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懺悔

懺悔

男は、山を登っていた。

男は日本人にしては浅黒く、鼻は高く、険しく前を見据えた両目は顔の中央に若干寄っている。おそらく彼に出会った人はまず端正な印象を受けるだろうが、どこか不均衡な感情が芽生えるのを抑えきれず、彼を正視し続けることが出来ないであろう。彼の全身から滲み出る自己否定の情調は他人を不安にさせた。その男が今、憑依されたかの如く、一心不乱に山を登っている。目にかかる黒々とした髪が汗で額にへ

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