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巻き起こるか、紹興酒革命。

あまり触れられない紹興酒の原料「カラメル」

紹興酒を語る上でタブー視されているような存在の「カラメル」。着色や味の調整として、工程のひとつとして、当たり前のようにあったこの原料の在り方が変わろうとしています。昨日、そんな体験をしてきました。

僕らが仕入れている紹興酒の酒蔵さん「中粮酒業」が展示会に出展しているということで会うべくビックサイトへ行ってきました。

久しぶりの再会を喜び、いくつか試飲させてもらいました。

新商品。紹興酒に紅茶などを入れて飲みやすくしています。確かに砂糖入りの紅茶のようで飲みやすい。謎のキャラクターが描かれています。

孔乙己10年(コンイージー)。これは紹興酒の原料である糯米ではなく、お米で造ったお酒。なので紹興酒とはいえず「特型黄酒」なのですが、紹興酒よりも爽快で口当たりがすっきりとしていて飲みやすいです。

少しお話したあとに、いくつか紹興の酒蔵さんが来ていたので各ブースを回ることにしました。話を聞いて回ったところ、いくつかの共通の動きがあることに気がつきました。

それは、酒造りをする方々の原料に対する価値観の変化です。

カラメルは紹興酒にとって本当に必要なのか?

僕は去年、紹興へ行ったときにカラメル不使用の紹興酒の存在を知ってからずっと気になっていました。すっきりしていてそれはそれで面白いと思ったのです。

そもそもカラメルなぜ使うんだろう、味がどこまで変わるのか、本当に必要なものなのか、と疑問がいくつも湧きました。着色や味調整、というのはわかっていますが、本当に必要なのかなと。

日本の文献にカラメルについて語られているものはほとんどありません。(というか日本で中国酒に関する文献はすごく少ないです)あくまで主観的な考えですが、伝統を重んじる中国の酒造りの人たち。先人たちの製法を受け継ぐことに重きを置いてきたからではないかと思っています。これが紹興酒なんだ、と。飲む側からすると、添加物不使用でおいしいお酒が造れるのならそちらの方がよいと勝手ながら思います。

そんな中、こんなお酒と出会いました。

カラメル無添加、有機栽培の原料で造った紹興酒

これは昔ながらの製法を継承し、原料は全て有機栽培のものを使用して造ったというオーガニックの紹興酒です。もちろんカラメルも不使用。

味わいは元紅酒(いわば紹興酒の簡易版)のようで、極めてドライ。紹興酒好きな人は物足りないかもしれませんが、こういう味わいのものもあった方が紹興酒、引いては黄酒全般の発展を考えるとプラスでしかないように思います。この酒蔵さんはとても面白くて、40度の紹興酒も作っているのです!蒸留は一切していないでここまでの度数をどうやって出せるのは謎が深まるばかりですが、こちらはその製法を発見したというので注目されているようです。

紹興酒レボリューションは起きるのか?

他にも、紹興出身の農家さんが紹興産にこだわって造った糯米で紹興酒をOEMで造っている方とも出会いました。実は僕は日本でこういうことがしたかったのですが、考えることはみな同じですね。

中粮酒業さんにも、カラメル不使用のものはないのかと聞いたところ、実は去年造ったとのこと。昨日は持ってきていなくて紹興へきたら飲ませてくれるというので近々行って来ようと思います。

この流れが吉と出るか凶とでるかはわかりませんが、新しい動きをしていくことはよいことだと思います。元々紹興酒は日本酒の酒造好適米のようなものはなく、専用の酵母もなく、原料へのこだわりというのが他のお酒よりも弱いのが現状でした。中国全体が経済成長をする中で酒造りも保守から革新へ歩んでいる真っ最中なんじゃないか、ととてもワクワクした午後の昼下がりでした。酒も入ってさらにテンションが上がってしまってちょっと長居しすぎてしまい、そのあとの予定に遅刻する始末。。。時効ということで。。。ごめんなさい。。。

主に中国酒にまつわる活動に充てさせていただきます。具体的には中国酒関連のイベント開催費や中国酒の研究費、現地への旅費、YouTubeの制作費用などです。お力添えを頂けたら嬉しいです!干杯!