お力添えを頂けたら嬉しいです!干杯!