ご飯かパン

ユーモアのアーカイブとアイロニーのライブラリー。 写真を撮って、言葉を書いて、デザイン…

ご飯かパン

ユーモアのアーカイブとアイロニーのライブラリー。 写真を撮って、言葉を書いて、デザインをします。 お時間あればお付き合いください。

最近の記事

「お前はしっかりしてるから俺がいなくても大丈夫だよ。」
「絶対すごい人になると思うよ。」

「お前はしっかりしてるから俺がいなくても大丈夫だよ。」
「絶対すごい人になると思うよ。」 なんて言われたのが2ヵ月前。
それに伴って彼がいなくなったのが2ヶ月前。
しっかりしていると言われた私は
それから仕事中もぼうっとして
仕事は手につかないし
上司には怒られる毎日で。 すごい人ってなんだろ。 いつそんなことをしたかは覚えていないが
デスクにぐちゃぐちゃに丸められた紙屑があったので
両手をかざしてゴミ箱の方を見つめてみる。入れ。
当然のごとくその私は
ぐちゃぐちゃの紙

    • 「以上。」

      「以上。」 と言って彼は再びテレビの方に体を向け、ゲームの続きを始める。 私は考える。 彼の言葉。 私は思い出す。 楽しかったこと。 嬉しかったこと。 寂しかったこと。 悲しかったこと。 楽しくなかったこと。 嬉しくなかったこと。 振り回されっぱなしだったってこと。 今も振り回されっぱなしだってこと。 テレビでは鎧を身に着けた青年が、大きな剣を振り回している。 テレビでもか。 青年の隣には、ステッキ的なものを一生懸命振りかざしている女性がいる。 彼の話によれば、彼女は体

      • あの音が鳴ったから

        あの音が鳴ったから 僕はドアを開けて荷物を受け取った。 あの音が鳴ったから 僕は火を止めにいった。 あの音が鳴ったから 試合は2対1のまま終わったみたいだ。 あの音が鳴ったから 5時だ。 あの音が鳴ったから もうこの電車には間に合わないだろう。 あの音が鳴ったから 頭痛はひどくなるんだろう。 あの音が鳴ったから 今年も終わるみたいだ。 あの音が鳴ったから あなたはきっといらいらしているんでしょう。 あの音が鳴らないから きっとそういうことなん

        • できること、しない方がいいこと、すべきこと、やっちゃいけないこと、おもしろいからやっちゃうこと、やらない理由がないこと、やろうがやるまいが結果は変わらないこと、月曜日の朝にするであろうこと、明るい未来のためにすべきこと、をしないこと、深夜にしてはいけないこと、目を瞑ることと、手の内を明かすこと。

          できること、しない方がいいこと、すべきこと、やっちゃいけないこと、おもしろいからやっちゃうこと、やらない理由がないこと、やろうがやるまいが結果は変わらないこと、月曜日の朝にするであろうこと、明るい未来のためにすべきこと、をしないこと、深夜にしてはいけないこと、目を瞑ることと、手の内を明かすこと。

        「お前はしっかりしてるから俺がいなくても大丈夫だよ。」
「絶対すごい人になると思うよ。」

        • 「以上。」

        • あの音が鳴ったから

        • できること、しない方がいいこと、すべきこと、やっちゃいけないこと、おもしろいからやっちゃうこと、やらない理由がないこと、やろうがやるまいが結果は変わらないこと、月曜日の朝にするであろうこと、明るい未来のためにすべきこと、をしないこと、深夜にしてはいけないこと、目を瞑ることと、手の内を明かすこと。

          さあサンシャインウォークを

          さあサンシャインウォークを。 秋晴れにサンシャインウォークを。 金木犀を横目にサンシャインウォークを。 そしてあなたはサンシャインウォークを。 思いを寄せるあの人とサンシャインウォークを。 気取らず傲らずサンシャインウォークを。 続いてあなたはサンシャインウォークを。 時に意味深なサンシャインウォークを。 多額の負債にサンシャインウォークを。 さらにあなたはサンシャインウォークを。 異性を意識したサンシャインウォークを。 商店街の端から端までサンシャインウォークを。 ついにあ

          さあサンシャインウォークを

          「3」には結構思い入れがあるので

          「3」には結構思い入れがあるので 3日でも、33分でも、三軒茶屋でも、 ふとした時に何かが頭をよぎる。 同様に 「1」にも 「2」にも 「4」にも 「5」にも 「6」にも 「7」にも 「8」にも 「9」にも 「0」にも 何かしらの思い入れがあるので なにかと何かが頭をよぎる。 「ち」には結構思い入れがあるので 地下鉄でも、チーズバーガーでも、チューズデーでも、 ふとしたときに何かが頭をよぎる。 同様に 「あ」にも 「い」にも 「う」にも 「え」にも 「お」にも 「か」に

          「3」には結構思い入れがあるので

          あきひろはたからばこをしらべた

          あきひろはたからばこをしらべた 50ゴールドてにいれた あきひろはもういちどたからばこをしらべた しかしからっぽだった あきひろは50ゴールドしかはいっていないはずがないとおもってねんいりにたからばこをしらべた しかしからっぽだった あきひろはたからばこがにじゅうぞこになっているかもしれないというかせつのもときもちをあらためてたからばこをしらべた しかしからっぽだった あきひろはたからばこをもちあげてさかさにしてふってみた しかしからっぽだった あきひろは

          あきひろはたからばこをしらべた

          世界中を旅しながら、その時々に感じたことや思ったことを曲にし続けるシンガーソングライターの「久我久(くがひさし)」が2年半ぶりにアルバム「秩序」をリリース。 今回は本人も「転機になった」と語るアルバムの1曲目から全曲紐解くインタビューを行った。※フィクションです。

          世界中を旅しながら、その時々に感じたことや思ったことを曲にし続けるシンガーソングライターの「久我久(くがひさし)」が2年半ぶりにアルバム「秩序」をリリース。 今回は本人も「転機になった」と語るアルバムの1曲目から全曲紐解くインタビューを行った。 ──今回のアルバム「秩序」について今日は1曲目から12曲目まで、1曲ずつお話を聞きたいと思いますのでよろしくお願いします。 『よろしくお願いします。』 ──まず1曲目の「2」ですが、これはどんな思いでつくられたのでしょうか。

          世界中を旅しながら、その時々に感じたことや思ったことを曲にし続けるシンガーソングライターの「久我久(くがひさし)」が2年半ぶりにアルバム「秩序」をリリース。 今回は本人も「転機になった」と語るアルバムの1曲目から全曲紐解くインタビューを行った。※フィクションです。

          生きていればイライラしてしまうことも多々あるでしょう

          生きていればイライラしてしまうことも多々あるでしょう。でもちょっと視点を変えてみることで、自分の感情をうまくコントロールすることができます。今日はいくつかの事例を紹介しますので、参考にしてみてはいかがでしょうか。 運転していると、やたらとあおってくる車がたまにいます。一車線の道が続き、そのままずっとあおられていると、「なんだよあの車。」とあなたは思うかもしれません。でもちょっと考えてみましょう。もしかしたら後ろの車の助手席には、今にも子どもが産まれそうで苦しそうにしている女

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          しりとりはなぜ『りんご』から始まるのだろう

          しりとりはなぜ『りんご』から始まるのだろう。 今日、新しいしりとりの歴史的一歩を踏み出そうと頭をひねる。 『リンボー』 インパクトはあるが、初っ端から「それボ?オ?」的な論議が始まる可能性が高い。 『リフレッシュ』 爽快感はあるが、初っ端から「それシュ?ユ?」的な論議が始まる可能性が高い。 『料理』 その後に99%リンゴと言われるのであまり意味がない。 『リタイア』 誤解を生みそう。 『リアス式海岸』 言葉選びのセンスは感じるが、終わってしまう。 『リハビリ』 誰

          しりとりはなぜ『りんご』から始まるのだろう

          日曜日の僕たちは

          日曜日の僕たちは 仕事に 友達に 恋人に 週末にたまってしまった 掃除や洗濯に 残高の確認に メルマガの新規登録に 住所を打ち込むことへの疑問に マスクを忘れては取りに帰ることに ひっくり返った綿棒を詰め直すことに 不安定なWi-Fiにいらいらすることに リモコンのdボタンを押すことに 送料を無料にするためあと一商品を選ぶことに 素敵な音楽に感動することに あらぬ未来を想像することに コインランドリーでの出会いの期待に 夏への別れと秋への挨拶の言

          日曜日の僕たちは

          上から4番目、左から5番目の四角い窓から身を投げたその男は、上から6番目、左から5番目の四角い窓の辺りで

          上から4番目、左から5番目の四角い窓から身を投げたその男は、上から6番目、左から5番目の四角い窓の辺りで、自分のしたことの重大さに気付き、上から9番目、左から5番目の四角い窓の辺りで、涙を少し流した。上から12番目、左から5番目の四角い窓の辺りで、昔の恋人のことを思いだし、上から14番目、左から5番目の四角い窓と、上から17番目の左から5番目の四角い窓の辺りにかけて、少し笑った。上から20番目、左から5番目の四角い窓の辺りで、上から28番目、右から2番目の四角い窓の部屋の知り

          上から4番目、左から5番目の四角い窓から身を投げたその男は、上から6番目、左から5番目の四角い窓の辺りで

          暖をとる。

          暖をとる。 寒い夜にたき火で暖をとる。 暖を持つ。 ちょっと重かったので利き手で暖を持つ。 暖に入る。 後には引けず、決死の思いで暖に入る。 暖を集める。 誰も見ていなかったので、ここぞとばかりに暖を集めた。 暖を担ぐ。 気まずい空気に耐えきれず、思わず僕は暖を担いだ。 暖に暖を塗る。 思いとは裏腹に、暖に暖を塗る結果となってしまった。 暖になる。 四十を過ぎ、そして私は暖になる。 暖の上に暖。 久しぶりに駅で見かけたあなたは、里の上に里というよ

          暖をとる。

          いつかペットを飼う機会があったら

          いつかペットを飼う機会があったら、 犬だったら「しゃもじ」、 猫だったら「まどぎわ」という名前を付けようと思った。 「しゃもじ」と「まどぎわ」とインコの「えんがわ」とのいつかの生活の事に想像を巡らせ2分を過ごし、アド街ック天国を見ていたらこんな時間になってしまった。 これからハムスターの「てすり」の夢を見ようと思う。

          いつかペットを飼う機会があったら

          例えば

          例えば と、 書き始めると ここから先のことは すべて仮定の話で いわば想像の話になる。 しかしながら と、 書き始めると ここより前の話とは おおよそ反対の話になる。 つまりは と、 書き始めると そろそろ話はクライマックスに近づく。 つまりは 例えばの話が 悪い話であれば その物語はハッピーエンドになるはずである。 しかしながら なぜだか そうとも限らないのが おもしろくて 残酷なところです。

          それはそれは素敵な夢を見た

          それはそれは素敵な夢を見た。 どこだかは分からないがどうやら動物園らしい。 最初に見たのはなんと灰色の象。 ゆったりと草を口に運ぶ姿が堂々としていてかっこよかった。 次に見たのがこれまた珍しい黄色に茶色のまだら模様のキリン。 高い木の枝から草を食べている姿が愛しく見えた。 さらに茶色の猿、緑のワニ、グレーのカバ、白いウサギなども見たが、一番印象に残ったのがシマウマで、初めて目の前で見たそのシマウマはとても凛としていて、私はその姿に見とれしばらく動くことができなかっ

          それはそれは素敵な夢を見た